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中編

慌ててスマホを開いた。


そして来ていたメールをタップする。


〖あの、縁をきる男の子の噂は知っていますか?〗


えっ、そんな話は聞いたことがない。


〖知らないです。〗


〖私もよくは知らないんですが、友達がその噂を知っていて。〗


〖その友達って会えたりしますか?〗


〖はい、今日の放課後一緒にカフェに行く約束だったので西高の近くにあるカフェです。〗


〖お邪魔していいですか?〗


〖はい!〗


そして放課後、西高の近くのカフェに入ると前のボブの女の子とショートカットの女の子が座っていた。


「私の隣にどうぞ。」


「失礼します。」


ボブの女の子の隣に座り斜め前のショートカットの女の子に視線を向ける。


「僕は噂緒(うわさお) 紫留良(しるよ)です。」


「こんにちは、私は好屋 優です。」


「あー、ごめんなさい。まだ名前を言ってませんでした。花織(はなしき) 美希(みき)です。」


「自己紹介はこれくらいで例の噂話ですがその男の子は縁尾 キルくんという僕たちと同じ高校生です。」


「えっ、同じ歳ですか?」


「あなたも不思議な力を持っているじゃないですか!」


「あー、確かに。」


「とにかくその男の子とは関わってはいけません!」


「どこにいるの?」


「だからぁー!」


怒る紫留良ちゃんに対し私はその男の子がとても気になっていた。


私のことを邪魔したいのか他になにか理由が…。


「紫留良ちゃん落ち着いて優さん、なにか私も力になれないでしょうか。」


「ほんとにいいんですか?」


「私は少しという期間でも先輩と付き合えたことが嬉しかったです。あなたのおかげです。」


「そういうことなら、縁尾キルくんを探しましょう!」


「はい!」


「ちょっとまってて、おい!」


私と美希はすぐにカフェを出た、会計もしないで…。


西高の人達からも情報を集める。


「すみません、縁尾キルくんと言う方を知っていますか?」


「ごめん、わからないや」


何人かに話を聞いたもののやはり知っている人はいなかった。


と、後ろからすごい砂煙を出して歩道を走ってくる紫留良の姿が見えた。


「ちょっとあんたらタダ飯ぐらいー!」


「紫留良ちゃん私、ご飯は食べてないよ。」


「そんなん些細なことだよ!もうお金払えや。」


「すみません、これで」


私は紫留良に1000円を渡し他の人に聞こうと歩き出したら腕を掴まれた。


「ちょっと、あんたは何も頼んでないじゃない!このお金はいらない。」


「そうですか。」


財布に紫留良から受け取った1000円を入れるとまた歩き出そうとしていた腕を掴まれた。


「いって、なんですか?」


「話してあげてもいいけど…。」


小さい声でごにょごにょと体をモジモジさせながら紫留良は言った。


「本当にいいんですか?」


「いいけど、危険な目に合わないでよね!」


「なんの心変わりですか?」


「うるさい!余計なこと言うと言わないよ!」


「すみません。」


そして、またさっきのカフェに戻った。


「それで、縁尾キルはどういう人ですか?」


「彼は私の知り合いです。というか幼なじみです。僕と彼は普通に普通の日々を過ごしてきました。そんな時です彼が急に僕のことを突き放しました。俺とは関わるなと」


「つまり、その時になにかが起こったということですか。」


「たぶん、僕もそれ以上はよく知らない。彼は何も言ってくれないから。」


「じゃあ、紫留良さんの代わりに私が会ってきます!」


「えっ、あんたが?」


「はい!私も困っているので」


「…でも」


「必ず、どうにかします!」


「初対面のあんたに言われてもわからないけど、やって見なきゃ分からないよね。…彼がいるのは東高等学校。それだけ言っときます。」


紫留良は席を立ち私たちが飲んでいた飲み物の会計をしてくれた。


紫留良が私に話してくれたのはなにかがあるのかもしれない。

精一杯、頑張ろう。


「ごちそうさまです。」


紫留良さんに言い私はすぐに東高に向かった。


東高に着くともう6時近くなので部活終わりの生徒だけが通り過ぎる。


そんな中明らかに深くフードをかぶり負のオーラを出している人が通った。


「あ、あの!」


「…」


「聞こえてますか?」


「…」


「おーい!」


「…うるさい。」


「やっと喋った。」


「なに?俺になんか用?」


「なんとなく、あなたは縁尾キルさんですか?」


「…そう、だけど」


明らかにびっくりした顔で答えた。

なにか、驚かせるポイントあったかな?


いや、驚かせポイント尽くしか。


「縁尾さん、あなた私が結んだ人の縁を切るのやめてもらっていいですか?」


「え、ご、ごめんなさい。」


怯えた表情。その中には自分がやろうと思ってやったというふうには感じられなかった。


「なにか、理由があるの?」


「あ、えっと、でも話したら」


「大丈夫、私が何とかする!」


私は咄嗟に言った。なんの根拠もなしにでもそれでもこの人を救いたい気がした。


「実は、俺、…呪われてるんだ。」


「えっ?」


「中学三年の卒業式、俺は入っては行けない場所に入った。」


「入っては行けない場所って?」


「俺の実家の物置小屋。」


「えっ?物置小屋?」


「昔は呪われてはなかった。でも、俺が小学生の時に川から拾った紫黒く光石。親に見つからないように物置小屋に隠した。」


「石。」


「でも、その次の日から物置小屋がおかしくなった。その物置小屋に母親が触った瞬間。なんの理由もなしに父親に離婚届を出した。そのまま離婚。俺は母親と共に育った。もちろん実家で…。」


「今も?」


「そう、どうにかしなきゃ行けないのはわかっていた俺が原因を作ったからだから俺は物置小屋に行き触ったその瞬間物置小屋が紫黒く光俺の手にはあの頃に拾った石が握られていた。何も起きてない、そう思ったが俺の脳に直接なにかが話しかけてきた。」


「なにか?」


「わからない、でも低くガサツいた声でお前はこれから俺の言うことを聞くのだ。言うことが守れなかった場合お前の命はない、それにここ地球に住む人々は皆殺しだ。って」


「そんな、助かる方法とかなにか」


「そんなの俺だって考えたよ、でも俺はこのままずっと人の縁を切らないと生きていけない。俺はこのまま」


「そんなの分からない。あなたは私にその話が出来た。もしかしたら私はあなたの役に立つかもしれない。」


「お前がせっかく結んだ人たちを俺は切っているんだぞ。」


「そんなの関係ない!私は私の意思であなたを助けたいと思ってる!それだけ!!」


私は彼にそう押し切った。


彼はフードを取り口角を少しあげてから「ありがとう」と言いその場を去った。


優しそうな顔。いかにも優等生なメガネをかけていた。


これも私の偏見、でも彼はこんな私のほんとを受け止めてくれるかな。

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