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魔法でできた世界で俺は剣で最強  作者: 希華
二章 ケジメ
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剣士対異種族プラス勇者

前回の続き、戦闘スタートから。


どうしてこうなったんだろうか。

全員めちゃめちゃ張り切って俺倒すとか言ってるし?

だが、今はこの状況を何とかするしかない。


春花はその状況になった経緯をあまり覚えておらず、この状況になっていて、驚いているが、それでも剣士はいつでも戦う準備はできているのだ。そうしないといつ何か起きたとき対処できないから。


相手は四人。

獣人に関しては片手間でいいと思う。


前に片手間であしらったことを基準にそう判断した。


逆に他三人はわからない。

エルフも海人も。

特に一之瀬に関しては成長とかが早いから実力がまだわからん。

が、この中で一番は多分一ノ瀬だな。


経験やら何やらでそう仮定した。

そして、次にどう立ち回るかを考える。


このタイプの、多対一の状況での立ち回りの仕方はいかに効率よく数を減らせるかだ。

ただ、相手が相手だけに我流 夜叉は使いにくい。

恐らくだが倒すどころか殺してしまうだろうから。


「雑魚相手も馬鹿にできないわけだ」


俺は腰の剣を抜き、構えなかった。


春花の安い挑発。

春花はそれに引っかかるか、見てみた。


「オラァ」 


まぁ、予想通りに獣人が一番早く動いた。  

放たれた魔法は春花の体に触れる前に消える。


火の魔法。小規模の爆発か。

俺はそれをあえて霧散せず、普通に斬って爆破させる。相手のものを利用して動く。


煙が立ち込めた一瞬、春花姿が消えた。  


「ぐはっ!?」


獣人は軽く三メートル程放物線を描き落ちた。


そして、春花に風の矢が放たれた。


「ふぅん。まぁ、悪くない」


犯人はエルフだな。というか弓なくても矢なんだ。

俺はそれを素手で掴み、俺に魔法を仕掛けようとする一之瀬へ投げてやった。


「っ?!うわっ」


ちっ、外したか。


俺は再び周囲を見た。

そして、気づいた。


「いない?」


一人姿が見えなかった。


途端に春花はその場でしゃがんだ。

その上を水の塊が通り過ぎた。


あっぶなっ。

気づくのが遅れてたらヤバかったかも。


「気づかれましたか」


油断ならない、この人。

やばいよ?初見殺し狙ってきやがった。


「僕を忘れるなっ!壊乱かいらん!」


そのタイミングで一之瀬が俺に放った。


一ノ瀬のオリジナル、壊乱。

風、土、氷。この三種類の魔法を組み合わせたものだ。

巨大な竜巻に細かな氷や石が巻き込まれたものだ。前にも似たようなのを春花は見ているがそれとは格段に威力が違う。


ヤバいなっ。


流石にあの規模は、技なしじゃ辛いか?

仕方ない、やってやる。


「我流……」


瞬閃を放とうと構えたときだった。


「アクアバインド」


背後からのその声でハッとした。水の鎖が俺に巻き付いた。

霧散を発動していて一瞬で破壊できたが動きは止まった。


ちょっ?!


すっかり忘れてたシュレーネさんに一瞬身動きが封じられた。

それによって俺は瞬閃を打つことができず、キャンセルしてしまった。

そして、目の前に迫るそれ。


「ホントに!これだからっ」


仕方ない、あれ使うか。

身体強化。level30。そして、


「我流 剣域けんいき


俺はそれを放った。


我流剣術の六つ目。

『剣域』

前に冬花と華蓮と修行してたときに考えていたものだ。完成させるまでにかなりかかったぞ?

