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しあわせのための七つの条件  作者: あだちゆう
13/15

僕、ナチュラルになる

僕たち三人は、長い間、庭園をめぐり、様々な花や草木を見て楽しんだ。


物語は、全く進まなかった。

すぐ先に、数秒あとに何が起こるか、それすらも分からなかった。


だけど、それでよかった。


その都度その都度、僕たちは、ともに、その瞬間瞬間を味わうことを楽しんだ。


空の青さ、風の香り、それらと共に、駆けること、踊ること・・・

それらのすべてに意味なんてなかった。


僕は、ただ無邪気にヒロミと笑い合った。


マミ先生は、それを見て笑っていた。


そうか、そんなことでいいのだ。


僕はそんなことを思った。


何かを考えて、紡ぎ合わせることではなくて、いつもいつも、その瞬間瞬間を集中して、生命を紡いでいこう。


そうしたら、その先どこに行くかなんて、わからない、わからないけれど、

だからこそそれが面白いんじゃないか、と思う。



僕たちは、子どものように、はしゃぎまわり、追いかけまわった。


日が暮れるのはあっという間だった。



マミ先生は、サンクチュアリに戻り、スーパーで夕食の材料を買うことにした。


ぼくとヒロミも一緒に行くことにした。


マミ先生は、食べ物について、私たちの精神と肉体にとって最もよいものは何か、

そして取るべきでないもの、避けるべきものを知っていた。


私たちの文明の中にあふれている8~9割がいわゆる毒素に満ちていて、私たちの精神や体を病ませているものだということ、その見分け方もよく分かっていた。

その上で、彼女は、食材を厳選しながら、すべて手作りで塾生のために毎晩料理を振る舞うのであった。


「サンクチュアリの子どもたちは、だから、イライラしたり心の病に苦しむ子は少ないの。

仮にいたとしても、どんどん良くなっていくの。」

ヒロミはマミ先生の食事を評してそう言った。


「それは、大地に足をつけた生き方をしているから・・・。」



瞑想は、マミ先生の習慣であった。


ヒロミも、塾生たちもそれに加わる時がある。


そのなかで、私たちの心と体はリセットされ、私たちを形作り生かしている「大いなる叡智」から、真に必要なものを直感として受け取り、それを選択していくことができるのだ。


そして、それは多くの場合、当たっており、最善の選択であり、

私たちが頭で判断するよりも、より賢い道を示してくれることは多いのだ。



僕たちは、そうした瞬間瞬間がとても心地よかった。

僕たちはその空間と時間の一瞬一瞬を楽しんだ。



僕たちは、この大きな知恵の海の中で、互いに楽しく語り合うことを覚えた。



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