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千剣の勇者  作者: 白湯結
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世界の別れ

どうも結です。

千剣せんけんとありますが剣だけでなく槍とかもはいります。

語感でえらびました。

いい景色だ、遠くには青い山が見え、その頭にはほんのり雪がかぶさっている。

外はもう寒く下に見える人々は厚着をしている。

俺はビルの屋上からこの景色を眺めて、ため息をついた。白い息がはっきりと見えて、俺の心の中を映し出しているようだった。飽きた、もう消えたい、そんなものがここ数年俺の心を支配していた。俺は退屈で刺激の無い世界に飽きていたが、刺激ほしさに人を巻き込むほどおろかではなかった。

考えた末に出した結論は、自殺だった。


正直もうこんな世界に未練はなかった。人通りの多い道では飛び降りるより先に発見されるかもしれない。そうなると癪なので、反対方向に行く。下は路地裏で、ここは16階なので確実に死ねる。

少しばかり勇気がなかったが、それでも恐怖をのみこみ無理やり身を投げた。

瞬間眼前に迫り来る地べたをみながら、最後に考えたのは靴をはいたままだったというあまりにつまらない物だった。












目が覚める、しばらくこうして寝ていたかったが、床に寝ていたのか下がかたく、体勢もおかしかったのであきらめる。

目を閉じたまま深呼吸をし、体起こし、目をこする。

脳が働き始めてようやく目を開けて認識したのは、白だった。

白、白、白。

4畳間ほどの真っ白な空間にいた。明るく、何も無い、おかしくなりそうな空間だった。それから少し間をおいて思い出す、自分がビルの16階から身を投げた事を。ここは天国……いや、あの世という奴なのか、そんな曖昧なことはどうでもよかった。俺の中では不安感より遙かに好奇心が勝っていた。

それはそうだ、つまらなくて死んだ後に、おもしろそうな事がまっていたのだから。


(キコエルカ……)


きたっ!思わず声にだしてしまった。この空間に閉じ込められて考えていた事、望んでいたことがまず、この白い空間で頭に直接響いてくる神からの心の声というゲームみたいな事だった。今たしかに頭に響くように聞こえるか?といっていた。


(オチツケ、トウヤ)


そう、今確かに名前を呼ばれた。トウヤと。俺の名前はトウヤだ。間違いなくこいつは俺に話しかけている。


(ソウダ、オマエニハナシカケテイル、ワレノハナシヲキケ)


「いいだろう、なんだ、お前は誰だ?神か?」


質問をぶつける。思考が好奇心に邪魔されてうまくはたらかない。喜びで全身が震えてとまらない。


(アア、カミダ、ハナシとハけいやくだ)


聞き取りづらい声だったが、少しずつ聞き取りやすくなっていった


(かんたんにいう、オマエはしんだ、セカイにあきたといって、ミズカラしをえらんだ)


そうだ、俺はあの世界に飽きて死んだ、だが今はどうだっていい、このいままでにないくらいのイベントのことしか考えられない。


(だからワレは、オマエをオマエが飽きないセカイへと生き返らせる)


「俺が飽きない世界……そこで俺を生まれ変わらせてくれるってことか!?」


(チガウ、生き返らせる、今の姿で、チカラを与えて)


「チカラってなんだ?ただ俺を楽しい世界に生き返らせてくれるんじゃないのか?」


(タダではない、目的がある。そのためにチカラが必要だ)


いまにも弾けとびそうな好奇心が俺のなかで躍動する。いよいよファンタジーな展開になってきた。予想よりも何倍も面白そうだ。


(ワレと契約すれば異世界で生き返らせ、チカラを与える。そのかわり『伝説の武器』を1000個あつめてもらう)


伝説の武器、その言葉が俺を突き動かした。子供のころに思い描いた夢が現実になる。いや、夢なのかもしれないがどうだっていい、ただ俺は神の言葉に耳をかたむけた


(契約するならそういえ、しないのならオマエは消える)


するに決まっている。どんなに危険でも、それはあまりに魅力的だった。


「契約するっ!、俺は契約するぞぉぉおおおお!!」


瞬間手の平が熱くなる。そこには契約の印なのか、紋様がうかぶ。そこから光があふれて、俺を包む。

吹き飛ぶような意識のなか、俺は最後にいままでいた世界に別れを告げた


「じゃあな、クソみてぇに退屈だった世界よ!」

できれば毎日更新したいです。というかもう半分できあがってるのです。

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