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魔法でできた世界で俺は剣で最強  作者: 希華
一章 家族
23/212

剣士は大会に挑む

春花の休日が明け元の冒険者ライフに戻るのかと思ったらすぐに大会です。

 

 三日間の休日が終わり普段通りの生活に戻った。


 朝早く起き飯を食べて冒険者ギルドに行き依頼を受けて、ランクアップを目指す日々に。


 という訳で三日ぶりのギルドだな。

 懐かしささえ感じてしまう。

 たった三日なのに。いや、むしろ三日も、か。休日の三日間が濃すぎた。


「まあ、今日からいつも通りになるし、しっかりしないとな」


 意気揚々とドアを開けるために近づく。


 ん?中が少し騒がしい気がする。


 とは思ったもののそれはいつものことだと判断し、改めて中に入った。ギルドの中に入ると、


「ようやく見つけたぞ!」


 ユウナギさんがいた。少し息を切らしてるくらい、疲れてるように見えるのだが?そんなに俺に会いたかったのか?何のようだろう。


「あ、ユウナギさん。ひさしぶりです。どうしました?」

「どうしたって?お前を探していたんだよ!」


 うん、それはわかる。逆にそれ以外何があるよ。


「なんで?」

「それは、実はあいつが私の話を聞いてお前と戦うとかなんとかで、こっちに来てるんだ」

「あいつ?」


 聞き覚えがありませんな。というかあいつじゃわからん。

 だが、あいつということは少なくとも同格の存在ってことだろう。


「あいつとはな」

「いたー」


 ユウナギさんが説明しようとしたときギルドに、丁度俺が通ったばかりのドアの辺りから甲高い子供のような声をした女性の声が響いた。


「げ!来るのが早いじゃないかシュナ」


 その姿を見るなり、女性に相応しくない声と表情をするユウナギ。それは春花が一目でわかるほどハッキリとしたものだった。嫌な表情はしてるが嫌いとかそういうのではなく面倒という嫌だが。


「八雲っていう人と早く戦ってみたくて」

「誰?というか俺と?」


 いや、いきなり名指しと勝負のご所望ですか?


「すまない。彼女は私と同じ銀ランクのシュナだ」


 まぁ、予想違わず銀ランク冒険者か。見た目的にはそうだな、活発な女の子だが、ユウナギさんの態度から見る辺り間違いなく子供じゃなく女性だ。


「よろしくね」

「はぁ、よろしくお願いします。俺は八雲です」

「知ってるよ。ユウちゃんに勝った人でしょ?」


 ユウちゃんって、親しいんだな。うん。

 それはともかく、勝った人って覚えられ方は少し癪だな。名前知ってんだからそっちで呼んでほしいよ。


「ユウナギさんに勝ったのは確かに俺ですけど」

「なら、私と戦って?」


 何の躊躇いもなくただ決定事項のようにそんなことを言い出すシュナさん。


「いや、何でだよ!」


 思わず素が出てツッコミをいれてしまった。


「理由は私が戦いたいから」

「言ってることがむちゃくちゃだ!」


 真面目な顔してそんな理由かよ!しかも完全初対面の俺に言うことかよ!


「こういう人なんだ。シュナは」


 バトルジャンキーか?それとも脳筋ですか?


「戦いに楽しさを求めてたくさんの強者と戦ってきたんだ、シュナは。それで、私に勝った強い人としてお前と戦いたいと言い出したのだ」


 うん、それはわかってるよ。嫌というほどよぉーくわかったよ。わかってしまうよ。


「という事で私と戦って?」


 何がと言う事だ、とは疲れるのでもう言わない。というか全部の説明をユウナギさんに投げてんじゃねぇよ!


「んなこと言われてもなぁー」

「戦ってよぉー」

「まあ、断る理由も特にないし、俺自身やってみたいとは思うんだよなぁ」


 俺も実を言えば、楽しそうと思ってしまった。

 ゲーマーのときの俺はこういうのは大好物だったし。それにシュナは純粋な勝負を望んでくれてる。

 剣士として、断るのは不粋というものだろう。


「やったー。じゃあこの後一時間後に闘技場に来て」

「わかったよ。闘技場は試験の時に使った場所だよな」

「はい、そうですよ」

「絶対来てね?また、後でねぇー」


 約束を取り付けた友達のように手を振りながら走って帰っていった。


「なんだったんだ?」


 という訳で休日開けたらすぐに銀戦とはどういう理屈なんだろう。

 まあ、俺としてはこの世界の強い人と戦えるのは最強に近づくことだからいいんだけど、あんなに好戦的なのは少し引くね。

 そういや普通に話せたな。


 そんな騒ぎがありギルドにやってきてすぐにギルドを出たのであった。




 一時間後。


 俺は闘技場に来ていた。

 この一時間は少し体を動かしていた。

 鈍ってるかもしれないから。

 そうしてここに来たのはいいが、なんで俺は半ば強制的に大会に参加させられてるのだろう?


