表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

1:原罪のシルヴィア

最初に死んだのは、女王殺しの時。

私の祖先は災厄の魔女を封印した英雄騎士で、同じく英雄だったファインブルク王国初代女王ベアトリスの親友だった。

英雄騎士の呪いの身代わりとなった初代女王は、その心を呪いに蝕まれていった。

英雄騎士の遺志を継いだならば、狂気に堕ちた友を救わねばならなかった。


だが、愚かな私の一族はそうしなかった。


『助けて』と救いを求める声を無視した。


保身のために国の贄に捧げた。

友を失い、自らの無力に絶望した女王は死ぬことも許されず、災厄から守る守護する存在としてこの国に縛られた。

だから、私は死をもって女王を解放した。


だが、狂気に堕ちた女王は我らに呪いを残した。

守護すべき国を破滅へと導く呪いを。

国民は等しく贄の刻印を持っているが故に、国は緩やかに滅びていくだろう。

滅びゆく未来と知りながら、それでも女王の願いを無視し、目を反らしてきた。


私は一国民として、貴女の友として、その罪を背負います。


――自らの手で下した決断に、ひどく疲れたのを覚えている。国は確実に破滅へと進んでいくと分かっていたから。

自分の判断は正しかったのか? 本当に他に方法は無かったのか? 女王を死なせて良かったのだろうか? そんな自問を繰り返す暇など無かったが。


使命に背き、反逆の騎士と刺客を送られた。

狂える女王を殺した後に封印の解けた災厄の魔女、コトリノ王との連戦で致命傷を負った。

生と死を彷徨う中、今まで抑えていた闇が溢れてきたので、強く願った。


未来を生きる我が子へ、お腹にいる小さな命へ、枷を残して死にたくないと。


闇に呑まれる前に、私の命を我が子へ与えた。

我が子に力が継承されるように願いながら。

死ぬ間際、思ったのは一つだ。


私を愛してくれたために狂気に堕ちたあの人に、我が子や血縁者を好きにさせてはならない。ハンク家の血族を手にかけたあの人が、次の犠牲を生む前に止めなくては。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