35.我らの旗を掲げよ
構わない
我らの血と屍の上に、我らの旗は翻るだろう。
◎作品タイトル
我らの旗を掲げよ
◎作者
ネムノキ 様
◎ジャンル
歴史〔文芸〕
◎あらすじ
ポルトガル植民地ティモールの豪農の家に逆行転生した主人公ルシア・ベント。
前世の知識から、故郷に破滅がやって来ることを知っている彼女は、破滅を避け、故郷を独立させるために戦うことを決意した。だけれどそれは修羅の道で。
『我らの屍の上に! 故郷は独立する! そのために! 死ねるか!?』
果たして彼女は、彼女の故郷は、どうなるのだろうか?
◎タグ
R15残酷な描写ありIF戦記 時代小説 逆行転生 第一次世界大戦
◎個人的オススメ度
☆7
◎レビュー・感想
ティモールとはオーストラリアの少し北、インドネシアの東にある国です。事実上の独立が2002年と非常に若い国です。そんなティモールのしかも1900年に逆行転生した主人公が、新たな故郷にいずれ訪れるであろう破滅を回避し、独立するために命を懸けて戦う物語です。基本的にはよくある逆行戦記です。ティモールという珍しいところが主体なので新鮮味はあります。私もティモールは名前しか知らなかったので調べました。
主人公の演説時の言葉選びがとてもいいです。あらすじにもある「我らの屍の上に! 故郷は独立する!」や「銃弾は人種を選びませんよ」といった感じに、こちらにおっと思わせるような言葉を選んでいます。それによって心が動くので、読み手の感動を誘うような表現があるとなおさら強く揺さぶられる様な気持ちになります。
特に8話にある「構わない」という台詞は上下に改行があって強調されているのもあって、主人公の声が感情が実際に聞こえてくるような臨場感を持っています。
3万文字に満たない短編なので細かいところは描写がないので御都合主義感があります。それでも要点はしっかりしているので、物語としてはちゃんとした形を持っていると思います。短い時間で読めるので何度も読み返してしまうような作品だと思います。若干幼女戦記感あるかなとは思いますが、題材が第一次世界大戦ですし、多少雰囲気が似ているのは仕方ないでしょう。
◎作品傾向
シリアス☆8
戦闘傾向☆9
恋愛傾向☆1
チート性☆6
◎作品情報
完結済短編
文字数 27,516文字
ブックマーク 258件
総合評価 1,840pt
初掲載日 2020年 05月18日
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n9692gf/