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私達、異世界の村と合併します!!  作者: NaTa音
第0章 チュートリアル編
14/84

第十一話 ゆるりと〜……、カルルス村の午後

本日の午後22時頃に活動報告及びTwitterで定期更新の宣言を行います。

詳しい日程は活動報告で致しますので確認の程をよろしくお願いします……。


これからも『私達、異世界の村と合併します!!』の応援をよろしくお願いします!!


えっ? なんで、後書きで書かないか……ですか? それは、後書きを読んでみれば分かります…………。


 さてと……勢いよく飛び出したはいいけど、どこに行けばいいのやら。


「とりあえず、畑に行ってみるか――」


 ベリー村長の忠言通り、この世界の子ども達が呪いに汚染された土に触れれば命はない。

 まして、あの子達のなかには年端もいかない幼い子もいた。

 そんな子が即死の呪いの恐ろしさを理解しているとは思えない。


「……ここにはいないかぁ。ま、となるとさっきの街道の近くにいるな」


 黒紫色に染まった呪いの大地を見ながらため息を吐く。

 ここの畑も今のところ手つかずになってしまっているからなぁ……村の子どもが間違って足を踏み入れないとも考えられない。

 この畑も早いとこ何とかしないとダメだな……げんき村が水源を確保したらすぐにでも事にあたらなきゃ!


「明日……いや、遅くとも三日以内に何とかしないと…………さて、あの子達がここにいないのは分かったので、街道に向かいますか」


 私は元きた道を引き返して畑とは反対側の街道に向かう。

 しかし、昼近い時間だというのに村人の通りが異様に少ない。

 勝手なイメージだけど、農村ってもっと活気のあるところだと思ってたんだけど……。


「畑がダメになってるんだから外に出る必要がないのかな……?」


 農村の人間にとって『畑』が大切な仕事に場なのだ。

 それが、なくなったということは彼らは今、実質的な無職ということになる。

 まずいな……ここは今、農村ではなく“ニート村”になっているのか……うーむ、やっぱり明日にでも畑の土をなんとかするべきだろうか。


 ま、それは、私が一人で決めることじゃないか。

 まずは、ベリー村長に相談、その後、げんき村の皆に相談して日取りと人数を決めて、カルルス村の人達にも――、


「あー……村長って意外と面倒だなぁ~」


 おっと! いけない、いけない! こんなこと言って誰かに聞かれちゃならない。

 周りに誰もいないことを確認して、私は街道へ早足で向かった。


「――か~って、うれしい花いちもんめ!」

「――まけ~て、くやしい花いちもんめ!」


 ……おや? この歌は?


