剣士とみんなのギルド
今回は皆の冒険者登録からです。
「こんにちわ。ヒスイさん」
その翌日、俺はギルドに訪れ、ヒスイさんを訪ねた。
「こんにちわ八雲さん。……今日はご家族を連れられてどうしたのですか?」
ヒスイさんは俺の連れてるシイナたちを見てそう判断したのだろうか。俺はそれを聞いて少し動揺した。
「へっ?家族ですか?」
「あっ、違うんですか?」
家族、とは多分違う、と思う。
自分でもよくわからないけど。
「みんな一緒に暮らしてはいるけど家族じゃ無いかな?」
首を傾げつつヒスイさんにそう答える。
「ひどいじゃない、春花。私はもう家族同然じゃないの?」
怒ったような様子でシイナは俺をつつきながらそんなことを聞いてくる。後ろでは違うの?と視線を子供たちが向けてくる。
思わず
「まあ、みんな家族同然だけども…」
なんて自然と口から溢れてしまった。
「なら、家族でいいではありませんか」
やべっ、なんて思ったのはいいではないかと言われたあとなので今さら引っ込めることはできない。
「そうだな?うん。そういうことにしておこう」
そんな会話をギルドで繰り広げていた。
改めて今俺はギルドにきている。シイナと子供三人と一緒に。
なぜ?
みんなの冒険者登録のためだ。
前にしようと思っていたが色々あって少し遅くなったが、なるべく速い方がいいと思ったので一区切りついたので今、丁度いいと思い登録をしに来た。
イルミナと他三人はお留守番だ。
シイナと出ていくときのイルミナが殺気だってたのだがシイナは何かしたのかな?イルミナに聞いたけど何も答えてくれなかったし……まぁ、シイナならいいか。
今日来てない四人は明日の予定だ。
「あの、今日はなんのようですか?」
すっかり話の置いてけぼりになってしまったヒスイさんがおずおずと声を上げて俺はそれでヒスイさんのことを思い出した。
「あ、すみません。今日はこの子達の冒険者登録をしてもらおうと思いまして、あとシイナも」
ようやく本題になったな。
「はい、わかりました。少しお待ちください」
快く、営業スマイルだが、にこやかに微笑んだ。
「お待たせしました。こちらに必要事項を記入してください。書き終わりましたら私にお渡しください」
「はい」
俺の時と同じように書類がきたので子供たちの分の必要事項を書いた。シイナは自分で書けるから自分で書かせる。
一応確認だが、シイナの名前はシイナだけだ。
今は家名は無いからな。
癖で書いたりしてないだろうなぁ……一応確認しとくか
俺は子供たちのをささっと書き終えてシイナの書類を見に行った。
ところ変わってマイハウス。
「で?何て書こうとしたんですか?」
「あのぉ、その、出来心だったんです」
脅迫されてるような感じだな。というか元王女がなぜ土下座なんてものを知ってるんだよ。
春花も言ったが今のシイナは土下座している。対してイルミナは腕を組んでほぼ無表情でそんなシイナを見下してる。
「説明はいい!何て書こうとしたんですかと聞いています!」
ビュォ。イルミナの周囲に氷のような空気が渦巻く。錯覚じゃない真面目に取り巻いている。
「ひゃい!シイナ 八雲と書こうとしてしまいました!すみませんでした!」
「シイナ?ちょっと話そうね」
「いやぁーー春花ーたぁしゅけてぇーー」
シイナは裏に連れてかれた。
どこぞの駄女神を思い出すなぁ。…怖かったぁ。
なぜこんなになったのかって?
それはシイナは名前の欄に俺の名字書いたところを俺が見つけ提出する一歩手前で止めて書き直したということがあのあとあったのだ。
俺が寸前でシイナの名前をしっかりシイナだけに直して提出したので大丈夫だった。
が、俺はその事をイルミナに話した。話してしまったのだ。
絶対に今日あったことは全て話してくださいとのことだったので、ありのままのことを報告しました。
そうしたら先のようになったというわけだ。
あっ、でもしっかり登録自体は完了した。
一応ランクスキップを受け皆青まで昇格した。
なんかヒスイさん含めギルド職員皆が諦めたような顔をしていた。
なんかごめんなさい。
明日も他の連れを連れてくると言ったらヒスイさんが死んだような顔になって他のフラフラな職員さんと肩を貸しあって立っていた。
ホントによくわからんがごめんなさい!
