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30.フシノカミ

 ――本だ。


 ――本だった。


 ならば、守らなければ。


 ならば、繋がなければ。


 ――本を繋いだのは、いつだって意志だった。

◎作品タイトル

フシノカミ


◎作者

雨川水海 様


◎ジャンル

ハイファンタジー〔ファンタジー〕


◎あらすじ

前世らしき記憶を持つ少年アッシュは、決意した。記憶にある便利な生活を、今世に取り戻そう。

辺境のド田舎、何の地位も財産もない農民の倅に、そんなことが果たしてできるか。

少年は笑った。まず、無理だろう。だが、笑った。

どうせこれ以上ないほど絶望的な今世だ。精一杯夢を見て、全力で追いかけて、思い切り前のめりにくたばってやろうではないか。


これは、文字を覚えるところから始めた少年が、田舎の寒村を仰天させ、辺境の領都を発展させ、王国を震撼させ、世界を変革する記録。

後世に伝説として語られる、文明復旧の物語である。


◎タグ

R15 残酷な描写あり 異世界転生 文明復旧物語 コミカル内政 主人公が一番ヤバイ ほぼ異能なし 目指せ脱中世 暴想特急夢追い型 ハーレム?


◎個人的オススメ度

☆9


◎レビュー・感想

前世らしき記憶を持ち、そこでの豊かで便利な生活を夢見る少年アッシュ。技術も経験も途絶えた今世で、過去より伝わる紙の本を頼りに文明を復活させていく物語。知識も財産も何も持っていない農民の息子アッシュが、記憶と溢れんばかりの情熱の炎を胸に全力疾走で知識を身につけ、先人より伝えられてきた知識の結晶である本を形にしていきます。


主人公アッシュは最初文字が読めません。そこから記憶をヒントに文字を解読し、本を読み、技術を興し、文明を復活させていく姿が非常に面白いです。寿命が短いと考えているため、立ち止まっている時間を短くしようとして普通の人がブレーキをかけそうなところを全力で走っていく様子は生命力に満ちあふれています。


色々なところに伏線があり、読み直す度に驚きがあります。ここの台詞はあの場面に繋がるのか!といつも新鮮な気持ちで読めます。それこそタイトルから始まりあらすじにも既に含みのある言葉の数々があります。特に第三章伝説の羽10のフォルケ神官とのやり取りはそこだけ読むと何気ないやり取りですが、後から読むと「この台詞って」という感じになるのでオススメです。他にも沢山ありますがネタバレになるので。


この作品は極端に言えば能動的な「また俺何かやっちゃいました?」系です。色々やるし、影響も理解してるけど、夢の為にはある程度仕方ないよね?別に味方には損をさせてないよねという感じです。なのでどうしてもその系統が苦手な方は避けた方が無難です。ただ、神から与えられる様な安易なチートは無く、主人公の能力もちゃんと理由つけがされています。というか物語の中でしっかり解説されているのでそれも伏線の一部と言ってもいいと思います。


文章構成は非常に綺麗に整っていると思います。まず何より、1月1日に始まり12月31日に完結するところがすごいです。1日1話というわけではありませんでしたが、リアルタイムで読んでいた身としては後半になるに連れもしかしてという気持ちになってきていました。最終話を読んだときは普段の読了とはまた一種違った感動を得られました。また、タイトルや章タイトルもそれぞれ意味があり、短く簡潔な単語の中に込められた意味が沢山あるように感じます。「シナモンの祭壇」はそれだけではシナモン??だと思います。私も初めは気にしていませんでした。しかし後々世界観がわかってくると確かにその章はシナモンの祭壇なのだと納得できるものでした。

何度読み直しても面白い傑作です。80万文字超えの大作なので時間はかかると思いますが是非読んでみてください。書籍化もされていて、若干描写が変わっています。閑話的な話が増えて様々な視点が増えてますのでそれも面白いです。最近コミカライズしたようですのでそちらも合わせてどうぞ。


◎作品傾向

シリアス☆6

戦闘傾向☆7

恋愛傾向☆6

チート性☆8


◎作品情報

完結済長編

文字数    822,655文字

ブックマーク 29,232件

総合評価   101,846pt

初掲載日   2019年 01月01日

作品URL 

https://ncode.syosetu.com/n3260fe/

タイトルが短いことのこの安心感よ

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