始まり
突如思いついたホラー。よろしく
僕らのなかで、ある日こんな噂が流れた。
ーーある条件を満たすと神様が、降りてきて僕らが増えすぎていないか確かめるーーと
信じない人は多かったし、僕も多分信じなかっただろう。
あんな事が無ければ。
僕たちは、いつも四人で遊んでいた。僕とコウとユミとカナエ。
小さいときから一緒にいたから、何をするにも一緒だった。
ある日カナエが、こんなことを言い出した。
「ねえねえ、間引きって知ってる?」
「「「間引き?」」」
僕らが知ってる間引きっていうと増えすぎて邪魔になった苗を抜いてしまう事だった。それを伝えるとカナエは
「ちょっと似てるけど違うの。カミサマがやってきて人間を間引くのよ。」
「人間を?」
ユミが、そう尋ねる。カナエは頷くと続けてこう言った。
「そう。でね、カミサマはその地域の子供達の家にやってきていい子かどうか確かめるの。それでいい子だったら白、悪い子だったら黒い紐を置いていくんだって。」
僕はわずかに震えてしまった。もしも黒い紐を置いて行かれたらどうなってしまうのだろう。
僕はカナエに、きこうとした。すると、カナエでなくコウが答えてくれた。
「正しくは置いて行かれるんじゃない。首に巻かれているんだ。そして黒い紐だったら寝ている間に首を絞められてしまうんだって。」
ハッキリとは言わなかったけど多分死ぬって事だろう。まさに『間引き』だ。
カナエは、その事実になんの変化も示さずに
「やろうよ。」
と、真顔で言った。笑いの片鱗すら含まれない、冗談とは笑い飛ばせない顔。
どこまでも本気の顔だった。
当然僕は反対した。だって遊びにしては規模が大きすぎる。対象になるのは僕らだけじゃない。回りのみんなも含まれるのだ。
僕の反論に、カナエはこう言い返した。
「あのね、学校とかでイジメが起こっているのはなんで?悪い人がいるからじゃない。だったらこれはチャンスよ。カミサマが手を下してくれる。神からの審判なのだから公平だしね。」
カナエは、もうやる気満々だった。誰の言葉も聞きそうに無かった。だから僕らは諦めて彼女の言うことを聞くことにした。
「いいか?条件は四人でやること。夕方の5時55分55秒に、全員でこの護符を破ること。それだけだ。」
コウはそういって僕らに紙を配った。丸に囲まれた星とよくわからない文字が沢山書いてある。
「5時ね、じゃあまだ間に合うわ。今から行きましょ。」
そういって歩みだした。ここは、家と学校の間くらいにある公園だ。学校までは10分もかからない。
僕らは全員押し黙って歩いた。沈黙に心が折れそうになる。いつもは近く感じる学校がものすごく遠く感じる。
そう、これは悲劇の始まりだった。




