表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/224

9.定時で上がらなくては

「ラベル見ろラベル。あー、食いたいって言ってたの生姜焼きだったよな?一応どっちでも作れるから最悪外しても大丈夫だぞ」

『それを早く言ってください。私の心労は何だったのですか』

 必殺技の流れ弾が飛んできたので、さっとかわしておく。

「ちゃんと相談できるようになったのはえらいぞ。でもな、今俺が仕事中だってこと忘れてない?」

『忘れてませんよ。()()()()()()に手傷を負うような貴方ではないでしょう?』

「そりゃそうだけどさ……」

 信号機から黒い光の粒が抜け、元の姿を取り戻したことを確認する。よし、今日も無事負けたな。


「そうだガナッシュー!ちょっといーい?」

 踵を返そうとしたところで、乙女に引き止められた。

「ねえねえ『#アイサイベントーの変』って知ってる?」

 知ってる。そして原因の半分は俺にある。

「アラザンって奥さんいたんだね!?どんなひとなの!?」

 目をきらきらさせてやがる。恋バナ好きな思春期共め……。

「というか、タイムセールとか言ってたよね?帝国にもそんなのあるの?」

「さっきスマホ使ってたよね!?誰と話してたの!?」

 ま、まずい。これは非常にまずい。

 派遣員四人の中で、俺は一番頭が悪い。この状況を口八丁で切り抜ける器用さなどない。

「あー急用を思い出したぜ!あばよお嬢さん方!」

「あっ、こらー!答えなさいよガナッシュー!」

 だから、とりあえず逃げることにする。

 帰りが遅くなったら、きっと腹ペコの同居人がふてくされてしまうから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