 街道に出ると道のど真ん中で子ども達が何やら横一列のグループを二つ作って向かい合っている。

 うん、これは間違いない。

 私達の世界の童歌『花いちもんめ』だ。


「となりのオバサンちょっと来ておくれ♪」

「オニが居るからいかれない――♪」

「ねぇねぇ、それって花いちもんめだよね?」


 私が声をかけると子ども達が遊ぶのを止めて一斉にこちらを向く。

 遊びを中断されたことに子ども達は一瞬、ムスッとした顔になったが、私を見るなりパッと顔を輝かせた。


「そんちょー2号!」

「そんちょー2号だッ! 一緒に遊ぼ!!」


 子ども達は私に群がって、手を引いて彼らの遊びの輪に誘ってくる。

 その中に、先の女の子もいて、その子が手を引く子ども達を振り切って私の前に立つ。


「だめッ! そんちょー2号は私とお話する約束なの!!」

「えー!」

「ずるいぞー!! マリア!」


 マリアと呼ばれた少女は他の子からブーイングをくらうが、まるで意に介さない様子でそっぽ向いて鼻を鳴らす。


「ふん! 知らないわ!! 私が先に約束したの! 文句があるならかかってらっしゃい!!」

「うっ……」

「ひ、卑怯だ……ぞ…………」


 マリアちゃんが服の袖を捲って臨戦態勢をとると、ブーイングをしていた子(主に男子)が引きつった顔をして押し黙った。

 情けないなぁ~。おい~男子しっかりしろ~。しかし、またずいぶんとおてんばで強情な子だな……。

 そして、この強情さはどっかのおじいちゃんそっくりだ。


「……マリアちゃん」

「どうしたの? そんちょー2号?」

「ねぇ、やっぱり、みんなで花いちもんめ……やらない?」

「えっ……そんちょー2号、裏切り者…………なの?」


 マリアちゃんの目にみるみる涙が溜まっていく。

 あややや!? やばい……! 私、子どものあやし方なんて知らないよぉ!!


「ちがうちがう! 今日、私この後も仕事があるから、あんまりゆっくりしてられないの。マリアちゃんとはゆっくりお話ししたいからさ! お話は、また今度で……」

「嘘つき……朝のとき、この後ゆっくり話そうって言ったくせに……私、待ってたのに……」

「……うぐっ!? た、たしかに――」


 私の胸にマリアちゃんの言葉が鋭い槍のようにブスリッと刺さる。

 しかし、時間があまりないのは事実だし……かと言って、マリアちゃんとの約束をないがしろには――ッ!


「おやおや、そうだったのですか……それは、申し訳ないことをしてしまいました」


 今にも泣きだしてしまいそうなマリアちゃんにおろおろする私に救世主が現れた! 正直、狙っていたんじゃないかと思うほど、グッドなタイミングでベリー村長がやって来た。

 村長はマリアちゃんの前に跪くと、物語に登場する騎士のように首を垂れる。


「ベリーそんちょー……?」

「マリアさんとの先約があるとも知らずに乃香村長を横取りしてしまいました。申し訳ありません、お詫びに今度、町に行ったときに美味しいお菓子を買ってきましょう。それで、許してくれますか?」

「……うん、わかった」

「さすがは、マリアさん。おねえさんですね」


 ベリー村長は顔を上げると、マリアちゃんの金髪の頭を撫でる。

 いいなぁ~! 私もなでなでしたいよぉ~!

 村長からのなでなでを貰ったマリアちゃんは少し恥ずかしそうにはにかむ。


「えへへ……」

「――さて、乃香村長。工事が思いの外早く完成したので、報告にきたのですが」

「あ! なら、すぐにでも――!」

「いえ、その前に彼らと遊ぶのが先です。これも立派な村長としての仕事ですよ」

「村長……」


 すると、子ども達はベリー村長の腕も引いて、仲間に誘う。


「なら、そんちょーも一緒にあそぼ!」

「あそぼ! あそぼ!!」

「ふむ……そうですね。では、私もご一緒させていただきましょう」

「やったぁー!!」


 ベリー村長が頷くと子ども達は一斉に喜んではしゃぎだす。

 やっぱり、彼はこの村に愛されているのだろう。

 すると、ベリー村長が私に手を差し伸べて、


「さぁ、乃香村長もやりましょう! いや、懐かしいですね~! 花いちもんめ。祖父の代からこの村に伝わる伝統的な遊びなんですよ」

「祖父……村長のおじいちゃんですか? ということは、村長のおじいちゃんは私達の世界の人間だったんですか?」

「いえ、あの人はこの世界の生まれですよ」

「じゃあ、なんで……?」


 いや、待てよ、確か……フォガラ大地下水道を完成させたとき私達の世界の人間と協力して作り上げたと言っていたよね。

 ってことは、その時に教えてもらったってことか……。


「……乃香村長?」

「いえ、なんでもありません! さぁ! 遊びましょう!!」

「そんちょー! そんちょー2号!! はやくはやくぅ~!!」

「はーい! 今行きまーす!!」


 “カナート”、“花いちもんめ”――古今を問わず、東西を問わず私達の世界の文化や技術がこうしてこの世界の人達の生活に息づいて、支えてる。

 だからなのかな……この世界でやっていけそうって思えるのは――。


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

 いや~、久しぶりの“花いちもんめ”楽しかったなぁ~! 保育園の時以来じゃないかな? 私もベリー村長も年甲斐もなくはしゃいで、通りかかった馬車に轢き殺されそうになってしまったことは要反省……。


