悪役令嬢は指示を全うする
さて、ここら辺で折り返し地点です。(予定)
最近、神からの降りる任務が実害的なものになってきております。
特に、マリア・ソートフェル男爵令嬢に対して起こすものが増えてきているのです。
毎日彼女に対して文句をつけ、時には教科書をゴミ箱に捨てろ、水をかけろなど。
神には失礼になりますがこんな事、人がするものではありません。
心苦しい私は、しかし、抗うことはできません。ゴミ箱に捨てた後などは誰もいない部屋で涙を流す事しかできないのでございます。
そして、ある日から、ハイハルト様がマリア様と共に過ごされる事が増えました。
ハイハルト様の輝くような銀色の髪に宝石のようなアクアブルーの瞳それが劣ることのない、美しい顔立ち……
私がお慕いする婚約者様は美しいマリア様が横に立つとより絵画のようで、初めて見たときは感動した事を覚えております。
私が隣に居たいなんて、やはりおこがましいのでございますね。本来の私を見せたところで見劣りするこの容姿……
胸を刺す、この痛みは気にしてはなりません、あと数年我慢すれば無くなるのだから。
私はこの役を演じ切らねばならないのです。
この国のため。
家族のため。
婚約者様のために。
お読みいただきありがとうございます。