23.スライムに負けてる……
それからまた数週間あり。冷たい水が美味しく感じられる季節。
拠点の物も少しずつ増えてきて。本国からの物資もここに保管するようになっていた。
……まさかこんなことになるだなんて、誰も思わなかったんだ。
「がなしゅ、助けて、くらしゃい……」
休憩室……会議室に入ってすぐ。とんでもないものを見てしまった。
アラザンが、スライムに襲われていたのである。
溶かされてバラバラになった制服。見え隠れする柔肌。スライムが身を這いずり、動くこともままならないようで。
「まにゃ、これ以上吸われちゃ……うぅ……」
弱々しい声音。赤らんだ頬と潤んだ瞳。
その様子は、なんとも官能的で……。
「っ!スライムだな!?えっと、凝固剤凝固剤……!」
テーブルの上に転がった瓶のラベルを確認し、すぐにスライムに振りかける。スライムには物理も魔法も効きづらいため、特殊な薬品で体を固めて対処するしかないのである。
「すみません、これ、外してもらえますか……?」
まだ震えが残る声。火照った体。薬液でしっとりとした肢体に、危うく何かが崩壊するところだった。
「んっ……」
マナ切れで動けないらしく、俺が手作業で外す羽目に。
その間、どうしても肌に触れることになり。ずっと、声を我慢しているものだから。こっちまで恥ずかしくなってきてしまう。
「あー……。白スライムっつーことは、人工個体か。誰だよこんなの仕込んだ奴……」
スライムは、五種類存在する。
青……全体の九〇パーセント。雑魚。
黒……五パーセント。夜襲、奇襲窒息殺害型。牙がなく、強力な消化液も持たないため、獲物が腐るのを待つ。
紫……三パーセント。毒殺型。麻痺させた獲物を生きたまま捕食。口や鼻の穴から侵入し、獲物を内部から食い荒らす。
そして、白は人工個体。その特性は多岐に渡るのだという。……最後の一色については言わないでおく。はばかられるためである。
「っ……!」
また小さくはねる体。
……必死に我慢して、赤面しながら耐えるシチュとか、性癖じゃないよ決して。決してだよ?




