26.導火線上の火遊び
「服だけ溶かすスライム、とはまた下世話なもんじゃの」
「アラザンちゃんも大変やったんねえ」
遅れてやって来た女性陣に慰められるアラザン。自分の迂闊さも改めて感じてか、顔を覆っていた。
「マナ吸収、物理・魔法攻撃軽減、混乱付与……無駄にスペックの高いスライムじゃな」
ナニをどうされたのかは全て伏せられた。男の名誉のためである。
「これ、女の子に使ったらクレームすごいことになるんやないかな」
「センシティブに入るかもしれんからな。看過できん」
十八禁レベルになっていたとは、口が避けても言えない。
「……そもそも、こちらの状況がいかに危ういか、理解しとらん連中が本部にいるということじゃな」
こめかみを指で叩き、苛立ちが抑えられない様子のキャラメリゼ。
「あまり怒らないでやれ。吾輩たちがこんな茶番をする理由が知れ渡っていても問題であろう?」
これは導火線上の火遊び。それを知っているのは、果たして何人いることやら。
ボスの言葉を受け、キャラメリゼは溜息を吐くしかなかった。
「……して、アラザン。お主、制服はどうするんじゃ?」
それから数週間。新しい制服が完成するまで、例の夏服での戦闘となり。また一部のマニアックなファンに強烈に刺さったとか。それは言わなくていい話である。