ちなみにランクスキップの相手はいなかった、というか最初のリュウ君が力加減を失敗して一撃で青ランクをのしてしまったので、怪我自体は回復魔法で大丈夫だったが、心がポッキリいってしまったようで仕方なく俺が試験官紛いのことをした。
本来は身内贔屓みたいなことを言われそうだが、本気で子供たちがかかってくるもんだからそんなことを言われることはなく、俺に対しての畏怖の視線が増えたように感じた。
ちなみに本気の魔法は一般青ランクが切り札として使う魔法をポンポンと使うことを指す。
あっ、流石にシイナは自重してくれた。
翌日。
予定通り他の皆を連れてギルドに行った。
皆を冒険者登録を済ませスキップを受けて皆相手をボコして(今日は事前に人数を伝えてあったので予め手配済み)青ランクに上がって職員をなんか疲れさせて目的を済まして森の家に帰って来た。
昨日とここまでなんら変わらない日でした。
「なんで!なんでイルミナは春花の家名を名乗ってるのー!」
帰って早々、イルミナはシイナに自身の冒険者のカードをシイナに見せびらかした。
最初はなぜかよくわからなかったが、シイナがそれを叫んで理解した。そしてその、怒りの矛先は俺に向かう。
「すまん!昨日賭けトランプをして負けたので賭けの対象として八雲を名乗るのを許可した!」
昨日シイナが部屋に戻って寝ようとしたときイルミナが寝間着で俺の部屋を訪ねてきて条件付きのトランプ勝負を挑んできた。そのときは別にそれくらいならと眠たい頭で判断したが、そういうことか、と後々後悔した。
「ふっ。これで私はイルミナ 八雲です」
胸を張って、嘲笑いをシイナに向ける女帝イルミナ……なんか絵面が酷い。
「くぅーー」
ハンカチを口に加えてキィィ!なんて光景が幻視できるような声と表情でイルミナに悔しげな目を向けるシイナ。
俺はどうしたものかとそんな光景を困り顔で見つめる。
そんな俺に助けを、というか救いを求めるような目をシイナが向けてくるので、救いを出そうとしたら、イルミナにニッコリ微笑まれた。
「………まあ、俺は恥ずかしい以外は特に問題は無いからな。問題はシイナだけだったしな」
うん、これでいいんだね。うん。
イルミナの圧に負けた春花だった。
「うわぁーーん」
そしてシイナは泣きべそかき始めて机に突っ伏した。
そんな昨日となんら変わらない一日だった。
その翌日。
「はい!それではギルド名を決めようと思います」
シイナのその一言で始まったギルド開設会議。
「まあ、ダサいの以外なら...いや恥ずかしいのも駄目だからな」
皆冒険者になったのでこの家の皆でギルドを作ることにした。
昨日ヒスイさんに白を超えると自分のギルドを作れることを教えてもらいその存在を知り、折角だからと勧められ作ることにした。
なので昨日の夜のうちにイルミナとシイナの二人と話し合い……は一瞬で終わったが、結果ギルドを作ることにした。
それで今は名前を考えると言うことだ。
もっとやることがある気がするが名前も大切だからな、まあしょうがないか。
「皆、意見を言って。その意見を多数決だ!」
「はい!私はアイスクリームがいい」
「はい!俺はフレイムハリケーンがいいぜ!」
「はい。私はマジカルキャスターがいいです」
うーん。
皆自由で可愛いな。
だが、今日は頑張らなきゃ。
俺の羞恥心の未来がかかっているのだからな!
春花のなかではこれは大事な、というか最重要な問題だ。
これでダークオブダークとか中二チックなものがギルド名なんて実質公開死刑だ。だから最重要なのだ。
「なら、俺はウィザーズウエポンで」
魔法使いたちの武器。つまりは剣を指すような感じで考えた。恥ずかしくない感じで行くとこれが丁度いい。
「私はいいと思うわ」
よし!イルミナの同意をもらった。これで有利にーー
「はい!私はフォレストハウスがいいです」
そう考えていた俺たちのなかに可愛らしい声が響いた。
フォレストハウス、森の家。つまりは俺たちの家ってことか?
それ良いな。
さっきまでの意見が馬鹿らしいなってきたな。
「俺はそれに一票だな」
俺は一番早くそれに一票を入れた。
「私も」
それに続くようにイルミナ、シイナと全員の賛成の声が上がった。
その後正式にマナのアイディアに決定した。
俺たちのギルドの名は『フォレストハウス』に決定した。
後でマナになぜその名前にしたいのか聞いたら、
「私達の家は世界一優しくて楽しいこの家が私たちのいる大切な場所だからだよ」
なるほどな。
可愛いな。
そして優しいな。
ここが俺の、俺たちの帰るべき場所。そして、俺が守るべきもの。
俺は、自分のためだけじゃなくて、こいつらのためにも、いや、この場所、この平穏を守るためにもまだまだ強くならないとな。どんな相手でもこいつらを守れる最強に。
春花は密かにそんな誓いをたてた。
「私たちはフォレストハウス。この森の家に、なにがあっても必ず帰ってくることを第一にし目標は最強!最強のギルドを目指すわよ!」
「「「おおぉーー」」」
こうしてここに俺の、俺たちのギルド、『フォレストハウス』が誕生した。
ギルドっていってるけど冒険者ギルドもギルドって言ってるんだよね。
使い分けないとなと思い、個人のギルドをフォレストなどのギルド名にして冒険者の方は今まで通りギルドって書きます。
一週間もたってないのに久しぶりな投稿な気がする。
やることが少ない内は更新頻度を上げるので、というよりは最近と同じくらいにします。
今回も見ていただきありがとうございました。




