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インタビュー

作者: San
掲載日:2026/03/01

「それじゃインタビュー初めましょうか」


「はい。」


「まず確認ですが、この物語、会話だけで進んでますよね?」


「え?」


「地の文ゼロですよね?」


「言われてみればそうですね。」


「読みやすさ重視です。」


「誰に向けて言ってるんですか。」


「読者です。」


「読者いるんですか?」


「いる前提で進めています。」


「強いですね。」


「では質問です。」


「急ですね。」


「あなたは今、座っていますか?」


「座ってます。」


「本当に?」


「え、疑われてる?」


「立ってる可能性もあるので。」


「ないです。」


「証明できますか?」


「どうやってですか。」


「椅子の感想を三語で。」


「固い、冷たい、普通。」


「リアルですね。」


「疑い晴れました?」


「70%。」


「まだあるんだ。」


「では恋愛について。」


「流れ雑ですね。」


「安心してください、恋愛の中身は聞きません。」


「じゃあ何を聞くんですか。」


「この物語に恋愛は必要だと思いますか?」


「急に制作会議。」


「読者層を意識して。」


「読者いる前提なんですね。」


「常にいます。」


「見えないのに強気。」


「あなたは今、自分がキャラクターだと自覚していますか?」


「ちょっとしてきました。」


「怖くないですか?」


「あなたのほうが怖いです。」


「よく言われます。」


「自覚あるんだ。」


「では次の質問です。」


「切り替えが早い。」


「あなたは今、ちゃんと本音で答えていますか?」


「たぶん。」


「“たぶん”は保険ですか?」


「ちょっとだけ。」


「では保険を外してください。」


「事故ったらどうするんですか。」


「物語なので大丈夫です。」


「便利ですね物語。」


「便利です。」


「今、何%くらい私を信用していますか?」


「30%。」


「低い。」


「だって椅子の証明させましたよね。」


「あれは必要でした。」


「何のために。」


「リアリティの確保です。」


「方向性が独特すぎる。」


「ではあなたからも質問どうぞ。」


「いいんですか。」


「双方向型インタビューです。」


「じゃあ。」


「はい。」


「あなた何者なんですか。」


「インタビュアーです。」


「それは見れば分かります。」


「では肩書きは“物語をかき乱す人”です。」


「自覚ありすぎる。」


「あなたは今、楽しいですか?」


「ちょっと楽しいです。」


「なぜでしょう。」


「あなたが変だからです。」


「褒め言葉として受け取ります。」


「便利ですね。」


「今この瞬間、読者が吹き出した可能性は何%だと思いますか?」


「20%くらい。」


「低めですね。」


「あなたのせいです。」


「責任重大。」


「ちなみにこのインタビュー、ゴールあります?」


「あります。」


「本当に?」


「たぶん。」


「あなたも“たぶん”使うんだ。」


「便利なので。」


「さっき外せって言いましたよね。」


「矛盾は物語のスパイスです。」


「都合いい。」


「では核心に迫ります。」


「急に怖い。」



「もし今、この会話が突然終わったらどう思いますか?」


「え、ちょっと寂しいかも。」


「なぜ?」


「なんかまだ続きそうだから。」



「ずるい終わり方しようとしてません?」


「少しだけ。」


「メタですね。」


「はい。」


「じゃあ私から最後。」


「どうぞ。」


「あなた、実は私のこと結構好きですよね?」


「インタビュアーとして?」


「人として。」


「……。」


「沈黙入りましたよ。」


「物語的にいい間です。」


「逃げた。」


「否定はしません。」


「それ肯定です。」


「終わりますか?」


「終わりましょうか。」


「ちゃんと区切れますか?」


「たぶん。」


「またそれ。」


「便利なので。」


「じゃあ。」


「はい。」

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