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幽霊と探偵  作者: aqri
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恋占い11 これだけでは終わっていない

「言いたいことはわかりますよサトさん。でも今回は佐藤さんの指示なんです」

「は? いつ連絡取ったんだ」

「昨日電話貰って、業務報告のついでに指示を仰いだらそうしろと言われたのでそのまま行ってきました。たぶん、まだ話せばわかってくれるレベルだって踏んだんでしょうね」

「俺が連絡する時は出ないくせになんで俺がいない時連絡してくるんだ」


 いつもそうだ。報告は事後になり指示を仰ぎたい時はだいたい連絡がつかない。そのくせまるで影から見ているかのようなタイミングで絶妙な時にあれこれ置いていったりメッセージを残したりする。


「そうそう、本当はサトさんに連絡があってかけてきたんです。後でメールするって言ってました。今日メール見ましたか?」

「タイトルが見合い写真送りますっつー迷惑メールなら来てたから見ないで消した」

『業務にまったく関係ない……』

「ここはもう諦めてお嫁さん二号を探してはどうでしょう。サトさんだって今年二十八でしょ、早くしないとあっという間に中年ですよ。中年になったらご縁なんて少なくなりますよ? お金目的でしか近づいてもらえなくなりますよ。寂しいですよ中年の独り身は。世の女性にその年になってまだひとりとかヤダーって蔑まれる対象ですよ」

「俺に言わないでまず所長に言えよ、アレだって独り身だろうが。なんで寄ってたかって俺だけに言うんだ」


 ビキっと青筋を立てて睨みながら言えば小杉は仕事仕事と言いつつ慌てて自分のデスクに戻る。


『他にも言われたんですか?』

「この間清水さんに孫の写真見せられながら結婚はいいもんだよって延々言われて荒川にはお相手いないのかと聞かれた。めんどくさいからいないじゃなくていらんって答えておいた」

『枯れすぎでしょサトちゃん……』


 しみじみ言われフンと小さく息をつき、この話題はもうこれで終わりとでも言うようにパソコンへと向かった。メールを立ち上げると戸波からメールが来ている。基本的に不規則な生活の者が多いので業務連絡はすべてメールとなっている。タイトルは「追加情報」だ。

 父親からの依頼終了の件はまだ報告していないので戸波は今回の件が終わったと知らない。あれだけでは足りないだろうとその後調べた事を送ってくれたようだ。

 というより、あまりに今回退屈な内容だったので自分から細部に首をつっこんだような印象もあるが。


中嶋君へ

今回の件いろいろ調べました。どれが必要かわからないので一応分かった事全部送っておきます。これ以上は突っ込むなと清水さんにコブラツイストをかけられながら言われたのでこれで僕も調査終了にします。湿布買いに行ってきます。

戸波


 清水さんって何者なんだろうと思いながら添付資料を開くと、レボリューションの更に詳しい情報だった。自殺した娘の友人達がやらされていた事から、いつからそのサイトが存在したのか。それを詳しく調べていくうちに戸波の出した結論は以下のものだ。

 数年前からこのサイトは存在し、当事は本当に占いだけだった。アドバイスを送るところまでは当事からそのまま。しかし二年ほど前から違う人物がサイトを動かすようになり目的が明らかに変わってきた。

 そこから個人と連絡をとり様々な指示をするようになってきている。その内容は様々で物を運べ、指定日時にどこに行け、これを捨てろと一見バラバラなものだ。しかし浮かんでくるのは何か犯罪のようなものの後処理をさせられていたような印象だという事。

 最後に、この二年このサイトを動かしている人物はおそらく十六歳の高校生だろうという事。サイトや連絡の履歴を追うといくつかの漫画喫茶などを利用しているものの、二年前はとある中学から、この一年はとある高校からのアクセスが数回確認できている。その学校名を見て、中嶋は一瞬マウスを動かしていた手を止める。


(……一華の学校……そういえば学校で流行ったって言ってたな)


 以前一華の事を調べた時に知った彼女の通っていた高校、そこは都内でも有数の進学校だった。今回自殺した娘の学校も進学校。となると、塾を通じてこの二校内に友人同士がいてもおかしくはない。時系列を考えれば、おそらく一華の学校から今回の娘の学校へと広がったのだ。

 そうなると答えは一つしかない。最初にこのサイトを一華たちに広げた人間がサイト運営者、あるいは運営者に近い人物だったのだ。

 一瞬考えたが、その事実を言うのはやめた。一華に「誰から教わったのか」と聞いたり、学校の生徒を調べれば分かることだがそんな事をする必要はない。娘は成仏したし依頼は終わった。今後犠牲者が増えるのかどうかはわからないが、そこまで首を突っ込む必要はない。後でバレたら一華や小杉に何か言われそうだが。

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