表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/205

第73話 教会

「全て寄付してもらおう」


 何を言っているんだこの潰れたスライムは……


「そ、そんなわけにいきません……

 カゲテル様はSクラス冒険者、この国の所属でもありません!」


「定期的に食料が手に入る伝が出来ただけでも喜ぶべきです!」


「ええい、黙れ!

 街の側で戦いこの街を危険に陥れ、しかも戦いの影響で教会の窓にひびまで入ったのだぞ!

 その巨大な亀の甲羅は聞くところによると高価なものらしいではないか、巨大な亀だと聞いたぞ、神のためにそれを献上するのは神の加護を得るこの国にいる者なら当然だろうが!」


「ですから、カゲテル様は冒険者です。

 それに……、メディアス王国の貴族に名を連ねるお方です」


「なに……?」


 潰れたスライムは値踏みするようにこちらを見る。

 非常に不愉快だ。


「はっ! こんな年端も行かない者が貴族とは!!

 王国の人手不足の噂は聞いたが、ここまで酷いとはな!」


「司教、そこまでにしてもらいます。

 国家間の火種を作るつもりですか!!」


「ぶ、無礼な!!」


 無礼なのはどっちだ……


『こっそり殺しますか?』


『駄目だ』


 この男は終始こんな感じで高圧的、そして馬鹿な発言を繰り返した。


「はぁ……」


 いい加減、苛ついてきた。


「司教様、甲羅の一部を寄付させていただきますね」


「おお、何だ何だ話がわかるではないか……?」


「はい、どうぞ。では失礼します」


 きれいな円筒形に加工した甲羅を、馬鹿司教に被せて立ち去る。

 

「な、なんだこれは、出せ! 出さぬか!?

 う、重! なんだこれは、皆早く出さんか!」


 周りの人達がため息をつきながら甲羅を持ち上げようとする。

 めっちゃ圧縮してるから、ヤバい重さになってるから、大変だろうね……

 あの巨体を上から引っ張るのは大変そうだ……

 絶妙に抜き出すのが大変な太さに上部はしてあるんだよ。

 周りの人間達も暴言を止めないから同罪だよ。

 ある程度したら、どかしてあげるようにひっそりとスライムにお願いしておく。




「本当に申し訳ない」


「はっはっは、我慢できませんでした!」


「ただただ申し訳ない……

 いつもあの調子で……結局それで街を治められなくなって我らが派遣されてきたのだが……」


「大司教の弟というだけしか能のない人間で……」


「大変ですね……」


「重ね重ね申し訳ない」


「まぁ、嫌がらせはしましたから」


「そうだ! あの甲羅の加工! 素晴らしかった!

 どうやるのですか!?」


「コウメイどうやったの?」


「はい、一度粉状にした上で我らの粘液を……」


 コウメイの説明を聞きながらギルドマスターはメモを取っていた。


「どうやら加工もご依頼したほうが良いですね。

 いや、凄いですねスライムは」


「結構凄いんですよ」


 少し気分が悪くなってきたけど、スライムを褒められて気分が良くなる。

 ちょろい俺であった。


「おかえり、お疲れさまでした」


「にーちゃんお疲れー」


「おつかれー」


 宿に戻ると3人に迎えられた。

 うん、帰ってきた。


「ただいまー」


「大丈夫でした?」


「ああ、大丈夫大丈夫!」


「マスター、魔石は吸収してよろしいですか?」


「ああ、知られる前にやっちゃえ!

 ギルマスと街の人には食料と甲羅を利用した原材料で良いでしょ」


「わかりました。いただきます」


「……うおっと!」


 あの魔神さまから頂いた爪を吸収したときと同じぐらいに、体に力の波動が駆け巡る。


「ごちそうさまでした……またしばらく整理しています!

 新装備はご期待ください!」


 コウメイは研究モードに突入だ。

 例の甲羅を利用した装備は間違いなく俺たちの新たな力になる。


「よろしくね」


 今回も大きく力を手に入れられそうだ。

 どれくらい強くなればあの魔神の強さを測れるようになるのか……先は長く険しい。


「とりあえず、例の場所に行こうか」


「そうね、早く手を付けてあげたいものね」


「俺も手伝うぜ!」


「ぼくもー」


「ああ、しっかり働いてくれよ」


 俺たちが向かうは町外れ、普通の住居ではなく、板や石で組まれた粗末な建物が並ぶエリア、スラムって奴だな。

 町の人達もなかなかフォローしきれない、この街の影の面だ。

 一応教会が炊き出しをしたりもしてるんだが、昨日のあの潰れまんじゅうが予算を出さないから、なんというか白湯でもましだと思うような物が配られ、そんなものはいらないとなってしまうと、ついには予算がつけられなくなり放置されている。

 更にひどいことに、教会が保護すべき高齢者や孤児などが秘密裏にここに運ばれている……

 言葉にするのもおぞましいようなことをされ、精神が壊れた……そんな人もだ……


「神よりも、悪魔の力の方が役に立つ」


 俺は、決心した。

 持てる力を惜しんで、助けられる人を助けないような人間にはならないと。


 禁忌の力だろうが、人を幸せにできるなら、少なくとも不幸から救えるなら、使う。


 精神操作魔法、その禁忌を破るつもりだ。

三國志14PKが出たので。


もう、


連日は無理です!!


ごめんなさい!!


でも、頑張ります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こういう場合は、ノーカンでしょう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