「しかし、久しぶりにやってみたんですけど意外にも楽しかったですね!」

「えぇ、本当に……。僕もなんだか子供の頃に戻ったような懐かしさを感じました」


 フォガラ大地下水道へ続く階段を下りながら私とベリー村長はしみじみと子ども達と遊んだことを振り返る。


「また、いつかこういう機会があればぜひ、その時は村長も……」

「えぇ、僕でよければいつでも付き合いますとも!」


 ベリー村長はニッコリと微笑むと、大きく頷いた。


 ……こうしてみると、彼はずいぶんと笑顔が温かくなった。 

 出会ったばかりの頃はもっと無機的で、まるでアニメのキャラクターの笑顔でも見ている気分だったが、今では人間的というか、私達がいた世界の人と何ら変わらない素敵な表情になった。

 うん、これも打ち解けてきたってことなのかな――。

 

「そういえば、フォガラ大地下水道のげんき村方面の水路が開通したんですよね?」

「えぇ、今からその確認です。彼らの仕事は完璧に近いですが、こうして人の目で確かめることで初めて『完璧』といえるものになるのです」


 ベリー村長はよく、難しい言い回しをする。

 ようは、『確認する』という行為そのものが完璧な仕事を完遂するための最期の工程と言いたいのだろう。

 どうして、男の人ってこう難しい物言いをするのだろう? カッコつけてるのかぁ?

 まぁ、いいや。ともあれ、これで、げんき村の早期に解決すべき大きな課題は一段落する。

 そうすれば、明日にでもカルルス村の土壌浄化に着手することができる。


 水路に到着すると、対岸に岩田さんズが立っており、その後ろには高さ五メートル程の大きなトンネルが口を開けていた。

 ゴウゴウ! と勢いのある音ともに大量の雪解け水がトンネルの暗闇に吸い込まれていく。


「やっほー! 岩田さん! 工事、終わったの~?」

「…………(コクリ)」

「すごいね! 半日もしないうちにそんな大きなトンネルを掘っちゃうなんて!!」

「…………(///)」


 岩田さんは照れているのか、長腕を胴体の後ろに持っていって身体をくねらせる。

 うーん、なんか照れているっていうよりも背中が痒くて掻いているみたい見えるけどね……。

 あ、でも、岩田さんみたいに腕が長ければ、背中が痒くても簡単に届いちゃうよね。

 いいなぁ~岩田さんは腕が長くて……。短足はイヤだけど……。


「では、対岸に移りましょうか」

「――えっ? いや、ちょっと、待ってください」


 対岸まで四メートル近くある、そんな距離を文系サークルの人間が飛び越えられるはずがない。

 助走をつけて跳んだって落水する自身がある――! 


「そうですか……では、失礼――」

「えっ!? うそ!! ちょ――マジですか!?」


 なんと、ベリー村長は私をひょいと持ち上げると、背中と膝裏に腕を通して抱きかかえた。

 いわゆる、『お姫様抱っこ』というやつだ……。


 わーい! やったぁー。人生初のお姫様抱っこがをこんなイケメンにしてもらえるなんてチョー嬉しー…………。


 ――じゃねーええええ!! ウソでしょ!? まさかこの人、私を抱えたまま水路を飛び越えるつもりなの!?


「えッ!? そんちょー!? ウソですよね? まさか、このまま跳ぶとか……」

「えぇ、跳びますよ(ニッコリ)」

「そんな爽やかに言わないでぇぇぇ! いやぁあああ! 落ちるーー!!」

「しっかり、捕まっていてくださいね。じゃ、いきますよ――」


 いや、いきますよ、じゃないでしょ!? せめて、助走くらいつけてよ! なんで、立ち幅跳びしようとしてるの!? しかも、膝すら曲げてないしッ!!

