7 見えるの?
あたしは凶悪ヤンキー1号の家に行ってみることにした。
まぁヤンキーって言っても元だけどね(笑)
今は優しいし、喧嘩は強いけど(笑)
彼の名前は『高城 実』。
元ヤンキーである時には凶悪ヤンキーとも言われた男。
喧嘩が誰よりも強いけど無口で転入してきたせいかいつも敬語。
実の前の学校は近かったから凶悪ヤンキーって事で隣の学校まで名は知られてた。
あたしも最初はすごく怖かったけど今は全く(笑)
あ、ここか。
あたしの目の前には立派な一軒家が建っていた。
「おっ邪魔しま~す♪」とドアをすり抜けようとした瞬間、
ガチャッと開いた。
「うわっ」
もちろん瑞樹には当たらない。
出てきたのは実。すぐに右へ曲がった。
右って事は・・・信之の家にでも行くのかな。
どうしよう、行こうかな、うーん、行こう。←はやっ
あたしは信之の家に先回りした。
信之の家はアパートだったので、階段を上らないといけない、が。
瑞樹は空中を飛んで3階にある信之の家にそのまますり抜けた。
「おわっ瑞樹?今までどこいってたんだよ」
「・・・お散歩」「はぁ~?」
「ねぇ今から実が来るよ!」「知ってる、俺が呼んだ」
「なんで?」「暇だから」「・・・」
信之はいまだに実と仲がいいらしい。
ちょっと意外、他のみんなとは離れたくせに・・・
あっ口聞いてないだけか。
ピンポーン
ガチャッ
「こんにちは」
実だ。さっきはドアに隠れてあんまり姿が見えなかったけど・・・
昔と変わらない、くせ毛も、顔も、声も。
「チャイム鳴らしたくせに勝手に入んなよ」
「待つのが面倒なので」「そんな待たせねーよ」
「信之くんなら待たせそうなので」「だから待たせねーって」
2人のやり取りも変わらない。
懐かしいな・・・。
「そこらへん適当に座っとけ、茶入れるから」
「どうも、ありがうございます」
信之はキッチンに入っていった。
あたしもキッチンに入った
彩音の事を言った方がいいと思って。
「ねぇ信之、大変だよ!」「なんだ?」
「彩音が死ぬんだよ!」「は!?」
「お父さんに殺されるよ!」
「落ち着けってどういうことだよ!」
あたしは信之に話した。
借金を背負ってる事、お母さんが出てった事、いまのお父さんの事。
「なるほどな~」と言ってキッチンを出ていき
お茶を持ち実がいる場所へと戻っていった。
「ねぇ信之どうしよう!?」
「そうですね、少し心配です」「だよね~」
「僕も少し様子を見に行ってみたいです」
「でもちょっと行きにくいって言うか・・・」
「それもそうですね」
さすが実だよ、信之とは大違い!
あれ・・・?実、いま・・・
「あたしの事見えるの!?」「え?見えますよ、瑞樹さんでしょ?」
「霊感あるの!?」「多少は」
信之以外にもあたしの事見える人がいたんだ!
すごいすごい!
「で、話戻すけど」「信之はなんでそんな冷静!?」
「明日、様子を見に行きましょうか?」「明日!?」
「はい、明日です、何か問題でも?」「多ありだろ!」
「じゃあ明日決定☆」「お前もか!」
「じゃあ明日5時に公園で待ち合わせしましょう」
「「5時!?」」
「夕方の5時です、昼間は小説を読みたいので」
「5時って・・・」「なにか問題でも?理由はちゃんとあるでしょう?」
「いや、あるけどもだな、実・・・」
「いいじゃん!もう5時で!決ーまり!☆」
少しめちゃくちゃになったけど・・・
まぁいっか☆
めちゃくちゃになったけど気にせんで~