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罪人転生、拭う罪 ー今度こそ好きな女を笑わせるー  作者: 森俊介


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7/8

罪人成長す

この世界の冬は脅威だ。

毎年冬という災害に多くの人が命を奪われている

食物は全くと言っていいほど育たなくなり、商店街の足並みも少なくなる。

このデーモンアイランドを除いては


「ジェイス。俺たちはこれからどうするんだ?」


俺が抱えられたままそう聞くとジェイスが


「これから下界の方は冬だ。3、4年調査して分かったが、子教団は冬にはめっきりと活動しないことがわかってる。そこで、ここでできた時間分でお前を鍛えようという作戦だ。」


「別に、お前が戦えばいいじゃん」


俺が戦う必要なんてあるのか?


「お前は俺の親父を見てどう思った」

「えっ。すげー強そうで王たる風格あるなって」

「だろ、あれがヨボヨボの爺さんだったら誰もあの人の後ろなんかついていかねえ。頂点に立つものは強くないといけないんだ」


確かに言われて見ればそうだ。

強豪校の主将が弱いなんてことはほとんどあり得ないように

強い主の元にしか強い兵は現れないのだ


「で、特訓って何すんの?俺まだ9歳だぞ?」


するとジェイスは


「年なんて関係ないだろ。じゃあ、早速特訓だ!!」


そういってどこかに飛び立とうとした瞬間


「ジェイス様。お待ちください」


ルースさんが俺たちを呼び止める


「ルース、どうした」


ジェイスがそう聞くとルースさんはポケットの中から

何やら怪しい薬を取り出した


「それは一体なんですか?」


俺がそう聞くと、


「旦那様からいただきました。半年で10年分の成長を促進させる薬です」

「でかしたルース!!」


どうやらこの薄緑色の粒を全て飲めば半年で10年分。

つまり、半年後には俺は19歳の体になっているということだろう

成長痛とかえぐそうだな


「ルイ、早速食べろ!」


ジェイスが俺の口に無理やり入れようとするがルースさんが



「ルイ様、旦那様がどういうつもりかわかりませんが、国でも滅多に使用されない貴重な薬を全てあなたに使うのです。この恩を仇で返すなど許されていませんからね」


脅すようにそう言ってくる

だが、今更どうこう慌てるつもりはない

俺は笑顔で


「大丈夫ですよ。俺はもう、何も失いたくない。もうこの国は俺の大切なものリストに入れときましたから」


俺はそう言って薬を全て口から胃へと入れる

これといった体の変化は感じない


「ルイ様、もう一つ旦那様からの伝言が」

「はい?」

「罪拭いし罪人世界を変革す、と」



どういう意味かはよくわからない

でも、リンが適当に俺をこの世界に送り込んだ訳ではないということは確かだ。

俺が本当にこの世界を変えるのだろうか

まあいい、いまはやれるだけのことをやろう






この国にきてから半年の年月がたった、月は5、日は11

偶然にも俺の昔の誕生日の日に俺たちはこの国から旅立つ


「ルイ、俺がこんだけ鍛えたんだ。どこぞのチンピラに負けたら腹パン100回だからな」

「この半年で何回腹パンされたと思ってんだ」


俺は6つに割れた腹筋を見ながらそう言った


「それじゃあ、行ってきます」


手を振ってくれるルースを背中に俺たちは下界へと降りていく

今回の俺はジェイスの背中になど乗っていない

自分の体一つで空へと身を投じる


「フッフーーー。気持ちいねーーー」


俺がそういうとジェイスが笑いながら


「俺もお前がここまで強くなれるとは思ってなかったぜ。悪魔軍の第二部隊戦士長くらいならなれんじゃねえか」


第二部隊戦士長、それは総合戦士長、第一戦士長、第一戦士長補佐に告ぐ4番目に強いということ。

ちなみにこのジェイスは第一戦士長である。


「お前、前から思ってたけど軍の方はいいの?」

「親父が生きてるうちは大丈夫だ、ああ見えて総合戦士長とはわからねえが俺より強いのは確かだ」


あの親父さん、そんなに強かったのかよ


「ルイ!!」

「何!!」

「これから楽しみだな!!」


俺の方を見ながらそう言ってくる

俺ら、世界を変えに行くんだよね

こんな気楽でいいのかな

なんて思いつつも


「ああ、楽しみでしょうがねえ」


俺の実力がどこまで通じるのか

そして、この実力なら子教団だろうがなんだろうが倒せるという自信

その全てがいまは好奇心へと注がれている


「もうすぐ地面だ、失敗したら即死だぜ」


訳わからんくらい高い場所からの落下、

普通なら死は免れないだろう

普通なら


「あいにく、イメトレと練習は欠かさないタイプでね」


俺は深呼吸をした後


「カスタマイズ、“衝撃吸収“1、2、3。GO!」


ドーンという大きな音とともに俺は着地する

地面は衝撃のせいか深くえぐれている


「さあ、世界の変えようじゃねえか。何も、誰も失わないために!」


この先に待っているのが地獄だろうが天国だろうが関係ない

俺は、この腐り切った体裁の世界を変え、多くの人を幸せにする。それだけだ

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