 

「村長、せめて、助走を――――!」


 私が進言したときには時すでに遅し、ベリー村長は私を抱えたまま水路に向かって跳んでした。

 ――あぁ、オワタ……。いくら、男性でも人ひとり抱えたまま四メートルの距離を助走もなしに飛び越えられるはずがない。

 どうしようもなくなった私は、ベリー村長の服を掴んで祈るしかなかった。


 くうぅ……こんなことなら少しダイエットしとけばよかったぁ……! そりゃ、ビールと焼き鳥を食ってげらげら笑っているような私なんか重いに決まってるよね…………。

 ごめんなさい、ベリー村長、こんどお姫様抱っこしてもらうときはちゃんと、減量しますから――


「――と、乃香村長。もう、手を離していただいて大丈夫ですよ」

「……ふぇ?」


 いつの間に、着地していたのだろう。

 ベリー村長が下ろしてくれた足元は、しっかりとした岩だった。

 うそでしょ……! あの距離を人を抱えたまま飛び越えるなんて…………ッ!? どんな身体能力してんのよ!!

 さすがは異世界、恐るべし……! と、私が驚いていると、ベリー村長が両手をしげしげと眺めながら、手を閉じたり開いたりしている。

 まるで、何かの感触を確かめているように……――。

 

「ベリー村長?」

「いや、乃香村長はまるで、マシュマロのように柔らかい身体をしていたので、少し驚いています。まるで、赤ん坊の頬っぺたのようですね」

「…………」

「おや? どうしましたか? 体調でも悪いんですか?」

「……………イエ、ナンデモアリマセン」


 ベリー村長のあっけらかんとした無垢な笑顔に怒るに怒れず、私は羞恥からくる怒りをひたすら自分の脂肪にぶつけるしかなかった。

 ちくしょ~! 今にみていろ、脂肪ども!! お前らも、私の体内から即刻、異世界転移させてやるからなッ!!!

〜乃香の一言(?)レポート〜

 

 私のこの一言レポートシリーズを前書きでやったほうが良いって作者に進言したんですよぉ、そしたら「いや、前書きには大切な事とか、重要なこととか書くかもしれないからダメ!」って言うんですよ! 私、この男の“かもしれない”が一番キライなんですよね!! 

 一回しか使わないくせに無駄に高額な物買って「また、使うかも〜。なら、保管しとこぉ〜」って言っていて『保管』という名の放置プレイ。 

 埃を被り始めた頃に二回目の使う機会が巡ってくるのですが、その時にはま〜た新しい物を買う! 結果、同じような物が増えるのです!!

 ですが、世の拘りの強い男子達はこう言うんです「一個、一個に違いがあるんだ! どうしても分からない!?」――――分かるかぁ! 私達から言わせればそんなもんどれも同じじゃあー!! このウ○コがぁ!!! ……となる訳です(ウ○コは言いすぎでしたごめんなさい)。

 

 まぁ、世の中における男女の『モノ』に対する価値観の違いというのは、おそらく人類史が始まって以来、延々と平行線のままなのでしょう。

 しかし、その平行線である価値観の違いを少しでも理解しようと歩み寄り、時に妥協し、時にぶつかり合って、そこで生まれたほんの僅かな共通点こそが『愛』というやつなのかもしれません。


 はぁ…………私は何を言ってるのでしょう? 花粉症が酷すぎて頭痛がするなかで書いたので内容がラリってます。

 ちなみにこの『ラリる』という言葉は1960年代の若者造語らしいですよ。

 流石に自由にやり過ぎたのでここらへんで切りますね……長々と申し訳ありませんでした…………。


 ということで、今回はムカついので後書きを占拠しました。

 なんか、作者が定期更新始めるぞ〜! みたいなこと言ったてけど知りませ〜ん!

 活動報告、Twitter、あと“前・書・き”でニュル蔵の作者が何か言ってるかもしれません、確認してあげてください。

 それでは、皆さん、良い週末をお過ごし下さい!!

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