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魔王の花嫁様!? 〜パーティーを追放された私は魔王に拾われ、花嫁候補にされました〜  作者: 蒼月 天馬
第1章 突然!?魔王(女)に求婚されました!?
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第12話 理由

表現に悩んでいたら2週間ちょっと更新遅れてしまいました。いつもより少し長めです

「さてと、大見得切ったは良いけど……どうやって止めようか」


「え!ノープラン!?勘弁してくれよユーカちゃん…」


「まぁそんな事だろうと思ったよ。優花ってたまに考えなしに動くよな」


唖然とするレックスさんに呆れ返ったように勇輝が呟く。考えなしとは失礼な、私はただ心のままに行動して……


「ユーカちゃん、危ない!」


「……っ!」


レックスさんの叫び声と同時に、殺気を感じる。その場から後ろに飛んで回避、その直後にレグナの拳が地面へめり込む……うわぁ、あんなの喰らったら一発であの世行きだ…


「ったく、相変わらずの馬鹿力だな」


「龍気解放…理性を失う代わりに全ての能力を向上させる竜人族の切り札。厄介だね…」


「だからと言って放っておけない。最悪、殺してでも止めなきゃならない」


「なっ!?本気で言ってんのかよ、ユーキ!」


勇輝の言葉に反論する前にレックスさんが叫ぶ。仲間を手に掛けるのは誰だって嫌だ、でも彼が必死になる理由はそれだけじゃない


「だがこのまま街に出たら、沢山の犠牲者が出る!」


「だからって仲間を殺すなんて出来ねぇよ!」


「じゃあどうするんだよ、俺だって殺したくはない!」


良い争いが始まる2人にレグナが迫る。気付いたときには目の前に拳が見える。あーもう、世話が焼ける!


「ガイアウォール!」


レグナと彼等を阻むように土で出来た分厚い壁が現れる。これで少しは大丈夫なはず…


「2人共、気持ちは分かるけど争ってる場合じゃないでしょ!一番苦しいのは自分を制御出来なくなったレグナなんだよ……それに手が無い訳じゃない」


「本当なのか…レグナは助かるのか!?」


「確証はない。でもやってみなきゃ分からない…お願い、力を貸して…!」


2人に向かって頭を下げる。暖かな手の感触を感じた


「優花、頭を上げてくれ。頼まれなくたって力を貸すよ、お前は大切な幼馴染だからな」


顔を上げると勇輝が屈託の無い笑みで言う


レグナを助けられるなら、何だってやる、俺も協力するぜ」


それに続いてレックスさんも同意する。


「それで俺達は何を……」


ドゴオォン!!


言いかけたとき、隔てていた壁が粉々に砕け散る。…まぁ保ったほうかな


「勇輝、レックスさん!レグナの意識を私から遠ざけて!」


「任しとけ!行くぞレグナ!少々痛いだろうが勘弁しろよ!」


全身に紅いオーラを纏い、レグナへと突貫する。ブレイブフォース、一時的に身体能力を飛躍的に向上させる勇輝の切り札。それを使ったということは今のレグナは相当な相手という意味だ


「さて、俺もやるか…シルフィード!」


風を身に纏い、レックスさんも加勢する。2人共、私を信じていてくれる……必ず助けなきゃ…


「水よ、炎よ、風よ、大地よ、彼の者を戒める鎖となれ!エレメンタルチェーン!」


四方から伸びる四属性の魔力の鎖が、レグナの手足を縛り付ける。外そうともがくが竜人でも引き千切るのは困難な筈


「ガァァァッ!」


バキィン!


「嘘っ!?」


咆哮を上げ、四肢を拘束した筈の鎖を引き千切る。なんて馬鹿力…!


