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プロローグ
魔法少女と戦う、悪の組織の日常系……といえば、この物語の概要は伝わるだろうか。
「さぁ恐れよ!跪け人間共!」
怪物を生み出し、街を破壊する。
「魔法少女隊・キラピュアーズ参上!もうあなたの好きにはさせないよ!」
怪物は乙女によって倒され、街はきれいに元通り。
「んじゃ、俺も退散だな。じゃーな、お嬢さん方」
俺は退場。お約束の流れだ。
そしてこの先が、俺たちしか知らない話。
「戻ってましたか、ガナッシュ。そこの書類に目を通しておいでください。本部への提出用なので」
同じ組織の幹部……というより、現地派遣員の同僚。俺とは正反対な性格の奴。
「はいはい、ちょっと待ってろ」
もし、この話をより正しく表現するとしたら。
これは、コイツと俺の友情が壊れるまでの物語だ。
……いや、ひょっとしたら、もうちょい続くのかも。