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竜の赤ちゃん、拾いました。第一章~第三章  作者: 小川せり
第一章 青の女王
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3. 期待はずれ

3. 期待はずれ


カゴの中にいたのは、灰色の毛のない生き物でした。(しわ)の寄った灰色の皮膚(ひふ)(うす)く、ところどころ血管が()けて見えています。毛がないせいで寒いのか、ブルブルと体を小刻(こきざ)みに(ふる)わせています。目は閉じられたままでしたが、眼球(がんきゅう)がかなり大きようで、ボコッと飛び出していました。

――コレって…

体の両側には腕とも(つばさ)ともつかない小さくて不格好(ぶかっこう)な何かが付いていいます。お尻には長いネズミの尻尾(しっぽ)のようなものあります。

――コレって…なに?!

リューイのテンションは一気(いっき)に下がりました。

読者の皆さん、ここでリューイを()めてはいけません。もしも、リューイが何も考えずにこの生き物を見つけていたのなら、リューイの反応ももう少し違ったものになっていたかもしれません。珍しい動物の発見にワクワクしたかもしれませんし、寒そうに震えているこの子をみて可哀想(かわいそう)に思ったかもしれません。しかし、リューイの頭の中はつい先程まで可愛らしい子猫を(おも)存分(ぞんぶん)、モフモフする妄想(もうそう)でいっぱいだったのです。毛一本生えていない、モフモフ要素ゼロの生き物にテンションが下がったとして、誰が責められましょうか。


灰色のヘンテコな生き物はリューイの不興(ふきょう)を買ったことを全身で感じとったのか、鳴きもせず、目を閉じたままリューイの様子(ようす)をじっと(うかが)っていました。

――助けに来てくれたの?でも、なんか(いや)な感じがする。痛いことをされないといいけど…

よくわからないながらも、鳴いていたら何となく誰かが助けに来てくれそうな気がしていたのに、どうやら期待とは違ったようです。


どうやらどちらとも期待が(はず)れた様子。続きが気になります。





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