幸福論。。
ホテルのフロント。ミケが、猫招きをし、あくびを残す。
「大山様、田中様。お帰りなさいませ。ミケは頑張って仕事をしてくれましたよ」
「ああ、そうなんだ。社長。藤原のおじちゃんがよろしっくて言ってたよ」
「ありがとうございます。田中様。お二人は、お部屋へ帰られますか」
「はい。ミケも部屋で休ませますね」
「ありがとうございます。あの私、ミケのお家を買ってきました。それと、ミケのご飯も」
ミケは首をクルクルと回し、私の頬にキスをしてくれた。一郎君とミケと嬉しくてエレベーターに乗って部屋へとブラブラと。一郎君と私。結婚。いいのかなぁ。こんな私で。いいや。結婚しちゃえ。
「一郎君。ほんとに結婚しようか」
「は、はい」
「ウエディングドレス、きちんと私に着せるんだよ」
「は、はい」
部屋で一郎君を抱きしめた。ミケは寝てしまった。気持ちよさそうに。キスを交わす二人。さっき、自販機で買った、ビールを一口、飲む。一郎君も、ビールを一口、飲む。あんた、酒、飲みなはれ、やりなはれ、やりなはれ、ミラクル。なんのこっちゃ。
「一郎君、その教習所のホモ男、どうするの」
「それなんですよ。ちょっと、本音は、気になって仕方ないんです。どうしたものか」
「教習所、辞めちゃいなよ。運転なら私がいつでも、どこでも、してあげるから」
一郎君は、自販機で買った、するめをかじる。そして、あくびして、笑顔になった。
「そうですね。いっそのこと、辞めちゃいましょうか」
「そうだ、そうだよ」
セックスを交わす二人。キスをして、愛し合う。幸福だ。気持ちいい。一郎君、愛してるよ。そして、二人は眠りに就いた。
10時か。一郎君は、まだ、寝ている。ミケの頭をなでる。
「ミケ、お仕事だよ」
「ミャーーーー」
一階のフロントへ向かうと凄かった。テレビカメラを中心に、5人の男女。
「社長さん、これ、どうしたの」
「おはようございます。田中様。ミケの取材をテレビ局の人が行いということになりまして。よろしかったでしょうか」
「勿論、だよ。ミケ、人気者だね」
「ミャーーーーーーーーーフグフグ」
まさに招き猫だ。女子アナっぽい人から、取材を受ける、松本社長。社長は汗だくだ。笑える。そして、ミケにもテレビカメラが向けられる。ミケは堂々とカメラを見つめる。幸せだなぁ。
ミケ。本当によかったね。
よいしょ。コーラを買いに行こうっと。一郎君の分も。
あんた、コーラ、飲みなはれ。やりなはれ。やりなはれ。ミラクル。
今日という日よありがとう。