表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/27

悪役令嬢の婚約者ⅱ

ハイハルトさん

 

 私達が通っている学園は、貴族専用の使用になっている。ここで基本的な礼儀作法や、貴族の常識、国民の為何ができるか、何をしなければいけないのかなどを学ぶ。


 その中でも魔力を持つものは別にクラスがあり、基本的な魔法を学ぶのだ。



 私は魔力を持っている為、魔法学科のクラスに通っている。


 魔法学科はそれぞれの学年に2クラスで、全16クラスあるこの大規模な学園では珍しい部類に入る。そもそも魔力保持者は100人に1人居るかどうかだと言うのでこれでも多い方だ。



 リリアンローズは普通学科の下位クラスに所属している。


 下位のクラスでは隣国の言葉は習うことはない。礼儀作法と貴族社会について勉強するだけで、学問には一切触れないと聞く。



 なら、あの図書館で見た時に読んでいた本は、何のために持っていたのだろう。



 あの本に何か特別な事が書かれているのだろうか。






 本を再び確認するため図書館に向かう途中、中庭で彼女が歩いているのか見えた。彼女の事を考えていた為、無意識に目が彼女を捉える。



 すると



「――――っ!!!」



 彼女は今まで見た事のないほど美しい笑みを浮かべ花壇の花を見ていたのだ。



 ふと、10年前に始めて会った時の彼女の笑顔が蘇った。



「あの時の、」



 あの時、始めて彼女と会った時、

 彼女はとても嬉しそうな顔で微笑んで「よろしくおねがいします」とお辞儀をしたのだ。

 恥ずかしそうに、上目遣いで自分を見ながら。



「……………………!」



 誰にも見られないうちに急いで図書館に向かった。

 急に思い出した昔の事に顔が赤くなっているだろうと思う。見たことが無いなんて事はない。

 あの時の微笑みとまるで変わっていない。




 私の初恋は、あの時の彼女だ。


 忘れていた、今まで、なぜ、思い出さなかった。


 私が婚約したいと言い出したのに、全く覚えていない事があるだろうか。いや、私に限って有り得ない。



 何か、記憶が消されるような何かがあったのだろうか。



 早く、調べなければならない。



お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