3.予言の経済学 ~巫女姫と転生商人の異世界災害対策~
神秘的で曖昧なイメージから数値による予測へ。
それは予言が情報へと姿を変えた瞬間だった。
◎作品タイトル
予言の経済学 ~巫女姫と転生商人の異世界災害対策~
◎作者
のらふくろう 様
◎ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
◎あらすじ
「どうか聞いてください。今年、西方より大いなる災いがこの国を襲います」
平和を謳歌する王国に王女アルフィーナの不吉な予言が告げられる。だが、反逆者の血筋を疎まれる姫の言葉は無視される。
経済学部院生から行商人の子に転生した主人公リカルドは身分社会で大商人の妨害に苦戦。情報を求めて入った学院でも早々に反感を買っていた。
そんなリカルドを庇ったのはアルフィーナだった。「王女なんてボラティリティーの高い人間には近づかない」と保身に走ろうとするリカルド。だが「策士を気取ってる割にチョロい」と幼馴染に嘆かれる彼は、姫の予言に巻き込まれていく。
「もっともらしさは問題じゃない。仮説の成否を検証できるデータをどう取るかが重要だ」
災厄の本体ではなく被害後しか映さない予言に対し、リカルドは現代知識の概念を魔力災害に応用することで解明していく。
◎タグ
R15 残酷な描写あり 異世界転生 身分差 ラブコメ 天災 成り上がり 現代知識の応用で無双 魔脈災害 保身(笑) ビジネス 生物学 人災 魔力学
◎個人的オススメ度
☆10
◎レビュー・感想
「どうか聞いてください。今年、西方より大いなる災いがこの国を襲います。」
平和を謳歌する王国に王女の予言が告げられるが、反逆者の血筋を疎まれる姫の言葉は無視されてしまう。
「信じません。判断するだけです。」
災厄本体ではなく被害しか映さない予言に対し、転生者の主人公リカルドは己の保身を求めつつも現代経済の概念を魔力災害に応用することで解明していく。
魔力や予言、ファンタジーのすこし不思議な世界観を現代知識で解明していく物語です。主人公リカルドには戦う力も神様からのチート能力もありません。ただあるのは経済学と現代の知識だけ。ちょっと物理系の知識が深すぎる気がしますがそこはご愛敬かなと。チェレンコフ放射とか普通の人は知らないですよね。タグには無双とありますが、無双のパワーや実は最強の使い方が!みたいなファンタジーしている話ではなく、あくまでも主人公が持っているのは知識だけなので地に足つけた話になっていると思います。
物語は11章と後日譚で構成されていて、1、2章ごとに文庫本を読んだような気にもなれます。起承転結しっかりしていて、とても読みやすい文章です。転生者のやることの規模が段々大きくなるのはほとんどお約束の様な形ですが、無理矢理感は感じず自然な形に構成されていると感じます。
100万字を超えた傑作で完結済みなので、是非読んでみて下さい。
◎作品傾向
シリアス☆5
戦闘傾向☆4
恋愛傾向☆7
チート性☆5
◎作品情報
完結済長編
文字数 1,082,122文字
ブックマーク 17,308件
総合評価 53,220pt
初掲載日 2016年 08月08日
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n6472dl/