表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女優が異世界で出来る事。  作者: 弐道ネイ
3/10

第3話:仕事。

第3話。

行き倒れていたところを、謎の美女に助けられた私。


普通の一軒家に連れていってもらい、

たくさん食べ物を食べさせてもらった。


「ありがとうございます。助かりました。」


「あんた、名前は?」


小湊こみなと美奈みなです。」


「そう。私の名前はローザ。よろしく。」


「あ、よろしくです。」



「で・・・・・だ。

この世の中、ただでメシを食べさせてくれるとこなんかあるわけないって知ってるよね?」

ローザさんの口調が、急に鋭くなった。


「え・・・・・?」

キョトンとする私。



働かざる者、食うべからず。


メシを食べさせてもらった見返りに、ローザの店で働く事になった。



食事後、私が食器を洗い終わった後、現実世界に戻る方法を聞いた。


しかし、ローザさんも元からここに住んでいて、ここが現実世界だと言う。



と・・・・いう事は、今の今まで、ここはゲームの世界と思い込んでいたが、

もしかしたらここは、異世界なのかも知れない・・・・という考えにいたった。

まだ完全にそうだと決まったわけじゃないけど。



寝る所も用意してもらい、次の日。


昨日、私をかみまくった動物は、元モンスター(魔物)らしく、町の外から連れてきて、

むりやりねじふせ、自分のペットにしたらしい。


名前はガブラレル。よくかみつかれるからそういう名前にしたらしい。


私は、ガブラエルだから、ガブと呼ぶことにした。



「ガブ!お手。」

ガブの前に手を出す私。


ガブッッ


「いて――――!!!」


手をかまれた。


私が食べ物をあげても食べないし、かみまくってくる。


だけど私はめげない。


ガブとは根気よく付き合い、いつか必ず懐かせてやる、と心の中で決意した。


ってその前に現実世界に帰れるのが一番いいんだけど、帰る方法分からないから今は

その事は考えないでおく。




仕事。


ローザさんは1人でなんでも屋をやっている。

薬草や剣、イスやリンゴなど、いろんなものを売っている。



ぶっちゃけ、赤字らしい。


この店は坂の上にあり、しかも人も家も少ない。

だから、まぁそうだろうなと思ったが、言わない。



ローザさんは、

売り上げアップのため、配達の仕事を始めるという。


配達をするのはもちろん私。

ローザさんは偉そうに命令してくるくせにグータラで、店のカウンターでずっとマンガ読んでる。


そりゃあ儲かるわけないでしょう。



私は、たくさんの家をまわり、配達を始めた事を知らせ、次の日、25件の家にアイテムや食料などを配達する事になった。


お客様の話で、昔はこの店、配達やっていたらしい。


店に戻り、ローザさんになぜ人がこんなにいないか聞いてみた。


昔は、ローザさんの美貌びぼうにひかれ、若い男どもが安月給で働かされていたらしい。

ローザさんの性格の悪さ、女王様っぷりに嫌気がさし、みんな恐らく辞めていったんだと思う。



次の日、朝9時スタート。荷物たくさん持ち、配達開始。この世界、車や電車はない。



配達終わったの夜7時。

・・・いやだって、足で一軒一軒だよ?範囲広いし・・・・。


遅くても昼12時には終わらせろと言われたが、

ムリ。出来るわけない。


・・・・まぁ、もちろん、お客様にもローザさんにもかなり怒られまくったわけで・・・・・。



次の日は、21件。配達終わったの17時30分。


そのまた次の日は、13件。配達終わったの14時30分。


日に日に件数が減り、私の足はパンパン。


ローザさんには無視されてる。

メシは食べさせてもらっているが、赤字だから給料なし。



頑張ってないわけではないのだが・・・・・。



仕事は上手くいってないが、上手くいきだした事もある。



それは、ガブとのコミュニケーションだ。


ガブは私に懐くようになった。


時間があれば遊んであげて、食べ物も毎回与え、根気よく向き合ったのがよかったのだろう。



ふと思いつく。

ガブの背中に乗せてもらったらどうだろうか?

と。



次の日、新しい地区をまわり、配達先を増やし、


そのまた次の日、26件、朝9時開始で、

ガブの背中に乗り、配達スタート。


すると・・・・・、昼12時に配達を終え、店に戻る事が出来た。



ローザさんは疑う。ほんとは配達全部まわってないんじゃないかと。



しかし、毎日働き、10日後、


1日で配達件数50件で、15時には店に戻って来られるようになり、店は黒字になったらしい。

で、初めてローザさんに褒められた。

うれしかった。



異世界(?)に来てから20日目。

現実世界に帰る事を忘れてた時、

店の外の坂の下を見ると、鎧を着たたくさんの男が、どこかに向かって行く所を見かけた。


その中に・・・・・、知ってる人がいて、私は驚いた。


私が演技の道を志したきっかけの人、山平やまだいら宗高むねたかが鎧の男達の中にいたからだ。


山平は演技がすごく上手く、私が中学2年生の時、テレビでその演技を見て、感動し、私も俳優になり

たいと思い、俳優になったのだ。



ローザさんに、あの集団が何なのか聞いた。


この町の若い男は、町の外のモンスター(魔物)を倒すため、時々、集団で戦いに出るらしい。


で、一度の戦いで、半分以上は死ぬらしい。


そういえば、配達先、女性やお年寄り、魔物人間ばかりだったのに今ごろ気付いた。


鎧の男の集団が向かう先は、詰所つめしょと呼ばれる所らしい。


そこで戦いにでる準備をするらしい。



さっきの山平の表情を思い出す。

かなり落ち込んだ表情をしていた。


私は思った。


どうにか山平を救う事は出来ないだろうかと。



私は考えた。


男のふりをして、鎧を着てあの集団にまぎれ込み、どさくさにまぎれて、山平を救う事はできないかと。



しかし、私は女で、チビで体も小さい。


でも、男っぽい声出せるし、

自分でいうのもなんだが、私は最近、ドラマや映画に引っ張りだこの、人気急上昇中の演技派女優だ。(全部脇役わきやくで、主役はやった事ないけど。)



私の演技で、男のふりして助けることが出来るのではないかと思った。


もちろんローザさんには言えない。絶対、やめとけって言われると思うから。



居ても立っても居られない。


私はすぐに行動に移す事にした。

読んで頂きありがとうございます。

まだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