表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法でできた世界で俺は剣で最強  作者: 希華
一章 家族
81/212

覚醒の時

前回の続きです。

対ゴーレムのところからになります。



俺は倒れているゴーレムを発見し、その位置から体を少し斜め後ろへ捻った状態で剣を納め、いつでも抜刀できるように構えながら走った。


「ふうっ、我流 光刃 瞬閃」


残り一メートルも満たない位置から俺は踏み切り、空中で瞬閃を発動。そのタイミングで丁度攻撃し続けた位置にきて瞬閃をそこへ打ち込む。


ミシミシッ


その一撃でゴーレムのヒビは更に大きく広がった。


ピピピ


「レーザーは当たらねぇよ」


ただではやられまいと反撃のレーザーを放つがその頃には春花は既にゴーレムの背後をとっていた。


「我流 日輪我天昇!」


そして春花は足の間接部分へ向け体術を発動。


ゴッゴォーン


鐘を鳴らしたような音は俺が殴った音だ。


重い二撃を両足の関節に受けたゴーレムは膝を折り再び体制を崩した。


「これで終わりだよ。我流 氷刃 牙颯ぉ!」


俺は刃をヒビへと突き立てた。


ビシッ


その刃は、ゴーレムの体をヒビを広げるように切り裂いた。


ゴーレムは一瞬の静止のあと何の抵抗もなく仰向けに倒れた。



「ふうっ。疲れたぁ」


俺は停止したことを確認して一息着いた。


そしてふと思い出して王様を探した。

そしたら気絶していた。


なので騒がれずに済みそうだ。


「長かったぁ……こんなに長くやったのは初めてじゃね?」


長く感じていただけで、時間でいうなら前の魔族事件の方が長かったりするがそれは感覚だし、知ることはない。



だが、こういうのはこれで終わらないのがオチだ。



「やったのか?やった、やったぞ!助かったぞ!」


どこからかそんな声が上がった。


あれぇ!それって思いっきりフラグでは!?

いや、んなわけないか。だって倒したし……!?


キィィィィ


そうやって心のなかで嫌な予感を想像しながら、聞いていたときだった。

変な音が鳴ったのは。

発生源の方へ急いで振り返った。


見ると発生源はゴーレムの残骸。

いや、本当に残骸か?


とりあえずこれは言わせろや!


「そういう台詞はこんなところで言うんじゃねぇよ!」




音は一際激しくなり、そして、


パァァァン!!


残骸だったものから外装吹き飛んできた。

みな体を屈めたりして、身を守るなか、春花は目を離さなかった。

だって、それの中心となったゴーレムのある場所には………


「超人?」


のような体格をしたゴーレム?がたっていた。

その威圧感は半端ない。


『コォォ』


ブフッ


それなのに声はベ・ダー?なんというか気が抜けるな。


そんな中ゴーレムは腰から何かの手の平サイズの棒を取り出しそれを握る。


ヒュイン


「うそん。光の剣?」


一瞬光り、手に持つものがハッキリ見えるようになると、仮称マンは、ただの棒ではなく光で出来た剣を握っていた。


「嫌な予感しか………ウオッ!」


俺の視線の先にいたマンが消えた。

少なくとも周りにはそうとしか見えなかった。


俺の目は影だが捉えてはいた。


「グッ、ハアッ」


それは俺に向かって超高速で飛んでくるマンの姿だった。

それに気付き防御の体勢をとろうとしたが、少し遅かった。


マンはいともたやすく春花を吹き飛ばした。



吹き飛ばされた春花は壁に叩きつけられた。肺から空気を吐き出した。

前を向くと目に映るのは己を切断しようとするマンだった。


「チィ!」


舌打ちをしながら、瞬時にその場を壁を崩すことで回避に成功する。



「はぁっ、なんなんだあれ!普通に吹き飛ばされたぞ。というかあれって・ルトラ・ンさんとかベ・ダ・さんだよね?!」


と、突っ込みながら観察を続けていた。


(恐らく第二形態みたいなものだろう。つうかこんなもん作ったのは何処のどいつだよ)


悪態をつきながらも戦闘の体勢は崩さず、全力を出すことを決めた。


「もう、温存とかそれどころじゃねぇ。身体強化levelMAX!」


春花の神経が冴え渡り、思考の回転率も上がる。


(これで駄目なら流石に死を覚悟するわな)


「我流 瞬閃:極!」


俺は一瞬で間合いを詰め瞬閃の極を発動した。


その一撃は首を狙った普通なら防御は絶対に間に合わない一撃、先程までのものなら傷の一つや二つつけることが可能なものだった。


普通なら、先程までなら。


ヴォン


(これを防げるのか!?)


マンは俺の瞬閃を右の手に持つ光剣でしっかり受け止めた。


(なんだかんだで剣を使う敵とは初めてだ)


俺はその場で体を捻りながら蹴りを光剣を持つ手へと放ち空中で一回転、その遠心力も乗せて剣で切りつけようとした。


マンは蹴りで光剣を持つ手が弾かれたが、次の行動を予測したかのように、春花の剣を残った手で強く握った。

それはMAX状態の俺がいくら動かそうと全く動かない。


(動かねぇ!ッッ、やばっ!)


次の瞬間、光の剣が春花を襲った。



「グゥア、ハアッ、まだ浅い」


ギリギリ剣を離して、後ろへ跳べたために傷は浅く済んだがあいつの力はマジでヤバい。


正直に言うと限界突破でも行けるかどうか。


俺の剣を投げ捨てるマンを視界に納めながら考えていた、


冷静に思考を巡らせているがそれは危機的状況から目をそらしてるだけだ。


俺は投げ捨てられた剣を拾い再び構えをとった。



「だが、やるっきゃねぇ。限界突破ぁぁぁ!」



青のオーラが吹き上がり、俺のステータスは膨れ上がった。


「我流 黒刃 流星:極!」


音も光も置き去りにした一閃はマンのがら空きの胴へ攻撃を入れることに成功はした。

が、

(固すぎるだろ!)


