表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/72

新人研修

 次の日の朝。何も持ってい来てなかった私は、タンスの中に入っていたメイド服を着ると、執事のアーデルハイドさんの案内で厨房へ来ていた。


「朝はここで、朝食を取ってもらっています」


 厨房の手前にある食堂でパンとサラダ、スープがバイキング形式で置いてあった。朝8時までは、ここで朝食が食べられるという。


「先に、朝食を済ませてしまいましょう」


「はい」


 私達が朝食を食べ終わって大広間へ行くと、メイドや侍従らしき人達が一列に並んで待っていた。


「今日から一緒に働くことになった、セシルさんだ。みんな仲良くするように」


 私は、魔王領にいる間だけ『セシル』と名のることにした。名前がないと何かと不便だし、今朝アースと話し合って、仮の名前を決めたのだ。


「「「はい!!」」」


 アーデルハイドさんの一声に、大広間にいた3人は元気よく返事をした。


「吸血鬼のハイディよ。よろしく」


「セシルです‥‥‥。よろしくお願い致します」


「最近の吸血鬼は、血を吸ったりしないから怖がらなくても大丈夫よ」


 私の一歩引いた態度に嫌な顔をせず、笑顔で挨拶してくれたハイディさん。


「そ、そうなんですね」


「淫魔のマーサよ」


「よ、よろしくお願い致します」


 次に挨拶してくれたのは、中性的な顔立ちでショートカットの髪型、マーサさん。真顔で私の顔をジッと見つめていた。


「クレオだ。よろしく」


「よろしくお願い致します‥‥‥。クレオさんは、人間なんですね?!」


「いや‥‥‥」


「‥‥‥」


「幽霊なんだ」


「えっ‥‥‥」


 金髪に青い瞳のクレオさんは、どう見ても普通の人間だったため、驚いてしまった‥‥‥。それにしても、魔王城には幽霊もいるのね。


「さて、一通り自己紹介もすんだことだし、仕事をしてもらうよ‥‥‥。今日は書庫の整理をしてもらう。ついておいで」


 アーデルハイドさんに誘導されて、ついて行った2階は、執務室のような造りで机とソファーが置かれている小部屋だった。棚から手持ち用のランプを取り出すと火を灯し、私に手渡して近くにある螺旋階段を降りていった。


「段差があるから気をつけて」


「はい‥‥‥。ありがとうございます」


 地下にある書庫は全体的に埃っぽかった。ここを掃除するのが今日の仕事みたいだ。


「手前の本棚のお掃除だけで結構です。終わる頃に、また来ますので、それまでお掃除をお願いします」


「はい、よろしくお願い致します」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