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第五話 【ドラゴンに拉致された件について-5】

【アラン】


「ぐすん、怖いのに気持ち良いの複雑だったよぉ……」


 ハァ……。

 色々ビックリしたよぉ。

 急に何されるのかと思ったら、もう訳がわからないまま気が付いたら朝だった。

 うぅ、頭と腰と腕と足と顎とベロが痛い。

 太ももの裏と肩も痛いし、何なら指も痛い。


「えぇい! いつまでウジウジしとるんじゃ! 今日から毎夜の事となるのじゃぞ、シャキッとせんかシャキッと」

「うぅ……ん? え? 毎夜?」


 んん?

 何か聞こえた?

 気のせいだよね?

 アレを毎夜?

 マイヤーって何だっけ?

 ま、いいやー。

 なんちって。


「ガアアアアァァァァ!!!」

「ギャァァァァァァアアアアアアアア!!!」


 突然変身しないでよもう!!

 ビックリしすぎて顎が外れるかと思った!

 ただでさえ顎も痛いのに!!


「どわっ!?」


 羽ばたいただけの風圧がとんでもない威力!

 普通にふっとばされて土の上を転がる僕、辛過ぎ。


「……ァァァァァ……」


 何か気分良さそうに飛んでるよ。


 ……。


 一人になっちゃった。


 落ち着いて考えるに、ここは何処なんだろう。

 ここに連れて来られた時は怖くて目を閉じてたから、気づいたらもうこの場所だったしなぁ。うーん。


 周りは森ばかりだし、上は空、下は土。

 パトちゃんは居なくなっちゃったし。


 お腹空いて来たし。

 よーし、一旦果物でも探そうかなぁ。


 探し始めて森に入ったは良いけれど、全然何も見つからない。

 マジかー。

 どうしようかなぁこれ。


「ブヒィィィィ!!!」

「ギャァァァァァァアアアアアアアア!!!」


 出たァァァァ猪みたいな奴ぅぅぅぅ!!!

 無理無理死んじゃう死んじゃうぅぅぅぅ!!!


「ブヒィィィィ!!!」

「ギャァァッギィヤアアアアアアア!!!」

「ブギョッ!?」


 うわぁぁぁうわぁぁぁう、う……わ?


「ん?」


 あ、あれ?


「ぶ、ひ……」

「……ん?」


 猪みたいな奴が……死んでる?

 心なしか手が痛い様な……?

 当たったのかな?


 え、僕の手が当たってこうなったの?

 試しに猪をつついてみる。

 動かない。

 というか口も胸も動いてない。


 息をしてない?

 え、死んじゃった?


 た、食べられるのかな?

 恐る恐る猪さんを持ってみる。


「軽っ!!」


 猪さんかっる!

 何でこんなに軽いの?

 中身がスカスカな猪なのかな?


 ……まっ、いっか。

 持ち帰ったその猪を、僕は前みたいに調理しておいた。

 一応採取用のナイフは持ってたからね。

 というか良い匂い過ぎる!

 今回は焼く前から僕が調理したから、前よりも更に美味しい筈。


「あ、ご飯出来てるよパトちゃーん!」

「やるのぉ! どうやって捕まえたんじゃ?」


 僕にも分からないんだけどなぁ。

 うーん、僕じゃなかったのかな?

 勝手に転けたとか?


 いや、多分あれは僕が殴った感じになるんだろうなぁ。


「うんま」

「えへへ、そうでしょ? 上手く捕まえられたんですよ!」

「だからどう捕まえたのじゃ?」

「どう? んんー、手で?」

「もうええわい、美味い故に手段は問わん」

「ん?」


 手以外に無くない?

 実際手だったし。


「ふぅ、満足じゃぁ」

「良かったー。さ、片付けてっと」

「何じゃ、オヌシの分は無いのか?」

「え? あ、この後少しだけ頂きます」


 まさかね、目上の人と同席なんて有り得ないよね。


「明日から共に食事を取る事、命令じゃ」

「え?」

「分かったな?」

「はい!」


 パトちゃんのこういう所、嬉しくて泣きそうになっちゃうんだよなぁ。

 誰かと食べるとか基本的になかったし。

 いつも一人だったからなぁ。

 で。


 余りにも嬉しくて、ついウルウルしてたら。

 この後めちゃくちゃ食べられました。


 ぐすん。




 ━━━━━




「それは眷属化した影響かもしれんのぉ」

「え、そうなんですか?」


 猪さんを拳で仕留めて、しかも担いで帰った事を事後に伝えると、横になりながらパトちゃんが色々と教えてくれた。


 どうやら僕の身体は少し変異しているらしい。


「妾の支配下に入った事で、それに見合った姿に変異したというか、妾の力が流れ込んでしまったというか。どうあれ妾の影響で身体能力が向上したのじゃろう」

「そ、そうなんですね。そんな事あるんですか」

「妾とて知らぬ事。眷属を持った事など数百年ぶりで、しかもその時の眷属は強かったからのぉ。アヤツ、今頃何処で何をしておるのか」


 それに引き換え、僕は弱いからなぁ。

 影響が顕著に現れちゃったのかも。


「そも、身体的な強度も上がっておる。少々の事では壊れぬじゃろうて」

「そうなんですか?」


 確かに殴ったであろう拳も、痛くはあっても直ぐにその痛みも引いたし。勿論骨とかも何も痛めてないし。


 そうなのかも。


「考えれば当然じゃな。そうでなければオヌシが如き脆弱なわっぱ、初夜に妾が壊しておるじゃろうて」

「ヒィッ」


 怖すぎるんだけど!

 なんで確認もせずに初日から壊す勢いで攻めてくるの!?


 僕本当に怖かったんだからね!!

 気持ち良かったけど!!


「それに、わっぱのわっぱは、わっぱというより大人か、或いはオーガと遜色ない猛りを見せておるしのぉ」

「うぅ、やっぱりこれもそのせいだったんだ……」


 普段はそんな事ないのにアレがアレすると滅茶苦茶おっきくなるから僕もビックリしたんだけど。


 人の大切な部分をオーガとか言わないでよね……。


「他にも何かしら、影響があるやもしれんのぉ」

「うーん、成る程」

「オヌシを見ていたら昂ってきてしもうたわ。眠る前におかわりを頂くとするかのぉ」

「うぅ、お、お手柔らかに、ィィィヤァァァァァァ!!」


 もう!!

 そんなにしたら僕壊れちゃうから!!

 壊れそうだから強化して壊そうとするとか酷過ぎる!

 でも気持ち良い!

 悔しい!!

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