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81.うちの魔法使いは優秀で

「狙撃の腕は健在みたいだな、元・大佐さん」

「喋るな穢らわしい帝国民が」

 人間界の技術ではマナ弾の残留なんて検知できない。故に、異界人が起こした殺人事件の犯人逮捕は不可能と言っていい。だからこそ管理課への報告、登録が求められるのだ。

 登録者の場合、戦闘が開始されていたと式に判断されれば、敵味方関係なく殺害された場合には蘇生される。つまり……王国側が魔法少女を殺しても、蘇生は実行される。

 目撃者のいない場所で敵勢力が接触し死亡したとなれば。そして蘇生が行われたのであれば、それは事故ではなく事件となる。

 事実さえあればいい。経緯なんて後からいくらでも作ればいい。これが、俺たちが戦っている相手である。


「本国の分析員から聞いたぜ……アラザンにかけた魔法少女契約に、隠蔽された文言があったってな」

 アラザンのスカウト。当初は、使徒の独断であり単純なミスではないかと考えられていた。しかし王国側の動きが不穏になるにつれて、暗殺の線が濃くなり始めたため、詳しい術式鑑定が行われたのである。

 契約者に見えないように隠されていた文言は<射撃魔法の使用において、安全性を確保する観点から、緊急時には契約責任担当者に照準権限の一切を譲渡する>というもの。

 要するに、使徒の判断によっては魔法の制御権を完全に奪い取ることができるということだ。

「残念だったな、うちの魔法使いが優秀で」

 流れ弾に見せかけて魔法少女に怪我を負わせれば。悪の権化、とプロパガンダを築くことができる。

 ……嫌な感じ、でこの陰謀に勘づくなんて、アイツは一体どれだけの天才なのやら。

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