08.10日間で変わったこと(内部時間2035年8/1)
題名変えてみました。
改めまして、砂糖多めな「間章:夏休み編」開始です!
あれから10日が経った。
まず変わったのは光梨と俺の関係だ。当然恋人同士となったので、まずはそれぞれ両親に報告することにした。なので家に帰って両親に、「光梨と付き合い始めた」と言うと母の唯は泣き崩れ、父の翔は「よく頑張ったな」と言い喜んでくれた。そしてその翌日、光梨が大量の荷物を持って家の前に立っていた。
何故いるのか話を聞くと「一緒に暮らしたいの!」とのことだった。
取り敢えず両親に聞くと二つ返事で了承してくれた。
かくして光梨は、家族の一員として紅葉家自宅に住むことになった。
続いて交友関係についてだが、驚いたのは涼介が彼女作ってたことである。しかも相手は光梨と並んで学年一位級の美貌を持つ神楽坂成海だった。
なぜ「級」なのかは省かせていただこう。
涼介の灰谷家は成海の神楽坂家の遠い親戚に当たるため、以前から面識があったそうだ。・・・まあ、俺も光梨も涼介の紹介で知り合ってから、定期的に連絡を取り合っていた。高校に進学してからあまり見かけなくなったが、彼曰く「俺の専属使用人として、いつもそばにいてもらってるぜ」とのことだった。俺はその時、「普通逆じゃないか?」と思っていた。
他にも色々あるが、取り敢えず今はこれ位でいいだろう。
・・・
夏休みに突入した。だが俺は今、光梨と一緒に宿題を教えあっていた。
「そこはこのページのこの公式を使うんだ。」
「うん、分かった。」
俺は、両親がどちらも理系だったため根っからの理系だ。光梨はその逆のパターンなので根っからの文系である。だから、国語や社会で俺がつまずいた時は教えてくれた。ただし・・・
「これはBじゃなくて、Dだよ。」
「あぁ、分かった。」
「はぁ、いつもはかっこいいのに、私が混じると可愛くなっちゃうんだから・・・。はーい、よくできました。ご褒美の私の手だよ。」
そう言って抱きついたまま頭を撫でられたり、されるがままになっていた。
「ぉぃ・・・」ウト、ウト
「か、可愛い・・・! ギャップ萌えが、ギャップ萌えが・・・!」
結局、俺は現在進行系で悶絶している光梨の腕の中で眠ってしまった。
そして三時間後・・・
「・・・うぅ、寝ちゃってたか。ん?」
起きてまずはじめに、背中の温もりと胸元のほっそりとした感触を感じたので、それを確認した。そして、右側から聞こえる「すぅ、すぅ・・・」といった規則的な呼吸音が聞こえた。それは聞き覚えのある、恋人の寝息だった。
「光梨も寝ちゃったみたいだな。・・・相変わらず、綺麗な顔立ちだよな。」
「・・・ん、んうぅ。」
「おーい起きろ、光梨。」
「ん・・・んぇ?」
あ、起きた。だが光梨は寝ぼけ眼を腕で擦り、俺の背中でまた寝ようとした。だが俺は、完全に覚醒させるために唇に口付けを落とした。
「ん? ・・・ふぁ!?」
「起きたか? 光梨。」
「う、うん! 起きた、超起きた! だからもうしないでぇ・・・」
手で顔を隠しながらイヤイヤと首を振られると、Sっ気がある俺としては更に弄り倒したくなるのでやめてほしい。・・・ただでさえ、現状維持に手一杯なのに。
「・・・分かった。もうしない・・・・・・今は・・・」
「?」
光梨が頭の上にクエスチョンマークを浮かべているが、俺は気にしない。こてっと可愛らしく首を傾げているが、俺は気にしない。・・・まぁ、少し見入っちゃうのは仕方無い。仕方がないんだ。
・・・
翌日。
徹夜で宿題を終わらせた俺と光梨は、涼介と成海を加えた四人で近くの市民プールにいた。
「涼介。」
「ん? どうした?」
「宿題、終わらせたか?」
「・・・あぁ。」
涼介は宿題を終わらせたと言っているが、俺には分かる・・・
「嘘だな。お前は全く手を付けてない。しかもまだ鞄の中に入れている。違うか?」
「・・・当たってるよ。その通りだ。て言うか嘘見破るの早いな。」
「お前は分かりやすいからな。」
「うぐっ・・・」
直後、周囲の空気が変わった。直後、男性から「おい、ナンパ行こうぜ。」といった声が、女性からは「可愛くない!?」や「羨ましい!」といった声が聞こえた。俺と涼介は振り返って、その二人組に声をかける。
「来たか、光梨。よく似合ってるぞ。」
「うん、ありがとね! 誠。そっちこそ、よく似合ってるよ!」
「お、おう、ありがとよ。」
そう言って手を握る。勿論、恋人繋ぎで。
「よし、じゃあ行こうか。光梨。」
「うん!」
俺たち二人は、仲良く微笑み合いながらプールの中へ入った。
・・・
誠が光梨とプールの中へ入るほんの少し前。俺と成海は更衣室前にいた。
「成海、今日も綺麗だな。それと、よく似合ってるぜ。」
「あ、ありがと・・・。そっちこそ、よく似合ってるわ。」
「よし、行こうぜ。ずっと外にいたから暑いぜ。」
俺は成海の手を取り、二人でプールの中へ入った。
またかなり不定期になると思います。毎度毎度すみません。