7話
次の日。
朝から、気まずい空気だった。昨日は、酔っていたが、ほとんど覚えている。
「彰、おはよう」
「おはよう」
昨日の事は覚えていないようだ。
「昨日のこと、返事は?」
「あの・・・・告白?」
「あぁ」
覚えていたのかよ。
「私、まだヒロのこと愛してるから」
「そうか・・・・」
いかにも、彰は落ち込んでいる。今日は、仕事だから行かなければならない。今回の客は、多額を出してくれる若手社長だ。
「仕事行ってくるからご飯食えよ?作ってるから。昼戻る」
「行ってらっしゃい」
私は、待ち合わせの喫茶店で待っていた。以外に客が少なく静かだった。
「お待たせ、待った?」
「さっき来たとこ」
「じゃあ、前金」
「ありがと」
封筒の中には福沢諭吉が10数枚。この後、スポーツカーに乗り、自宅へ行き一仕事終えた。11時くらいだった。
「今日もありがと、また来週」
「うん」
自宅まで送ってもらい、帰宅。財布の中は18万入っていた。それ+前金で30万は越す。社長ってすごいなっと改めて思った。
「おかえり」
「ただいま、彰も終わったの?」
「うん、愛人だからたまにしか会わないし、1時間ぐらいで終わるからね」
「そっか、子猫達に餌あげた?」
「うん、水も」
「そっか」
何気ない会話が終わった。昼からは1週間分の食料と新しい服と雑貨などを買った。
修司達には、会わなかった。何故だろうとは思ったがそんなに考えていなかった。2人が自殺したことになんか気がついていなかった。




