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第28話 決意と新たな力

携帯の修理やら、仕事が忙しく、かなり放置してしまいました。第28話です、優花が新たな力に目覚めます

「うぁぁぁっ!!」


「何よ、これ…どうなってんの?」


走り出したユーカを追い掛け、玉座の間に辿り着くと魔王が暴走しており、血を流し倒れているユーカの側で呆然と立ち尽くすユーキが居た


“主!”


ノワとシルバが慌てて駆け寄り、安否を確かめる


“…まだ事切れてはおらぬようだ。ミリィ治癒魔法は使えるな?”


「うん…でも初歩的なものしか使えないよ?治せるかどうか」


“それでも構わない。主の命を繋ぎ止めていてくれ。我らは魔王を止めてくる”


そう言い、シルバ達は駆けていく。さてと…


「で?ユーキ、アンタは何を立ち尽くしてんの?」


ユーカに魔法を掛けながら、呆然としているユーキに投げ掛ける。


「俺は…優花を守れなかった。それどころか傷付けて…今だってそうだ。何も出来やしない…俺は優花に何をしてやれば良いんだよ…っ!」


そう叫び、項垂れるユーキ。あぁもう、じれったいわね!


「甘ったれんな!アンタの懺悔なんてどうでもいい!何も出来ないだって?何を諦めてんのよ!アンタにはアンタにしか出来ないことがあんでしょ!」


「俺にしか…出来ないこと…?」


「アンタはユーカが大事なんでしょ!?だったらこの子の大切なもの…守ってやりなさいよ!それがアンタの勇者としての信念でしょうが!」


そう叫ぶと、ハッとしたような表情をし、アタシを見つめる。その瞳にはもう迷いが消えていた


「ミリィ…ありがとう。優花を頼んだ!」


そう言い、ユーキは駆けていった。全く世話が焼けるんだから…


「さて、アタシもやるべきことをやりますか……死んじゃダメよユーカ。アタシはまだ…ちゃんと謝ってないんだから…っ!」







「ん…ここは…?」


気が付くと真っ白な空間に1人佇んでいた。どうしてこんなところに?ていうか私どうなって……!


「そうだ!メリアさんを庇って斬られて、それで…もしかして私、死んだの…?」


“まだ果ててはおらぬ。お主は生と死の狭間に居る”


突然響いた声に振り向くと1人の男性が立っていた。なんだろう、雰囲気がメリアさんに似ている


「貴方は…?」


“私はディアボロ。先代の魔王と名乗った方が分かるかな”


「先代の…じゃあメリアさんのお義父さん?」


“そういうことになるな、人の子よ。さてそれはさておき、お主はこれからどうする?”


「私は…戻らなきゃならないです。メリアさんを1人になんて出来ません」


“そういうと思っていたよ。あの光を目指して走れ、さすれば望む場所へと戻れるだろう。寂しがり屋で意地っ張りな娘を支えてくれ…”


「勿論です。私の生涯はあの人に全て捧げるつもりですから」


そう言い切ると驚いた後、優しげな表情で私を見つめる。義理とはいえ、やっぱり雰囲気は似ているなぁ…


“無用な心配だったか。頼んだぞ人の子よ…”


「はいっ!任せてください!」


そう言い、私は光の方へと駆けていく。やがて光は大きくなり視界が白に支配され意識が途切れた












「ん、んんっ…」


「ユーカ…!」


目を覚ますと、そこには涙ぐんで安堵した様子で私を見下ろすミリィの姿があった


「ミリィ…今どうなってる?」


素早く立ち上がり、ミリィに状況を問う。


「アタシにも良く分かんない。追い付いたらユーカは倒れてるし、魔王が暴走してるし…ってちょっとユーカ!!」


ミリィの制止する声を無視して走り出す。メリアさんが暴走してるって…私の所為だ…庇って倒れてしまったから…私はなんて事をしてしまったんだ…!


「あれは…!」


前方に勇輝、シルバとノワ、そして理性を失い破壊の限りを尽くすメリアさんが戦っていた。いや戦っていると言うより、蹂躙されていると言った方が正しいかもしれない……その姿に純粋に恐怖を感じた


「…何を恐れているんだ私は。どんな事があろうとメリアさんを支えるって決めたじゃない…怯えてどうする!」


奮い立たせるように叫ぶが、恐怖に固まったまま体は動こうとしない。うぅ…なんて情けないんだ…!


“ギャウンッ!?”


獣の悲鳴にハッとなり、視線を移すと2匹の狼が吹き飛ばされ倒れていた


「シルバ!?ノワ!?」


“主…ご無事でしたか…!”


「うん、ミリィが助けてくれたから。2匹とも大丈夫?」


“魔王を止めるんですね?お供します…と言いたいところですが少々厳しいです”


“我も…です。お役に立てず、すみません。ただ主に力をお渡しする事は出来ます”


「え…?」


ノワがそう言うと、シルバも頷き2匹が光に包まれたかと思うと姿が消える


「凄い…力が溢れてくる…これは一体どういうこと?」


“これぞ人獣一体。心を通わせた獣と一体化する魔獣使いの力です”



疑問に答えるようにシルバの声が頭の中に響く。そんな力が私にあったんだ


「…どうして2匹はそこまで私に尽くしてくれるの?」


“単純なことです。貴女が我等を信じ、愛してくださるからですよ”


“我等はそれに応えているだけです”


「ありがと…シルバ、ノワ。行こうか、私の大切な人達を救いに!」


“御意!”


忠実な下僕達の力を借り、愛する人の元へと急いだ…



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