1話 かりんの日常
私の名前は、かりん。
ここ、かりん堂の店員をしている。
かりん堂は、クレープ屋さんで、女子高生に特に人気のあるお店で、「かりんとう」と慕われている。
…まあ、正しくは、「かりんどう」と読むんだけど。
何か、視線を感じた気がして、店の外に出てみたけど。
…気のせいみたいだ。
今日も、何名かの学生がクレープを買って行った。
昼は、ここで働いている。
そして、夜になると…。
?「ねえ? 何拗ねてるの?」
かりん「な…なんでもない。拗ねてないから!!」
部屋の一室。私は、ベッドに横たわった。
今日も疲れた…。
ドアが勝手に開き、私に覆いかぶさる。
彼女は、すみれ。
…。私を付け回すストーカーだ。
正直うんざりしてるのだが。
何故か、強く追い返せないでいる。
なにか…追い返すと。何かが変わってしまう。
そんな気がするのだ。
これは、一体なんなんだろうか?
今日も、彼女に、ベッドの上で。
…。あれ?まただ。
私は、何に疑問を抱いたのだろうか。
すみれ「ねぇ、必殺技だしてよ?」
…はぁ…。憂鬱な時間が、また始まる。
でも、かりんは、笑顔で応える。
かりん「わかったよ。」
かりん「らぶシャワー…(´Д`)ハァ…
これで、いい?」
ひどくめんどくさげに、唱えられる魔法。
すみれ「だーめー。心がこもってないもん」
かりん「かりんの名のもとに…生命の息吹を。この胸の高鳴りを愛に変えて、現実に具現化させたまえ。愛の息吹…。らぶシャワー!!」
はぁはぁ…。
すごく、暑い。
すみれ「…。かりん…。」
すみれ「かりん♥」
す…すみれ?
焦点の合っていない目。
はぁはぁと荒い息遣い。
にじりよる。すみれ。目にはハートマーク。
一体何がどうなって!?
パキっ
その時、空間にヒビが入るような音が静かに部屋に響いた。
かりんは、ふと…。
部屋の壁を見ると…
壁に…。いや、空間にヒビが入っているのが見えてきた。そのヒビは、次第に広がりを見せる。
そして…。
かりんの日常に終わりがやってくる。
イチャイチャ控えめに書きました。