プロローグ 其ノ参
(⊃˙-˙∩)シュワッチ
マルドリでーす。
プロローグ最終話の3話となります!
「最強の鬼『テンドウ』·····その力を俺にください」
『テンドウ』が神様にクーデターを起こして殺されてる極悪人だということはわかってる。
だけど俺は、『最強』。 その言葉に強く惹かれたのだ。
何故かと言うと、少し俺の前世の話をしよう。
俺は小さい頃から体格もよく、顔もいかついほうだった。
そのため周りからは『力が強い』。そう思われていたし言われたりもした。
実際俺は、運動神経は中の上あたりではあったが、力は周りが期待しているほどはなかった。
周りの人達の期待通りになろうと、筋トレもしたし柔道部にも入ったけど、いくら鍛えても力は強くならないし、柔道も部員の中で一番弱かった。
そんな俺が憧れたのは、小説の中にいたヒーロー達だ。
ヒーローとは言っても、勇者の時もあれば、魔王の時もあるし、暗殺者や魔獣になっている時もある。
俺が憧れたのは、役職や種族など関係ない、『最強』。そんな人達に憧れたのだ。
「だから俺に·····『テンドウ』の力を──」
「いいよ」
「·····え?」
「だから〜。いいってば〜」
俺の話に食い気味で返ってきた神様の言葉に、処理が追いついておらず、思わず聞き返してしまった。
「なんでそんな軽いんですか·····」
「だって正直、封印してからどうしようか迷ってたし〜。 処理できるプラス暇つぶしに使えるんなら、全然構わないよ〜」
神様にとって、封印したテンドウの魂は邪魔でしかないし、処理にも困っていたみたいだ。
俺にとってはありがたいのだが、断られると思っていたため、肩透かしをくらった気分だ。
「テンドウの力を上げるには、テンドウの魂とはじめくんの魂を混ぜ合わせることになるんだ〜。 テンドウの意識はもうないんだけど、テンドウが経験したことや培ってきた技術とか、能力は全て君に引き継がれるよ〜。
能力の使い方みたいなのは、魂を混ぜた時に分かるようになるから大丈夫ね〜。
他に何かあるかな?」
正直、剣と魔法の世界を生き抜くには、神様にも厄介と言わせた鬼の力があればいいとは思うが、なんでもいいと言われた手前、遠慮なく言わせてもらおう。
「それじゃあ、名前とか見た目とか、その他もろもろを俺の黒歴史ノートに乗ってるものでお願いします」
「ちょっと待ってね〜·····あ〜、大丈夫だよ〜。随分と細かく書いてあるからわかりやすいね〜」
「ぐっ·····初めて黒歴史ノートを神様とは言え他人に········。 ま、まぁ、前世の話だし·····」
ラノベに出会った中学1年から高校2年まで約4年間続いた黒歴史は、『もし異世界転生をするのなら』と題して、無駄に細かく書かれており、友達や親友、家族ですらその存在を知らなかった。
「その黒歴史ノート?に書いてあることで大体のことは済んだと思うんだけど、他には何かあるかな?」
「他に? ん〜そうだなぁ········あ、
──前世の家族を幸せにして欲しいです」
「ふふっ、わかったよ───」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
トンッ
ふすまが閉まる音が鳴り、昭和チックな和室に創造神1人だけとなった。
「ふすまを門にするんじゃなくて、落とし穴とかの方が面白かったかな〜?」
もし、次の転生者が来た時に可哀想でしかないことを考えていた。
「最近あいつの封印も緩んできてるし·····ふふっ、はじめくん──
──いや、天童 弥彦くん。 君ならあいつを倒すことができるかもね···············」
お読みいただきありがとうございました。
プロローグ3話は書きだめだったのですが、次の話から全然かけてません( ˙-˙ )
すぐ書きあげるつもりですが、気長にお待ちいただけると幸いです·····。