後編
私はまた放課後に彼、縁尾キルに会いに行った。
校門で待つが全然出てこない。
昨日と同じ6時頃、彼はまたフードを被って出てきた。
「おーい、縁尾さーん。」
「バカ!あまり名前を呼ぶな。お前も俺の仲間だと思われるだろ!」
「なにか問題ある?」
「ありまくりだ!俺は人から嫌われてる。お前にはそうなって欲しくない!」
「優しいね。」
「いや、別に」
フードで見えないけど照れてるのかな?
「それで、俺どうやったら助かるんだ?」
「それは、まだわかんない。」
「その気持ちだけでも嬉しい。」
「嬉しいこと言ってくれるね」
「別に」
そういう縁尾の胸元に小さなハートが生まれた。
赤ちゃんの拳大の小さいハート。
「私、思ったんだけど縁尾さんは縁を切らないといけない。私は生まれつき好きが見える、もしかして私の私自身の好きを縁尾さんにあげたら無くなるのかな?」
「えっ?」
「だから、私の好きをあげるの縁尾さんに」
「そんな簡単にあげていいものじゃないでしょ!俺は、酷いことをした助かってはいけない。でも俺の命とこの地球の運命が繋がってる。それは変わりようのない事実。」
「だから、私はあなたを助けたい。」
「俺は初めて会った時からあなたとはなにか感じるものがあった。」
「私も会った時不思議と嬉しさと楽しさがあった。今まで感じたことの何か。」
「やってみてくれる?」
「うん、縁尾さん。一目見たときからあなたを好きになりました。付き合ってください。」
"この気持ち受け取って!"
私がそう心の中で言うと自分から大きなハートが出てきた。
今まで見てきた中で1番大きいハート。
私は目をぎょっとさせながらそのハートを自分で後押しする。
そのハートは縁尾さんを覆い隠し紫黒い光が縁尾さんからではじめた。
前に縁尾さんが言っていた低くガサツいた声が聞こえる。
「おまえ、どうなってもいいんだな、ぐ、がはっぁあー」
紫黒い光は消え私のハートが縁尾さんに入っていく。
フードが取れ顔が見える。
縁尾さんが泣いていた。
私はそばにより縁尾さんの涙を拭く。
「大丈夫ですか?」
「ありがとう、でも、さっきの呪いの過去が見えた気がした。川辺で女の子に思いを伝えたら断られてそのまま川で自殺したんだ。そのまま成仏できず漂っているとその女の子が違う男の子に告白し成功。2人は付き合うことになった。その男の子が自分の1番の親友でそれを見た呪いは縁をキルという能力を手に入れた。でも、自分では使えずたまたま川に来た俺に拾われる形で俺を呪った。」
「…そんなことがってちょっとまって私なんか変。」
「何が?」
「何がかはわかんないけど。でも、縁尾さんと付き合えて良かった!」
「えっ、ありがとう」
満更でもないような顔で照れた。
今度はしっかりと見た。
「これからは恋人同士だね」
「…そうだな。」
それからは別れ話がなくなり、私の力もなくなった。
でも、縁尾さんを助けられたからこの力は運命だったのかもしれない。