プロローグ3
牟田口は魚を焼いていた。冒険者4人は焼き方を教えてもらっていた。牟田口は美味しく焼けると美味しく焼けた音がするから音が聞こえたら食べるだけだと教えた。
冒険者はジュージューという音を教えてもらったがさっぱり他のジュージューという音との違いがわからなかった。
牟田口は焼き方を失敗すると美味しい音はしない、美味しい音がする焼き方を見つけ音がしたら食べればいいと教えた。
冒険者は顔を見合わせると、やっぱりプロ級の技術は一朝一夕では無理ねとあきらめた。
お昼は野草や山菜とキノコを塩で煮たスープと焼き魚とライスだった。
女回復術師がごはんを炊いて振る舞うと牟田口はこれが食べたかったと言い、焼き魚とごはんで何杯も何杯もごはんを食べ涙を流した。
ライスは牟田口が何度もおかわりをして大半食べた。仮面の女は牟田口に自分のライスを半分あげた。牟田口は一心不乱に腹一杯食べると横になり幸せそうな顔をした。
昼食後のくつろいだ時間に女回復術師は合図を短剣の剣士に送っていた。今日一緒に寝ないかという誘いの合図だ。短剣は了解の合図を送り、大剣と女魔術師もなんとなくふたりは今晩するつもりだなと察した。
大剣は今日は疲れたからここで夜を明かそうと提案すると牟田口は了承した。大剣は牟田口にパーティーのふたりが夜中さかるようだけど気にしないで寝て欲しいと伝え自分達の荷馬車を牟田口の荷馬車から少し離れた場所に動かし夜営場所も自分達の荷馬車から離した場所に設営した。
夜は冒険者パーティーが山菜とキノコの入った干し肉をお湯で戻したスープを作りパンを焼いて、助けてもらったお礼だからと振る舞った。肉のエキスが溶けたスープは牟田口と仮面の女にとって身体に沁みるように美味かった。
夜の余興に短剣が故郷の物語を披露することになり、牟田口も成り行きで物語を披露する事になった。