6/16
声
私が4歳の時にあれと同じ物を見た記憶がある
私が4歳の時は今よりも力(幽霊を見たり触れたり)が強くなかった…
声が聞こえるだけで見たり触れたりする事さえ出来なかった。
4歳の時は、まだ幽霊と生きている人間の違いがわかっていなかった。
当時私は声に悩まされていた、お母さんやお父さん、兄が聞こえていない声が聞こえていたからだ。
両親に声の事を言うと病院に連れられ検査をさせられた。
それ以来私は両親に何も言わなくなった。
“こっちへおいで”
声がした…
「だあれ?」
”こっちへおいで”
声の方に近づいたが、誰もいない。
「どこにいるの?」
”こっちだよこっちへおいで”
声がだんだん大きくなる方に近づく。
声が一番大きくなった場所には黒い靄があった。
「なにこれ」
幼い私はそれに触ってしまった。