今回の案件で多分使うことになりそうなので(予感)試運転をどこかでしないとと思ってたらこんなところで使うとは思ってなかった。

その能力は……


間合いの拡張。


剣を自分の胸の高さに水平に構えた。

それで、俺を中心として、半径十メートル程の間合いが生まれた。


イメージはイルミナの氷結世界。

範囲内に斬撃を縦横無尽に放つ。

意識したところに剣が生まれ、それは俺の動作に連動する。その剣自体での攻撃は可能、それを使って斬撃を飛ばすことも可能。それがこれの仕組みだ。

名前の通り、剣の領域。


ただこれ、俺その場からほとんど動けない。


「なっ!?」


俺の域に入った一ノ瀬のそれは見えない刃によって斬られた。

無論、剣域の一撃に霧散を乗せることも可能だ。


一ノ瀬はいきなり魔法が斬られたことを認識して驚いた。

間合いまでもう少し距離があると思い、次の魔法を準備していたがそれはできなくなった。違う、やめた。

春花の殺気に近いものを当てられ咄嗟に下がる選択をしたためだ。

実際には春花の狙い通りに動いてくれたわけだ。春花は動くと剣域は解除されるのでそれをバラさないために一之瀬が引くという行動が必要だった。

まぁ、引かなければ春花は轢き殺すが。


「だが、今は一ノ瀬よりも」


俺は剣域を使い背後からの魔法を斬った。


「あんたが先だな」

「あら、怖いですね」


シュレーネさんに狙いを定めた。


それは当然の選択と言える。やはりさっきの怖い。

一ノ瀬は確かに強いが、それよりも厄介なのはやはり知略だ。

強いだけなら春花の前では無力でしかない。(多分)

結局強いのは思考を巡らせて勝ちを手繰り寄せるやつだよ。

エルフ?論外。


「らっぁぁ!」


剣域の間合いに入っていたシュレーネさんに、気合とともに斬撃を飛ばした。

三百六十度から。


「ちょっ!?えっ?えぇ、待って!こんなにたくさんは無理だからっ!」


聞こえん。それに死ななければどうということはなかろう!


さっきまでの余裕はどこへやら、シュレーネに対して無数の斬撃が襲い、それを半分くらい捌けず直撃を受けてダウンした。


「炎上爆破!」

「それは見たことがあるんだよなぁ」


そこを狙い一ノ瀬の炎上爆破が俺を襲う。

が、まだ剣域は解除されてない。

間合いに入ったそれは無力に溶けた。


「やぁっ」


あんたまだいたの?

エルフの全力のような光を纏った矢。

だが、さっきの見てわからんか?


「無駄だ」


それは儚く散った。

そこまで強いものじゃなかった。

ただ貫通力に特化していた、気がする?


春花はそこで剣域を解除した。

遠くからは見えないが息が少し上がっていた。

実を言えばあの技にはかなり負担と集中力が必要だったりする。

無理矢理ユニークスキルのようなものをやっているのだから、それはある意味当然とも言える。

しかし、春花はそれを奥目にも出さない。

出せば不利になる。


「わけでもないよなぁ」


俺はそこで地面を蹴った。

エルフの方へ。忘れかけてたから今のうちに。


「!?ぐばぁっ」


俺は勢いそのまま……は駄目だから最後の一歩でブレーキをかけながら殴り飛ばした。

結果はまぁ奇声を上げて場外へと吹き飛ぶだが。


残り一人。

一ノ瀬だけやな。


ただ、春花の懸念は、あと一ノ瀬がどれだけの初見殺しを持っているかだ。

最初のあれと言い、な?


「だから何もさせへん。我流 流星」


一ノ瀬へ流星が走った。


「っっ!」


おっ?マジで?