「はぁぁ!!」


勇輝が飛び上がり、レグナの頭を目掛けて剣を振り下ろすが、腕で振り払われ吹き飛ばされる


「勇輝!」


「大丈夫、何ともない…ただブレイブフォース使ってなかったら間違いなく死んでたな……ったく、世話の掛かる奴だ…!」


立ち上がり、悪態を吐く勇輝。


「同感、終わったらお説教だね…アダマンガード!」


鉱石を魔力で精製し、勇輝の鎧に付与させる。ちょっとやそっとじゃ傷付かない筈


「これなら多分暫くは持つよ…ごめんね、勇輝…無茶させて」


「気にすんな、お前を守るのが俺の役目だ…って言っても守ってやれなかったな、俺の方こそすまなかった」


「勇輝…」


「おーい!2人共!イチャついてないで手を貸してくれ…おわぁっ!?」


「流石にアイツ1人じゃキツいか。…必ず皆で帰ろうな」


私の頭を撫で、勇輝は再びレグナへ向かっていった……その皆には私も含まれてるんだろうけど……


「ありがとう…でも私はもう戻らない…」


去り行く背中に小さく呟く。私はあの人を支えていくって…ずっと側にいるって決めたから










「やぁ、メリー。こうして出会えるなんて、僕らは結ばれる運命なんだね…嬉しいよ」


ユーカの下へ急いでいると立ち塞がるようにドレイクが現れる。、こいつに出くわすとは…全くついていないな



「邪魔をするな…ユーカを返して貰うぞ、そしてもう2度と妾達の前にその面を見せるな…」


「何でだよ…どうして僕じゃいけないのさ!何であんな小娘なんかに!僕はこんなに愛しているのに!」


駄々を捏ねる子供のように喚き出すドレイク。何故か…そんなものは決まっている


「あの子を…ユーカを心の底から愛しているからだよ、真っ直ぐで純粋で、美しい。何より妾をちゃんと見ていて…妾を理解してくれる」


「あの薄汚い小娘に君の何が…ひぃ!?」


首筋に魂喰い(ソウルイーター)を突き付け黙らせる…


「黙れ…ユーカを傷付け、一生消えぬ烙印を付けた罪は重いぞ…」


「ふふ……じゃあどうするのさ。殺すかい?魔王である君が大罪人になるかい?」


「ふ……ユーカの為ならそれも悪くないの」


「な……たかが人間の為に堕ちると言うのか!」


挑発したつもりだろうが、妾の覚悟は決まっている……まぁ皆がどう思うか分からぬが


「それが愛と言うものだ……貴様にはそれが足りぬ。全てを捨ててでも愛する者と共に居ようとする覚悟がな…!」


「黙れ!大人しく僕の物になりやがれぇぇ!!」


「愚か者が…!!」


ザシュッ!


突き出してきた槍をかわし鎌を振り下ろす。ゴトリと音を立て首が落ち、血飛沫が上がる…む、少し汚れたな


「本当に妾に愛を向けてくれれば…お主を愛したかも知れぬな……まぁ有り得ぬがな。無駄な時間を取られた、ユーカの下へ行かねば…!」








「はぁっ…はぁっ…ったく、弱ってんのか?コイツ」


「あはは…流石は竜人。物凄いスタミナだね……」


「全く…手間が掛かるな…っ!」


軽口を叩き合うも皆が限界に近かった。だがレグナはまだ余力があるのか疲労の色すら見せていない…はは、ちょっとヤバイな


「グルル…ギャアァァ!!」


「あぅ…!?」


「ぐぅ…!?」


「くっ…!?」


部屋中に響き渡る咆哮、不味い…体が動かない…!


「ユーカ、逃げろ…っ!」


「え…がはぁっ…!?」


勇輝の叫び声の直後、体が宙を舞い叩き付けられた。尻尾が腹に直撃したようだ。激痛に顔を歪める……肋骨、折れたかも…っ


「……っ!」


「グルル……」


目の前にはいつの間にかレグナが拳を振り上げて居た


「ひ…っ」


「優花ぁぁっ!!」


迫り来る拳を止める術もなく、恐怖に負け目を瞑る…メリアさん…っ!!


「全く…妾の花嫁を傷付けるとは、良い度胸をしておるの…竜人の生き残り…!」


「あ…」


いつまでも襲ってこない痛みに不思議に思い、瞳を開く…そこにはレグナの拳を片手で受け止め、睨み付けているメリアさんがそこに立っていた



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