表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/27

神のナイフ 1

神がハイハルトにナイフを渡した後、どんな感じだったのかの一幕です。




 

「いっ……」


 酷い頭痛がして目を覚ますと、自分は床に倒れていた。何故床に倒れているのか少しだけ頭で考える。


『リリアンローズの神託の終わらせ方を教えてやろう』



 バッと体を起こした。

 神の声が蘇る。


「神託の終わらせ方……」


 少し目をつぶって思い浮かべてみる。

 何も頭には浮かばない。教えてくれるのではなかったのだろうか。


 不意に、妙な柄のナイフが目に入った。


「これは……?」


 神が来る前には無かった物だ。あの神が置いていった物だろうか。


 慎重に手を伸ばし、そのナイフを手に取る。


 その瞬間。




『お前は、この世界の悪役令嬢役に定められた』




 頭に響く、男の声。

 先程の男と同じ声だ。

 その後ずっと、永遠にも思えるほどの指令、そして、19歳で私に殺されろという、言葉。


「………………」


 彼女はこの指令をいつ聞いたのだろうか。最近だろうか、何年か前だろうか、それとも

 初めてこの神託を聞いたときだろうか。

 幼い少女に、この運命を突き付けたというのだろうか。




 更にこの神託には、罰が決められていた。

 この神託を誰かに伝えた場合、自ら死んだ場合、指示を全うしなかった場合。



 _____ハイハルトの存在を抹消する。



 神はその魂を殺すことは許されていないが、ある一定の条件で神に託させる。全ての意識は神が自由に動かせるようになってしまう。言うなれば神の人形。



 そのことを人物の抹消と呼ぶ。



 彼女は神の指示だからだけではなく、この罰を防ぐためにもやっていたのかもしれない。


 衝撃すぎる悲しみに、体が動かない、目から出る滴が止まらない。




 一度、深呼吸をする。


 最後に神からの指示が出た。


 このナイフで、『悪役令嬢役』を殺せ。


 そこには神が整えた舞台上に出て来る役が発表され、最後の幕の下ろし方が示されていた。




お読みいただきましてありがとうございます。


恐らくここでも彼はリリアンローズに惚れております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