 ここに来たときユウナギさんに連れられて大会エントリーをさせられた。

 俺は最初、使用する上での規約書とかそっちの方かなぁと思ってたのに。


 後で気づいたが、確かに前に来たときよりも人が多いし、出店もそこそこな数が並んでいた。


 何かあるのかそう思い聞いて大会があるに決まってるだろ、そう言われた。

 いや、知らねぇーし。


 こんなに人目があるのは嫌だな

 しかし、これを見て先程のちょっとした疑問、なぜあんなにもユウナギさんが急いでたのかがなんとなくわかった。

 この大会に間に合わせるためだったのか。


 それはいいとしてどんな大会なのかな

 こうして突然シュナと戦うことになったはずなのに、更に突然強制的に大会に参加させられたのであった。



「大会に出場の方はこちらです」


 あっちか。

 そうして入ったのは控え室的な場所だった。


「おっ、ルールブックだ」


 置いてあったルールブックによると、この大会はバトルロイヤルの一回戦、それに勝ち上がったらトーナメント戦に上がって優勝者を決めるらしい。


 面白そうだな。


 最初は乗り気じゃなかったけど今は楽しさでいっぱいだ。


 ブロックがABCと、三つあり各ブロックから三人が決勝に上がるらしい。

 決勝には銀ランクが三人プラスされるみたいだ。

 強いから予選免除らしい。


 まあ、それはいいけど、それって予選がめちゃめちゃつまんないじゃん。

 別にいいけど。

 どうせ戦うなら問題は無いか。


 ちなみに俺はBブロックだ。

 そろそろAブロックの試合が始まるみたいだ。


 結論から言うと残った二人は強かったな。


 一人は銀には届かないが魔法を巧みに操り戦う男性。

 二人目は普通に強かった。

 銀に届くくらいの強さだな。

 威力も高く精度も高く、また絡めてとかもいれてくるのでかなり強敵と思わせるような女性だった。

 三人目の勝者はたいして強くなかった。

 周りが強くなかったため勝ち残った。


 ま、そこそこ楽しめそうだな


 よし、次は俺の番だな。


「楽しめるのいいな」


 ちなみにこの試合はお金の賭けもあったりする。

 予選は予想が当たれば平均1,5倍だ。

 俺には関係ないが。


 この後俺のことを知っている人は稼がせて貰ったらしい。



「これより、Bブロックの試合を始めます。致死性の魔法は禁止、回復アイテムなどのアイテムの持ち込みは禁止です。それでは準備はいいですか?試合開始です!」


 ルールはあらかた覚えてきたが、特に問題ないな。


 さぁ、始めようか。


 始まりと同時にみんな一斉に詠唱し出した。

 そして近くの相手に撃っていった。

 無論俺の方にも飛んできた。

 余裕で避けたけど。


「そんじゃあ行きますか!」


 俺は強化は入れず素の力で近くの敵まで近付いた。


「お前!どこから、ぐはっ」

「まず、一人、次っ」


 そのまま近い敵からどんどん狩っていった。


「だれだ!がフッ」

「ギャッ」

「速すぎる、ぐふ」


 みるみる数が減っていく。

 だいたいは抵抗できずに眠ってくが何人かは俺を見つけて攻撃してきた奴もいた。

 ペッて弾いたけど。


 そうして、だいたい五分程で俺以外のやつは全員倒れていた。


「し、試合終了です」


 これで決勝かな?

