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第十一話 【突然サバイバルが始まった件について-5】

「ど、どうする?」

「にゅ?」

主人(あるじ)サマにまかせるー」

「だよねー、困ったなぁ」


 グッタリしているそのとらちゃんは、ちゃんと口元からハンパない牙を覗かせていてバチくそに怖い。


「くぅーん……」

「ど、どうしよう」


 けれど確かに弱りきっていて、横になったまま眠っているのか、もしくは何も出来ない程に体力が無いのかで、兎に角動こうとしない感じだ。


 このままだと、多分死んじゃう。

 けど、助けたら僕が死んじゃいそう。

 でもなぁ……


「にゅっ!」

「イモモもそう思う?」

「にゅ」


 イモモがその全身を使って『可哀想だから助けてあげてよ!』みたいにウネウネしている。

 イモモが可愛いから助けようかな。


「ミミも可哀想に思うー」

「ミミちゃんもか」


 ミミちゃんはその上半身をとらちゃんに寄せて、容態を伺う様に覗き込んでいる。

 うーん、みんな心配だよね。


 だってさ。

 ここに来たって事は、そういう事でしょ?

 この子にも色々あったんだよね、多分。


「助け……ようか」

「にゅ!」

「主人サマありがとー」


 助けてあげよう。

 幾らなんでも、助けを求めてここに来てくれた子を見殺しにするのは、気持ちがザワザワして落ち着かない。

 もしかしたらその後で大変な事になるかもしれないけど、どうせ後悔するなら助けた後悔の方が僕は誇らしく思えそう。

 だからどうなっても仕方ないと割り切って、助けよう。


「ミミちゃん、運ぶの手伝ってくれる?」

「ヌー、わかったのー」


 ひとまず、僕が寝床にしてる場所に連れて行こうかな。

 あそこが一番安全だよね。



 ━━━━━




「くぅーん……」

「ほら、このお団子を食べて?」

「くぅ……」

「じゃあ僕が食べさせてあげるから、腕は食べないでよ?」

「ぐぅっ!?」

「出したらダメだよ!」


 お薬を潰して丸めただけの激苦団子をライガーちゃんの喉の奥の方まで腕を突っ込んで押し込んで、そのまま引き抜き様に口を無理矢理閉じさせた。


 こういう生き物って、口を閉じる力は強いのに、開くのは余り上手く無いんだよね。

 だから僕の力でも抑え込めちゃった。


「んぐっ!?」

「よし、飲み込んだね」

「ぐるる……」

「あー僕は食べちゃダメだよ? ご飯もあるからね?」

「!?」


 ライガーちゃんが僕を食べなくても良い様に、予めお肉を用意しておいた。

 前に倒した猪肉の残りだけど、食べ切れなさそうだったし丁度良かったよね。


「ガフガフガフ……」

「美味しい? よかったー」


 パクパク食べてる。

 ひとまず食べられるなら大丈夫かなぁ。

 目立った傷は無いんだけど、どうしたんだろ?

 何で倒れてたんだろね。


「食べたら少し休んで、元気になってね?」

「くぅ……」


 少し頭を触ろうとしたら、思いの外素直に触らせてくれた。

 だから優しく撫で撫でして、僕は小屋から外に出た。


 さてと。

 僕はこの後どうしようかなー。




 ━━━━━




 結局、大して何もする事が無かったから、ミミちゃんと畑を耕したり、種蒔きをしてみたり、後は種類を分かり易くする為に簡単な柵を作ってみたり。


 お水をあげるのに、今はミミちゃんが川までいって水を身体に溜め込んで、それを放水してくれてるから何とかなってるけど、水に関してはやや不便があるよなぁ。


「ミミちゃん、この辺りに細かい土のある場所って分かる? 粘土が欲しいんだけど」

「川の近くにあるよー。こっちー」


 ミミちゃんの案内で粘土は簡単に手に入った。

 これをツタを編んで作った小さい籠に集めて、アジトの近くに粘土を溜める場所を作っていく。

 粘土は使い道が多いから、あると助かるよね。

 ある程度の粘土が溜まるまでせっせと運び、これくらいで良いかなって所でお終いにした。


 よーし、次はこれを使ってコップとか水桶を作ろう!

 粘土を紐状にして、それを重ねて重ねて……出来た!

 後はこれの大きいのも作って置いて、そこに水を貯められたらいいなぁ。

 一先ずあった方が良さそうな貯水用の土器を製作し、我ながら売り物には無理だなという不細工なウツワたちが完成した。

 作り方は分かるんだよねぇ。

 上手く作れないだけで。


 後はこれを焼く為の窯も作ろうかな。

 少し大きめで、L字型の風の通り道を作って、その周りを粘土で覆って固めて……これで良いかな!


 結構時間掛かっちゃったけど、良い感じに出来たね。

 後は魔法が使えそうなパトちゃんに火種を貰えれば完成だ。


 パトちゃーん!!

 はよもどっておいでー!

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