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暗闇で待っている

作者: 武田道子

暗闇で待っている



深夜

ひっそりと空気さえも震えることを忘れ

すべすべした板の間の上に夜は

沈殿する


待っている

言葉が生まれるのを

ただ待っている

沈殿した時間が動き出すのを


待っている

沈殿した闇から生まれ出る何かを

ただ待っている

もう輝くことのない携帯の液晶を


深夜は

眠っているふりをしている

深夜は

黙っていることが正しいと信じている


言葉は自ら消えた

あなたが消えた時から

理由もなく待っているのは

習慣?だから・・・


冷たい板の間の割れ目に

落ちてしまった月

新月と人は言うけれど

太陽のいたずらに

騙されているだけ


暗闇に隠れて

寂しく流す涙は

拭われるすべを知らない 

けれども暗闇だから

あなたをしっかりと抱きしめる


眠りに落とされた

朝が闇をかき消すまで

私は騙されていよう

真昼の空に浮かぶ月のように




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