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あまのじゃく

作者: toru

ベランダから見える代り映えしない景色、聞きなれた喧騒が焦燥感を悪戯に挑発する。

時間が喉を突いて出て行った。確かにそんな感じだった。

突飛な脈が内臓を押し上げるように。

負け犬、負け犬…頭ン中で自分が言ってる。

自ら何かを作らないと。

なんかしらの評価を受けて、それに近づけるように身を削って汗水流して。

それがすべてのように感じた。


言葉やアイデアは何かをつなぎとめるようにして

芸術の世界ってブランドを押し付けるように新しい階段を作る

登っっても登っても次から次へと新しく段は作られて行って

どれだけ真ん中から離れることができるかってこと。

寂しくて振り返れば誰もいなくて。はるか遠くに聞こえる笑い声ははるかに満ち足りていて。


しまった!


急いで階段を駆け下りる。一段ずつが一段とばしに、揺れる膝がきしみだしても息踊りだしても尻に点いた火を消すことができず一心不乱に向かっていく。何人の人とすれ違っただろう?何人の人を困らせ、不安がらせただろう?この道に光はないって言ってるようなもんだ。難破船を見放すかのように隣の船に何の気なしに飛び移った。


ここならまちがいない


消えては浮かび上がり、浮かんでは消えていく。あんなに楽しそうに聞こえた笑い声もそこにはなかった。いや、間違ってない。この場所で会ってるはずと確信できるくらい今までいたところは苦痛で、苦痛で。そこにいるくらいなら生きている意味もないと青白い顔で感じる地獄のような日々。

やってやる。

見よう見まねで下の方から再出発、いままで見下ろしてきたやつの下で先を読んでいく。

なんでも手を付けるように考えが足らない。


なにかを変えないと


なにか大切な何かが間違っている


叫びたい。暴れて解決するもんならいくらだって。

手かせ足かせを見てふと笑った。

どうにもならないとき、ここで死ぬとき、言いしれない恐怖を感じたとき

どんなに泣いたって明日はやってくるし、どんなに笑ったって明日は早くやってこない。

今日の日になにを見つけれるだろう?若いころに気づきもしなかった何かを求めて。

不完全だった自分、完全だと思い込んだ自分

どっちが幸せなんだろう?


でもだれにも負けたくないだけなんだろ?

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