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秘伝賜ります  作者: 紫南
341/449

341 こちらの人には驚きます

2023. 9. 28

昼ご飯は俊哉達と部屋で食べた。時島と武雄も一緒だった。


「高耶はほんと、仕事から離れられねえんだな〜」


俊哉が残念そうに、行儀悪く頬杖を突いて天ぷらを食べていた。


「いや、俺が悪いわけじゃ……」


高耶にもどうにもならないことだ。


「強いて言えば……悪いのは占いか……?」

「あ〜、焔泉さんのだっけ? 当たり過ぎんのも問題だよな〜。けど、避けられねえんだろ?」

「ああ……無理だな。今回みたいなのも、旅先でとか言われたから、旅しなきゃ良いと思うだろ?」

「おう」

「忘れた頃にでも遠出すると、そうなるんだよ……」

「……すげえな……」


どうしても避けられないのだ。それはもう運命と言ってしまって良いものだった。


武雄がこれに口を挟む。


「エンセン……さん? って、あの代表の女の人だよね?」


これに答えたのは俊哉だ。


「あっ、武雄会ったんだ? そういや、来てたか。焔泉さん、カッコいいだろっ」

「っ、俊哉知ってるんだ? すごい綺麗な人だったよ。あんなに着物が似合う人、普通に居るんだって驚いた」

「分かる分かるっ。それも、赤いのが似合うよなっ」

「そうっ。黒とか赤がすごく似合いそう!」

「姐さんって感じするんだよな!」

「うん!」


俊哉も焔泉の事が好きらしい。蓮次郎とも仲が良い。俊哉が二人に気に入られているのはよく分かっている。


そして、時島もそうだ。


「焔泉さんは、いつも溌剌とされていて、話をしているとこちらまで楽しくなるしなあ」

「先生も知ってるんですか?」


武雄が尋ねるのに、時島が頷く。


「ああ。畏れ多いことに、友人だよ。藤さんにも会ったと聞いたが」

「知ってるんですか!?」

「瑶迦さんのところに遊びに行くからな」

「それって……藤さんの……」


武雄は、女将からの血を受け継いだのだろう。客の、人の話を聞き逃さない。


「姫さんは、高耶のばあちゃんみたいなもんだからなっ。めっちゃお姫様だけどっ」

「おばあちゃんなのに?」

「いや、見た目は俺らより若いかも。美少女って感じだからさ」

「……おばあちゃん……だよね?」


意味が分からないと武雄が首を傾げるのも仕方がない。


「あっ、俺写真あるわ。見る?」

「「「「「見る」」」」」


これには、話を聞いていた満、嶺、槇、それと彰彦も身を乗り出していた。


それから、瑶迦の所の写真をも見せたことで盛り上がる。


「何コレ……合成じゃないんだ?」

「空に城!? それも日本の!?」

「ドラゴンが飛んでる!! いや、流石に合成だよな!?」

「美しいっ……氷の城っ……」

「すごいっ……こんなリゾートっ……それにっ……」


全員が、瑶迦の写真に釘付けだった。


「「「「「本物の姫だ!」」」」」

「……本物って……」


高耶はどう反応すれば良いのか分からなかった。


「そういえば、高耶。何かするって言ってたよね? 数日時間をって」


武雄があの場での会話を思い出したようだ。


「ああ……ちょっと修行をな……」

「どんな?」

「神気を抑える修行だ……瑶迦さんに本格的に教わらないといけなくなった」


そこで、充雪が唐突に現れる。


《よっしゃ! 修行だ!!》

「「「「「っ!!」」」」」

「じいさん……」


時島や俊哉に視えるようにしてあったのを忘れていたのだ。しまったと思った時には遅かった。


空中に現れた充雪に、武雄や満達は驚いて箸を落とし、口をポカンと開けて動けなくなっていた。







読んでくださりありがとうございます◎

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