剣士達の狼退治
今回はフォレストとしての初依頼です。
俺たちのギルドフォレストハウスを設立した次の日俺たちはフォレストとしての依頼を探しに来ていた。
「どんな依頼がある?」
今日ギルドに来てるのは俺、イルミナの二人で他はお留守番。本当は他のやつらも来たがってたが、俺らのなかで普通の感覚を持っていて、そして内容を細部まで考えられるのはイルミナしかいなかった。
それ以外は邪魔になると思うのでお留守番となった。
「そうだな、護衛依頼とか討伐依頼いつもと内容はたいして変わらないけど時間とか討伐する数が違うな。まあ、俺は討伐依頼を受けようと思うな。護衛は...強さは大丈夫だが子供がな」
どちらにしても問題はないが、護衛に関してはある程度の経験がないと辛い。なおかつ子供たちがいる以上わざわざそちらを選ぶ必要はない。というわけで討伐一択。
「なるほどね。了解したわ。それじゃあなんの討伐依頼にする?」
イルミナも春花の言わんとすることを理解し、了承した。
再び依頼一覧へ視点を戻し、丁度いい依頼を目で探す。
……なんかイルミナ、こうやって、横から見ると絵になるんだよなぁ。
丁度日の光が差し込んでいる位置で、真剣に目を動かしているからかかなり絵になるような感じだ。
って、見てる場合かよ。俺も探さないと。というか、俺が聞かれてるんだから早う探さんと。
意識を戻し、改めて依頼を見ていると一つの依頼が目についた。
「うーーん、ならこのレオンウルフは?」
「レオンウルフか、攻撃力は低いけど速くて集団で襲ってくる生物ね。いいと思うわ」
へぇ、そうなんだ。俺はどれがどんなのかいまいちわかりません。ただ前にこいつは倒したことがあって、その時の感覚から大丈夫だな、って判断しただけだし。
まぁ、イルミナ先生からもオッケーでたし、細かな説明もらったし、これで行くか。
「じゃあこれを受けるか」
ペリッ。依頼書を剥がした。
「すみませーんこれお願いします」
そうして俺はギルド依頼、レオンウルフを討伐するという依頼を受注した。
職員さんから依頼の説明を俺とイルミナで受けた。
依頼内容はレオンウルフの巣がこの近くの森に発見されたそうだ。
数は発見者が見た数だけでも百は超えて、数を考慮し、個人ではなく、ギルドへの依頼となった。
数もそうだし、近くの森なので、この街に被害が出る前に討伐してくれと言うことだ。
難しいことは特に無いし単純な依頼だ。
しかし、わりと難易度はかなり高いらしい。
なんでもこれだけの数がいるとなるともしかしたら上位種がいるかもしれないのでそのような不確定要素も含めての高めの難易度なんだと。
「まあ、俺たちなら問題はないな」
「そうね。じゃあ早速いきましょ」
「そうだな、皆待ちわびてそうだし」
俺達は皆を呼びに一度家に帰るのであった。
「楽しみね。初依頼!私の魔法も強くなったし、どれだけできるか知りたいのよね!」
俺たちは依頼内容の森に来ていた。
俺たちの住む森とは反対側にある森だ。
シイナの元気な、というか、はしゃぐような声で分かるように俺とイルミナ以外はかなりはしゃいでる。
自分の修行の成果が出る日だからな。はしゃぐのはわかる。
だがしかし、これだとピクニックみたいなんだよな。
一応依頼なんだけどな。
まあ、ガチガチに緊張してるよりは数倍ましだが。
「着いたぞ」
「どれどれ、あの狼ね。春花これからどうするの?」
一番始めにシイナがそれを見つけ、俺もそれに続くようにシイナの視線を追うとそこには灰色の毛をした普通な狼がいた。
決して足が六本とか目が四つとかはない。
一応確認してきた見た目とは合致しているので、レオンウルフで間違いないだろう。
なので、まだ見つかってないこの位置で、作戦を確認する。
「まずはイルミナとシイナ。二人は魔法をあの洞窟に向けて撃ってくれ。その後、俺は他のみんなと一緒に突入。イルミナとシイナは外に逃げたやつ、外から戻ってくるやつの駆除だ」
作戦とは言いつつも実際は単純作業の役割分担を確認する程度のものだ。
「了解したわ」
「了解です」
「わかりました」
イルミナ、シイナ、マナの三人が返事を返した。
「皆もいいか?」
他の皆にも確認……オッケーみたいだな。
よし!