一ノ瀬は確かに春花を見えていなかった。

しかし、春花の流星を直感と本能で避けた。

ダメージは肌を浅く斬れたくらいだ。

そのことに春花は驚いていた。


これで決まって欲しかったが。


春花はちょっとだけ真剣になった。


「スウッ」

「ぅっ?え、炎上爆破っ!」


春花の気配がガラッと変わった。

それに飲まれた一ノ瀬は焦って魔法を放った。

タイミングを計っていたものを、だ。


「しっ」


春花の目の光が線を書いた。


「我流 流星:速」


それは先程とは比でない速さ、威力のもの。

その流星は一ノ瀬を斬った。


「安心しろ、峰打ちだ」


言ってみたかった。


春花はすでに気を失って倒れてる一ノ瀬を横目にそんなセリフをはいた。 

剣を鞘に収めた。


「はぁ、ヒヤヒヤした」


最初は少し遊んでいたとは言えども、あれだけは怖かった。あの一之瀬の。

シュレーネさんにもやられたけど、あれは油断してた。

今まで確かキャンセル、された、ことはなかったはず。

初めてだから焦ったなぁ。


「まぁ、剣域試せたし。結果オーライ」

「とりあえず運ぶの手伝ってください」


ヒロにそう言われて思い出した。

確かにみんな気を失ってるから。

って、あれ?それ俺のやること?それぞれの従者とかそっちじゃないの?または医療班とか。


「いないんですよ!あと、みんな怖がってるんですよ!」


えっ?

周りを見ると…………確かにみんな膝がガクガクしてる。


「……仕方ない」


近場に寝てる一ノ瀬とシュレーネを背負い、医務室にまで運んでやった。



その後俺はすることとかないのと、時間も時間なので帰らせてもらった。 

そこそこ疲労があったのでさっさと帰りたかったから、テキパキ行動して帰りました。


「あぁ、疲れたあ」


家に帰るなり俺はぐでった。


「ほら、寝るならちゃんとした場所でしなさい」

「いやお母さんかっ」


それに注意をするイルミナ。そのセリフといいなんというか母親だった。

流石に逆らえんので、立ち上がり上着を脱いで、ベッドに横になった。

飯はまだだが今は良いや。

剣域、使い方を考えないとな。


疲れに抗うことができず、春花は眠った。



「はぁ〜~。ん?寝てたか。どれくらい寝たかな」


辺りを見回したり、外を見たり。

それだけじゃ流石にわからんかったけど。


少なくとも一二時間は経ってるな。


と、上着を羽織ろうと起き上がろうとしたとき、違和感に気づく。


ん?なんか柔らかい。


枕?が、なんか柔らかい。そして暖かい。

そしてちょっと後ろに目線を向けるとおへそが見えて……


ん?んんん~?これって、ひ、膝枕?


「だあぁ!」

「あら、起きた?」


犯人はイルミナ。いや、別に犯人じゃないけども。

さもなにもないようにそんなこと言って!誤魔化せると思うな!


「なんで、膝枕を?」

「駄目?」


うっ、それはズルだろ。


速攻で陥落した。



その後、起きて晩飯を食べた。

今日の料理はシイナが作った。


「おっ、美味しそうだな」

「そうでしょ?」


反応早。俺降りてきてすぐに料理に感想言ったのに?

まだこっちも見てなかったのに?


「チャンポンと餃子。いつ覚えたんだよ」


ただ料理の内容は俺が教えてないはずのそれ。

なんで?


「冬花ちゃんが教えてくれた」


まぁ、そうだろあとは薄々気づいてた。

で、肝心のその冬花は?


「まだ帰ってないよ?店に行ってるから」


そうか。帰ってきたとき見てなかったし。


春花はなんとなくホッとした。それは俺がすぐに寝るくらい疲れたことを見せたくないことから出ている。

その後席に着いて食事を始めた。


食事をしながら今回のことの話し合いをした。

まだ話すべきことはたくさんある。

それに今個人的に剣域を使うときのイメージは魔法を使ってる二人のほうが良いだろうしな。

元はと言えばイルミナの氷結世界を元にしたからな。


そんな感じの話し合いが続いた。

そのうちに冬花たちが帰宅してまた一層騒がしくなったのでそこで話し合いは終わりにした。


その後二人に剣域について根掘り葉掘り聞かれて、できる限り使うなと誓わされたりしたのは余談だ。






先週の更新をしてなかったので久しぶり感が。


そして久しぶりの我流。まだ六つ目。

あと二つが実は思いついてなかったり。

まぁ出すタイミングを計ってるだけだけど。


次回から海人のところへ行くと思う。


見てくれてありがとうございました。


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