第1話:空中に浮かぶひび割れ
私の名前は小湊美奈。
19さい。
職業、女優。
仕事が終わり、イヤホンして町を歩いている途中、
ふと路地裏の方を見ると、
空中にひび割れがあり・・・・、
「何これ、何これ――――!すご――――い!
空中にひびが割れてる―――――!!」
はしゃぐ私。
この時の私は、この空中に浮かぶひび割れを、世紀の大発見と思っていた。
私、第1発見者として超有名になるんじゃないの~~~?
と。
何の考えもなしに触ってみた。
ピトッ
私がひび割れに触った次の瞬間、
カッ!!!
ひび割れが光り、
辺り一面、光に包まれた。
眩しくて、目をつぶる私。
しばらくして、目を開けると・・・・・・。
「ほえほえ?」
混乱する私。
さっきまで東京の街を歩いていたはずなのに・・・・、
周りを見渡すと、
鎧を着た男の人が歩いていたり、
顔がトカゲの人間(?)が歩いていたり、
馬車かと思ったら、馬ではなく、恐竜だったりした。
そして街並みは中世ヨーロッパ風。
まさに、剣と魔法の世界。
私は、ゲーム大好きで、1年前まではよく、RPGのゲームをよくやってた。
最近は仕事が忙しくて遊べてなかったけど。
たぶん、ここはゲームの世界なんだろう。
で、さっきのひび割れは、このVRゲームに行くための起動スイッチだったんだと
思う。
いつの間にか、ゲームはここまでリアルに再現出来るようになったんだな、と感心した。
ゲーム好きだから、テンション上がったが、明日もお仕事があるから遊んでる場合ではない。
早く現実世界に戻ろう、と思い、
イヤホンを外し、町を歩いてる人にどうやったら元の世界に戻れるか聞いた。
そしたら・・・・、
「このゲームから出たい・・・・?なんの話?」
「あ・・・・、いえ、なんでもないです。」
今さっきの男の人はたぶん、コンピューターで動いている人なんだろう。
私と同じ、プレイヤーいないかな・・・、と、町行く人や魔物人間(?)の顔を見るが、
区別がつかない。
「ええい!!片っ端から聞いてまわろう!」
町行く人に聞きまくった。
だがしかし、みんなまるでもともとこの世界に住んでいたかのように言う。
みんなコンピュータなのか、はたまたウソをついているのか・・・・。
途方に暮れる私。
『まずい・・・・、まずいなぁ・・・・・。
このままでは、仕事ドタキャンしたって事になる。
どうする?どうするよ、私。』
噴水前のベンチに座り、考える私。
元の世界に戻る事、出来るんだろうか・・・・・?
つづく。
読んで頂きありがとうございます。
人気急上昇中の女優が異世界に行ったら、どうなるんだろう?
ここで何ができるんだろう?と思い、こういう話を読んでみたくなり、
書き始めました。
明るくてバカな女の子の視点で、明るく楽しい話を書いていけたらと考えております。
読んでくれた人が、元気になる、そういった話を書いていけたらと思います。
何卒よろしくお願いいたします。
・・・・前書きに載せたイラストについて。
もともと、漫画家志望だったので、描いてみました。
まだ続きます。よろしくお願い致します。