威力は最上、更に力も限界を超えている。

にもかかわらず、その一閃がもたらしたものは、へこみを入れるだけだった。


マンの目が光った。


と察知したときには再び空を舞っていた。


ハッキリとは見えなかったが、今のはただ、殴っただけだ。

いや、何かが炸裂してパンチが瞬間移動が如く速度で俺を吹き飛ばした。

それをただのパンチとは言わないだろう。


そして追撃が春花を襲った。


落下地点に先回りしたマンに体をくの字に曲げられるように蹴りをいれられて再び空を舞い、空中にいる状態で背中から叩きつけられ強制的に地面に直行、そして地面に先回り、光剣を構えて俺の落下を待っていた。


「ゴハッ、まだ、やられるわけに、行かないんだよ!」


俺はボロボロになりながらも意識を保ち、その落下の勢いを利用して剣を振り下ろした。

光剣は俺を斬る、から、俺の一撃を迎え撃つに変わった。


そして力は拮抗する。


俺はここで決めるとばかりに、両手持ちに変えていて、体重も力も全てを掛けていた。


「ウォォッ!」

『ゴォォ!』


その拮抗に勝ったのは、


「ラァァッ!」


俺だった。


光剣は砕け散り俺の一撃は頭を捉えた。


しかし寸断には至らず、逆にマンは俺を頭突きで自分の足元に落としボールのように蹴り飛ばした。


春花はイルミナたち戦いを見ていた人の前へと吹き飛ばされた。


体をボールのように扱われながらもなんとか受け身だけは取っていたから、今すぐに動けなくなるわけじゃないが、マジで本気でやばい。


「くそったれが、これでも駄目かよぉ」


そのとき既に春花のオーラは弱々しくなっていた。


「春花!」


春花が吹き飛ばされたことに動揺を隠せない様子のイルミナは急いで春花の元に走っていた。


「来るな!」


それを春花は止めさせた。


「来たら死ぬぞ。今は俺一人の方がいいんだ」


事実この戦いにおいてイルミナは足手まといになりかねなかった。

純粋な近距離物理戦闘。同じ土俵に立つ春花だからこそこうやって戦えているのだ。


「春花………。えぇ。わかったわ。だから勝ちなさいよ!春花のことは皆信じて、家にいるんだからね」


イルミナはそれを理解して心配も恐怖も飲み込み、信じることだけを選んだ。


その言葉に春花は無言で笑みを浮かべ頷いた。


「春花兄さん!」


それは恐らく星之の声だった。

というかその呼び方は。


「星之さん?いや、お前…華蓮か?」


俺はその呼び名で華蓮を思い出した。

前に見たときよりもかなり体格も変わっていて、それに何よりここの世界だということからなかなか記憶を引っ張り出せなかった。だが片隅には記憶は残っていたから、なんとなく気になったりしたのか。


春花は何故星之が気になったのかを理解した。


「えぇ、華蓮ですわ春花兄さん」

「そうか。……いや待てよ、お前がいるってことはっ!」


俺はドミノ倒しのように華蓮から連鎖して一人の家族を思い出した。

そしてあいつは確か華蓮と一緒のクラスだったはず!


「えぇ!冬花も、冬花もこっちに来てますわ!」


頭が真っ白になるとはこういうことだろう。

とたんに何も考えられない。


「………ふっざ、けんな」


俺はこのとき初めてこの世界に妹がいることを知った。

それでも今が戦闘中だからこそ冷静さを絞り出せた。

多分それがなければ怒りのまま動いていたんじゃないかと思う。


「今どこにいる」


俺は怒りを押さえつけながら、華蓮に聞いた。


「……今、戦争に、軍にいますわ」


絞り出すような言葉にはどんな思いがあるのだろう。


だが、それは後でいい。


「わかった。ありがとう。さっさとこいつを倒すから」


その答えで俺の怒りは一周回って冷静に変化した。これで春花は冷静さをすべて取り戻した。


「でも、どうやって!」


言いたいことは分かる。

さっきのやられようじゃそう思うよな。


「んなこと、わかってらぁ。だから切り札、使わせてもらう」


俺の持つユニークは霧散、見るもの、我流、反転、そして今から使う覚醒。


限界突破を知って、危険と判断して一度も試したことがないスキル。

恐らく、ノーマルスキルの限界突破とは比べ物にならないと思う。


だから躊躇っていたスキルは、今は躊躇う理由は何一つとしてない。



「行くぞ、『覚醒』」


その言葉をトリガーに銀河が広がった。


正しくは春花のオーラが銀河のように光っていた。



そのオーラは春花にも変化を及ぼした。


髪が少し伸び、銀色のような色へと変化し瞳は金色へと変化した。


「綺麗」


それは誰が呟き何に向けたものかはわからない。

だが、そう思わせるような世界だった。



「行くぞ」


春花とゴーレム(マン)の戦いは最終局面を向かえた。




昨日は更新を忘れかけてた。

急いでだしたけど、やべっ誤字って気付き、直させていただきました。


今回初めて『覚醒』のスキルを使えました!前から使いたかったけど、なかなか出すタイミングも敵も用意できなかった。


ちなみにあのゴーレムは対魔王なので性能は普通に魔王(神話時代の代)とサシを出来るくらい強く作られてます。

詳しくはいつか話すかな?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