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47.見合い話の追い払い方

「ただいまー、あ。あけおめ」

「ことよろ、です」

 ソファに寝転がったアラザンは、いつもよりいくらか気怠げであった。

「どうしたんだよ。カレーが嫌になったのか?」

「いえ、カレーに罪はありません。ただ、年始というと、貴族同士の社交パーティーが多くてですね。立食でニコニコしていなければならかったので、疲れたのですよ」

 久しぶりにコイツが坊っちゃんだということを思いさせるセリフである。

「そうだ、ガナッシュ、ちょっとこっち向いて下さい」

 急に何だよと振り返ると同時に、スマホのシャッター音がした。

「私も年頃ですからね。見合い話もよくされるんですよ」

 しかし、本人としては今の生活に満足しており。これを維持したいとのこと。で、親を安心させるため、言い寄る貴族連中を追い払うため、人間界で楽しくやってる写真を送ることにしたらしい。

「貴方も見た目はそこまで悪くないですし。同居人として紹介するには差し支えないでしょう」

 仕事一辺倒で、筋肉野郎と同居って社会的不名誉になりやしないか心配になってしまうが。まあ、コイツの悪賢さならたぶんうまいこと言いくるめるのだろう。


「あ、肉じゃが食べたいです。作って下さい」

「俺に拒否権は?」

「あると思っているんですか?」

 そして、手伝いをさせつつ作っている自分がいる。第二の家としてはこれも悪くないな、と思えてしまったのである。


 その後、アラザンが正月太りなるものを経験したのは言うまでもない話。

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