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秘伝賜ります  作者: 紫南
404/448

404 衝撃第一弾?

先ずはと喚んだのは、珀豪、清晶、天柳、綺翔、黒艶、常盤だった。それも人型で桂花の前に並んだ。


「人? いや、あのような髪色はさすがに……」

「突然現れたということは、これが人型の式神……」

「ん? だが、四人ではないのか? 四神だろう?」

「あの二人は違うのではないか? 明らかに雰囲気が……」

「魔王と勇者みたいだ……っ、あ、すみません……っ」


誰を見てそう思ったのかは、誰もが理解できた。物語を読まなくても、そのイメージは、不思議と誰でも持っているのだから。


『ええ〜……紹介いたしますね。先ほど、大陸の方では、精霊と呼ばれるとご説明いたしました。彼らは、あちらの大陸では、精霊王とも呼ばれて崇められております』

「精霊王……っ」

「王とはまた……」

「はっ! それなら、火、風、水、土以外に、闇と光がある……?」

『その通りです。こちらの二神は、闇と光を司るものになります』

「なるほどっ」


どうやら、そちらの知識が豊富な若い子が居るようだ。話を進めやすい。


『そして、姿は様々であるとも申しました。お願いできますか?』

《うむ。本来の姿だな。だが、黒と常盤はここでは無理だ》

『あ……はい。分かりました』

《では》


珀豪に止められ、黒艶と常盤はそのままの姿で、四神だけが変わった。とはいえ、驚くことになる。


「っ、大きいっ!」

「え? ユニコーン?」

「あれは! 獅子ではないか!?」

「九尾!! なんと! 大きい!!」

「大きい狼だろうか? 毛並みが素晴らしいが……」

《我が一番普通の反応だな》

「「「「「喋った!!」」」」」

《先ほどから喋っておるが?》


一気にざわついた。珀豪が微妙に拗ねている。


『あ〜、その。ではまず、こちらの九尾の姿の方が、火を司るものです』

《天柳です。お見知り置きを》

「おおっ。なんと、妖として認識しておりましたが、これは、神々しくも美しい」

《あら、お上手ですわね》


天柳はゆるりと大きな尻尾を揺らして嬉しそうに答えていた。


『続いて、こちらは、水を司る方ですが、姿はユニコーンです』

《清晶だ。見られるのはいいけど、ベタベタ触らないでよね》

「水晶のようだが……なるほど、生きているのだな……なんとも不思議で、美しい。いや、指紋を付けそうで触れぬわ」

「触ったら凍りそう……」

《凍らないよ。一応、低いけど体温みたいなのはあるから》

「「「「「ほおっ」」」」」


目が少年のように輝いているのが分かった。未知のもので不安はあるが、興味の方が強いらしい。


『そして、こちらは土を司っておられます。姿は獅子です』

《……綺翔……よろしく……》

「っ、懐かない猫のようだなっ」

「あの毛並み、淡く光っているようなっ」

「美人猫ですなっ」

《……恥ずかしい……っ》

「「「「「っ、かわいいっ」」」」」


猫好きが多いのかもしれない。おじさん達はメロメロだ。


『では、最後にこちらは風を司る方です。姿はフェンリルになります』

「「「「「フェンリル!」」」」」

《うむ》

「私でも知っておる! なんとっ! ただの犬や狼ではないのか!」

「ファンタジーですな!」

《うむ。良い反応だな》


珀豪の機嫌は回復したようだ。


「あの。では、そちらのお二方はどのような姿なのですか?」

『こちらは、光の方で、鳳凰。そして、こちらが闇で……ドラゴンです』

「「「「「っ!! ドラゴン!?」」」」」

「っ! それは西洋系ですか!?」

『そうです。翼の生えた、大きく優美な姿をしておられます』

《ほほっ。褒めてくれるではないか。のお、主殿。どうだろうか。扉で、外に繋げてくれれば、見えるのではないか? せっかくのお客様なのだからな》

『……高耶さん、どうされます?』

「……分かりました。こういう機会でもないと無理ですし……」


遥迦の所の小屋に扉を繋げて、そこから見てもらうことにした。それも、テーマパーク並みに開発が進んでいる所ではなく、まだ未開発の所に建てた仮の休憩できる小屋にだ。


そこで、大きな黒いドラゴンと美しい鳳凰が空を舞う様を、神職の者達だけでなく、初見の首領達も並んで口をポカンと開けながら見たのだ。


だが、この後もまだまだ未知のものを見ることになるということを、彼らは知らない。







読んでくださりありがとうございます◎

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