33.潜入役は推薦で
秋と呼ぶにはまだ暑い、残暑が厳しい今日この頃。会議室にて、新たな作戦が立てられた。
「我々は、あまりにも魔法少女について知らない……ということで、魔法少女たちが通う学校に潜入し、調査を行う」
不法侵入ではなく、転入生として堂々と接触を図る。衆人の中では、向こうも迂闊には手を出せないだろうとのことだ。
転入手続きは本部が行うらしい。となれば、現場の者として求められるのは、完璧な変身魔法と何人をも惚れさせる技量。
「アラザンだな」
「アラザンじゃの」
「アラザンちゃんやね」
「吾輩もアラザンに一票」
満場一致。弁明の余地無し。
「すみません。潜入先が女子校だって知った上で言ってます?」
「見た目が女子で、女装もできるお前なら何の問題もないだろ」
「男だってバレてもいいから女装は楽しいんですよ。バレてはならない女装なんてただの拷問です」
なんかちょっとコイツの危ない性癖の片鱗が見えた気がするが。黙っておこう。
「……変身魔法の負担は大きいことは知っておる。しかし、この面子でそれを扱えるのはお主しかおらん」
色々と言いたげな表情のキャラメリゼが、ぐっとこらえて話を進めた。
「貴女の角を隠すくらいならできますが」
「ワシがそんな上手に芝居が打てると思うかえ?」
こんな調子であり。渋々アラザンが潜入役をすることになった。