「じゃあやるぞ。イルミナ、シイナ準備は?」
「いつでもいけるわ」
「大丈夫よ」
「行くぞ!」
その声を合図に二人は魔法を洞窟に向けて放つ。
ヂヂヂドバーーン。
二つの魔法は轟音を響かせて、洞窟内を穿ち、見える範囲だと洞窟の入口にいたやつを吹き飛ばした。
「俺たちも行くぞ!」
「「「はいっ(うん)(おう)(は、はい)!」」」
俺は先頭を走り、皆がついてこられる程度のスピードで洞窟に突入した。
洞窟のなかには当たり前だが外にいた奴と同じ姿の狼がかなりの数いた。
狼たちが俺たちに気づき狼が接近してきた。
俺はスピードをあげ六匹の狼を全員すれ違い様に首を跳ねた。
俺の剣が届かない位置にいた何匹かは子供たちが魔法ですぐに仕留めた。
そんな風に俺たちはスピードを緩めることなく着々と奥に進んでいった。
数十分そうして進んでいくと洞窟の終点にたどり着いた。
「ここで終わりか……何かいるな」
明かりがないのでハッキリ見えないが、眼を凝らして見ると何か大きい奴がいた。
「誰か明かりを付けてくれ」
そういうとアンが魔法で光を出した
その光に照らされ、その全貌がはっきりと見えるようになった。
大きな何かはさっきのレオンウルフのような毛色ではあったが普通のよりも圧倒的に大きく眼が六つあったり足が八本あったりするレオンウルフだった。
「でかいな……くるッッ!避けろ!」
その狼は俺たちに気づくなり突然攻撃を仕掛けてきた。
咄嗟に皆に声を掛けて全員避けることに成功した。
その狼の攻撃は俺たちがさっきまで立っていた地面を割っていた。
あれは喰らうのは不味いな。俺はともかく子供たちは多分即死だろう。
「あれを喰らったら多分一撃で終わるから気を付けろ。俺は大丈夫だから、俺が前に出て攻撃は受けるからその隙に皆は魔法はバンバン撃て」
コクコク
首を縦に降ったので大丈夫だと確信し俺は構えをとり強化を上げた。
ほんとのところ俺なら多分一人でも勝てるがここは皆に譲るのがいいだろう。
ヤバくなれば俺は攻撃に転じるが基本受けの体制を維持するつもりだ。
ボボボボンッ
ビュンイン
ドコォン
ボカァン
次々に放たれる色とりどりの魔法の一つ一つが狼にしっかりダメージを与えていき、どんどん狼は勢いを、力を落としていく。
途中から、攻撃してくるのが後ろの子供たちだけと理解して攻撃をしようとしても俺がそれを許すわけなくしっかり受け止め押し返す。
一方的に攻撃を受け続け数分、案外早くボス狼は倒れた。
「ヤッター!」
「おっしゃあ!」
「やったね!」
皆嬉しさに兎のようにピョンピョン跳ねて喜んだ。
あのボス狼、結構固いし攻撃も重かった。
ホントによく頑張ったよ。
俺が受け続けたのも大きかったが恐らくこれは白ランク以上の案件だと思う。何故なら子供たちの魔法は青ランクを優に超えている。それが六人。それに晒され続けて何分か持ったのだ。普通に考えてこれは白以上が妥当だろう。ちなみにこの依頼は青ランクだ。
「お疲れさん。皆よく頑張ったな。ていうかお前ら強くなりすぎじゃない?」
「春花にいがいたからこんなに簡単に勝てたんだよ!」
「それでもだ、多分あんな頑丈な奴にダメージを入れるだけでも威力はおかしいと思うが皆ホントに強くなったんだな」
少ししんみりしていた。子供たちの成長に。
さてと
「さあ、帰るか!」
「「「うん!」」」
「「「はい!」」」
ボス狼の素材を剥ぎ取りバックにしまい俺たちは帰路に着いた。
洞窟を出ると、レオンウルフの死体の山と共に、イルミナとシイナの二人がいた。
「おかえり、どうだった?」
「しっかり倒してきたぞ、めっちゃでかかった」
「へーー、こっちは一匹も逃さなかったよ」
「ナイスだ。他に変わったことはあったか?」
「特に無かったわよ」
「オッケー。じゃあ皆で帰りますか」
そんな感じで軽く状況を確認し、依頼の達成を確認し、帰ろうとしたときだった。
ズッドン!
