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家
どうしよう私はこの場をどう誤魔化そうか必死に考えていた。
「あの、どいてくれませんか?」
男子生徒はもう一度大きな声で言った。
「は、はいすみません。直ぐにどきます」
私は急いでどいた。
男子生徒は起きあがり、不思議そうな目で私を見た。
「どこからきたのですか?」
「さあ? 私にもさっぱりです」
満面の笑みで誤魔化す。
「空から降ってきましたよね?」
「そういうことになりますね」
「・・・」
「・・・」
男子生徒は怪しげな眼差しで私を見る。
「それじゃあ、私はこれで」
私はその眼差しに耐えきれなくなり逃げた。
男子生徒は私を追いかたが、直ぐに見失ったようだ。
私は死界で化け物どもと戦いを繰り広げていた、あんな普通の男子生徒に捕まるはずはない。
「ふぅ~着いた」
私は男子生徒から逃げきり、自分の家に3ヶ月ぶりに帰ってきた。
「ただいま~」
家には鍵がかかってあり、鍵を持っていなかった私はノックをしながら言った。
”ガチャ”
ドアが開いた。
(えっこの人誰?)
ドアを開けた人は全く知らない人だった。