 準備運動にはちょうどいい試合だった。


 俺は決勝進出で、他の二人は俺を捉えた二人だった。と言っても気絶はしてるし、何ならその二人はあえて最後まで残しておいたくらいだし。


 Cブロックの決勝進出者は大したことのない三人だった。



 こうして決勝のメンバーが出揃い決勝トーナメントが始まった。

 面白そうな戦いは銀ランクの奴とAブロックのあの二人だ。

 それ以外は秒で終わらせよう。


 トーナメントが発表された。

 俺は第二試合目だな、相手はあのAブロックの気になった、男だな。

 銀ランクは二回戦目に当たるので一人、決勝で一人だな。

 決勝までに銀は一人潰し合うようになってるな。

 ま、楽しめればそれでよし、つまんなければ瞬殺で。


 そう決めて俺はトーナメントに挑むのであった。





 第一試合。

 勝った方が俺の対戦相手だ。

 多分銀の奴だが。

 対戦カードはシュナ対マンマル

 マンマル?ああ、Cブロックの奴か

 試合は開始直後シュナが大火力で押しきり終了だった。

 シュナといきなり当たることになるのか、頑張ろう。



 第二試合。

 俺の対戦相手はAブロックのセイという人だ。

 テクニカルな魔法を使っていた人だ。

 よし、行くか。

 俺とセイが入場すると客席が沸き上がった。

 こんなに人いたか?


「さあ、第二試合、対戦カードはAブロックを魔法を巧みに操り勝利したセイ選手!。対するはBブロックを圧倒的な力で勝利した八雲選手!。どちらが勝つのか?作戦か、力か。それでは試合開始!」


 俺は剣は使わず体術で勝負することにした。

 これは俺自身が楽しむための縛りプレーと言うやつだ。縛りの内容は俺が剣を使わないこと。そしてなるだけ霧散を使わないこと。その二つだ。霧散は非常時に使うことになるかもしれないからな。


「攻めてこないならこちらから!」 


 そう言い、魔法を発動させた。

 俺の立っていた所からつるが飛び出してきた。

 それは意志を持ち、俺に絡み付こうとしてきた。


 春花はそれを霧散せず間をすり抜け回避した。

 その勢いのまま相手に近付き殴ろうと構える。


 しかしそれを許すわけなく俺とセイの間に大きな木が出てきた。

 それを余裕を持ちつつバックステップで回避し距離を取った。


「凄いですね。これを回避するなんて」


 世辞は抜きでこれに対処してくるとは思わなかった。その様子が表情から見て取れる。


「いや、結構危なかったですよ。面白いですねその魔法」


 同じく俺も世辞は抜きで相手の魔法を褒める。だが、セイと相反的に焦りの様子はなく少し怖いくらいの笑みが浮かんでいる。


「ありがとうございます。ですが、勝つのは私です」


 そう言い次はつるがドリルのように回転して俺の方に飛んできた。

 生きてるみたい動くにつる、地面から刺そうと飛び出る木。セイが撃つ魔法の二刀流でかわすのが難しくなってくる。


「なかなか、しぶといですね」

「こっちはまだ余裕はあるぜ」

「なら、これで」


 俺を囲むようにしてつるが生えてきた。

 それらが一斉に攻撃をしてきた。


「くっ!なら、」


 俺は回避できないと踏み、つるを足場にして上に逃げた。


「なに!」


 そのままセイに向かって落ちた。

 セイは俺を迎撃するために詠唱をするが撃ったばかりの状況からは間に合うことはなかった。


「おっらぁぁ!」


 俺の拳がセイの顔に入った。

 そのまま地面に叩きつけた。


「負け、ました」


 そう言い残し意識を放した。


「勝者、八雲選手!」


 うぁぁぁぁーーーー!

 一気に会場が盛り上がった。


 霧散と剣を使わなかったけどなんとかなったな。身体強化は使ってないけど、最後のあれは使うか迷ったよ。ふふ、やっぱりこういうのは楽しいなぁ。


 実況がなんか言ってるけど楽しいことを考えてる春花には聞こえなかった。


「次はシュナとだったな。楽しみだ」


 俺は次の試合のことを考えてワクワクしていた。

 今の試合よりも楽しいものになるのは間違いない。


 それを考えるだけで笑いが込み上げてくるよ。と言いたげな表情だった。



 一方その頃シュナも


「やったー!こんなに早く八雲と戦えるなんて、嬉しいな〜楽しいな〜」


 ウキウキして、変な踊り?までしていた。



 案外二人は似た者同士なのかもしれない。


春花は一応好戦的な感じだけど、人付き合いが苦手なもんでして。


最近2000PVいったっていったばっかりなのにもう3000いってた。最初の三桁ぎりぎりからは考えられませんね。


見てくれてありがとうごさいます。


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