大きな揺れが俺たちを襲った。
「なんだ!?」
どこからか、何かが降ってきた。そしてそれが揺れを起こした。そこまでは見えていたのだが、何かはわからなかった。
砂ぼこりが晴れて姿を現したのはさっきのボス狼の数倍でかいレオンウルフだった。
「なんだこいつ」
「わからない!多分変異種!」
「なら先手必勝!」
シイナが魔法を放った。
シイナから放たれた雷は容易く弾かれた。
「嘘!」
春花はそれを見て判断した。これはヤバイと。
こいつは少しどころじゃあなくかなりヤバイ。本気でやるか。
「俺がやる!下がって援護を頼む」
「了解!皆下がって!魔法の準備をして。なるべく威力の高いのを!」
イルミナが皆に指示を出しているのを横目に俺は掛けていた強化のlevelを上げた。
そして剣を構え戦闘を開始した。
「らあ!」
先制は俺。足を狙った一撃は斬れこそしたが太くて固いので表面の薄皮斬った程度しか入らなかった。
その後柔らかそうな腹を狙ってみたが上手く刃が通らなかった。
そんな俺に狼は尻尾を振り回し攻撃してきた。
ゴウッ
物凄い音と勢いで向かってきた尻尾を受け…流し、カウンターで再び最初に狙った足を斬りつけた。
今度は相手の勢いを利用したカウンターということもあり、足を崩すことに成功した。
そこにイルミナたちの魔法が狼を直撃した。
その魔法は先程のように弾かれることなく狼に直撃した。
直撃した所の毛皮が焼け落ち血が流れていた。
俺は直撃したところを狙い
「我流 時雨」
ピュイン!
「我流 流星!」
ヒャァン
連続して技を放った。
直撃した所から斬り、こじ開けるようにして深く内部へダメージを与えていった。
しかし切断には至らず決定打にはならなかった。
すると狼は立ち上がり突撃を仕掛けてきた。
だが攻撃の重みは足一本分、さっきより格段に落ちていたので難なく受け止められた。
俺は狼を弾き
「我流 日輪我天昇!」
素早く懐に潜り一撃目で体制を完全に崩し、二撃目で狼を打ち上げ、素早く落下地点に回り込み
「我流 瞬閃!」
先程広げた狼の傷口を始点にして切り裂いた。
狼の体は真っ二つになり倒れた。
「ふぅっ終わった」
実は始めてなんじゃ無いかというほど、しっかりとした戦いはこうして幕を閉じた。
剣についた血を払い、鞘に納めて、みんなの方へ向き直り、
「さてと、今度こそ帰ろうぜ」
俺は疲れたようにそう言った。
初めて一話に対して全部の我流を使ったわ。
恥ずかしさが少し
ちなみに狼の通常サイズが一メートルちょいくらいでボス狼が五メートルくらいです。
あと最初に出たギルド依頼はギルドに対しての依頼のことです。
やっぱり紛らわしいな呼び名。
見ていただきありがとうございます。




